
突然ですが、「筋トレ」してますか?
「笹川スポーツ財団」という団体の推計では、20歳以上で1年に1回でも筋トレをした人は、2024年は、およそ1629万人!
2000年と比べると、実に2倍以上に増えています。
コロナ禍の2020年がピークで、そこからはやや減っているようなんですが、海外ではどうなっているのでしょうか?
この時間は「世界の筋肉事情」と題して、2つの国・街の番組通信員の方に現地の事情を伺います。
●アメリカ・ニューヨーク在住の中村英雄さん
Q1 アメリカでは2014年に医療保険制度改革、いわゆる「オバマケア」が導入されて以降、フィットネスジムに通う人や、店舗数が増加したそうですね。
A1 そうですね。歴史を紐解くと2019年までは順調にブームが続き、大手系、ブティック系ともに件数を増やしていたのですが、2020年のコロナで激減。フィットネス業界の将来は暗澹たるものになったのですが、コロナ禍がいち段落した2022年ごろから、(NYに限らず全米共通の傾向ですが)急速にリバウンド。
2026年現在、マンハッタンで3000軒、ブルックリンで1100軒のフィットネスセンターが営業中。半径40キロの大都市圏内に1万軒ものセンターがあるそうです。
Q2 超高級ジムも人気だとか?
A2 はい。中には月々の会費が1万ドル(日本円でおよそ160万円)を超えるクラブもあります。アメリカの富裕層は桁違いなので、そういうお金が払える人もいるんです。また、そういうジムに加入していることが社会的なステータスにもなっています。
Q3 一方で、ジム需要は高いものの、コスト高騰などの影響でジムの倒産も増えているとか?
A3 群雄割拠ですね。戦国時代。
ジムの倒産・閉鎖・統合は日常茶飯ですが、一方で多様化も進んでいて、単なる筋トレマシーンを揃えたスタジオばかりではなく、ご機嫌なクラブビートに合わせてみんなで一斉にバイクをこいだり、嬌声をあげながら集団でストレッチや茹でたせ、ウェイトをやったりと新機軸、新趣向は次から次へと出てきます。
なので、フィットネス業界が衰退している感じはあまりないです。
ちなみに、そういうニュータイプのジムは、若いメンバーが中心で、会費も実はそんなにバカ高くないんです。高級系ジムは、むしろ郊外やマンハッタンのアップタウンで展開していますね。
一方で、ちょっと手垢がついた老舗系のマシーン中心ジムは、朝から高齢者のたまり場となっていて、ジムごとに世代格差が可視化されています。
Q4 一昔前のビリーズブートキャンプのビリー隊長のような、筋肉を象徴するタレント、インフルエンサーなどはいますか?
A4 軍隊上がりの鬼インストラクター(実はいい人)が指導するブートキャンプ式から発展して、今は「過激」でなく仲間との「友好融和」を協調するスタイルがもてはやされています。
フィットネスジムは、もちろん出会いの場でもあります。そんな中、超イケメン・イケボディのナイスインストラクターが続々台頭。
たとえば人気ジム「ザ・ストロング・クラブ」の設立CEOで、フィットネスイベント「ストロングNY」を主宰するケニー・サントゥッチや、集団バイクフィットネスで有名な「ソウルサイクル」のカリスマ・インストラクター、エイキン・アクマン、ハリウッド俳優のパーソナルトレーナーから頭角を現してきたドン・サラディーノなどは、ものすごく影響力のあるアスリート・インフルエンサーです。
かつてのフォットネスTVジヴ台から比べるとインストラクターのキャラも指導内容も数段グレードアップした感がありますね。
Q5 一般市民の運動習慣について、中村さんはどう見ていますか?
A5 (運動をしない僕に、回答資格はないと思いますがw)、NYでは一般にみなさんよく運動していると思います。
これ見よがしにピタピタのウエアでジョギングしたりストレッチしている市民の姿は、NYの風景の一部で実に健康的です。
外食店でもサラダやヘルシーなエスニックフードが増えてきて食生活も30年前に比べたら数倍良くなっていると思います。
鍛えた筋肉を見せたくなるのは人情のようで、アメリカ人は秋でも冬でも肌をあらわにします。カラダの線があからさまに見えるヨガウェアで街を闊歩します。
日本人からすると「ちょっとお」と目を覆いたくなる場面もありますが、慣れてくると、これもヘルシーで、正直でしかもピースフルだし、いいかな、と思えるから不思議です。
⚫︎韓国・仁川在住の浜平恭子さん
Q1 韓国ではフィットネスジムが増えているそうですね? その背景は?
A1 韓国では至る所にジムがあって、運動が日常生活に入り込んでいる印象です。
(韓国フィットネス専門団体のデータを掲載した国際業界レポートによると)韓国のフィットネス施設は2024年に約22,200ヶ所、会員数は約630万人とされています。これは2年前の資料なので、更に増えているかと思います。同年の日本の(矢野経済研究所)調査によると日本は12,543ヶ所。韓国の人口は日本の半分以下だということを考えると、韓国の人口あたりのジム密度はかなり高いということになります。
ちなみに私の家の近所でも半径500メートル以内で調べてみるとジムが10ヶ所もありました。
Q2 ところで、筋肉が美しい韓国の俳優さんというと?
A2 今年特に注目されたのは俳優のホ・ナムジュンさんではないでしょうか?
「素晴らしき新世界」というドラマが世界的にヒットしましたが、ドラマの中で何度かシャワーシーンもあり、その肉体美も話題になりました。
韓国語ドラマを見ていると、そのシャワーシーンやトレーニングシーン要る?!と感じる時がありますが...(笑)役柄に合わせた筋肉まで役作りの一部になっているのでは?と感じます。
他に筋肉と聞いて重い浮かべる俳優と言えば、シリーズ映画「犯罪都市」のマ・ドンソクさんも有名です。
Q3 ほかに、筋肉をウリにしたタレントやインフルエンサーはいますか?
A3 日本のなかやまきんに君のように、筋肉をウリにした韓国の有名人でまず思い浮かぶのが、歌手でタレントのキム・ジョングクさんです。彼のYouTubeチャンネル『GYM JONG KOOK』も人気で、現在の登録者数は約314万人です。韓国では筋トレの方法や食事管理を発信する人も多く、筋肉がそのままコンテンツになる時代。
Q4 韓国で筋肉を鍛える男性が多いのは、やはり兵役の影響も強いのでしょうか?
A4 影響のひとつではあると思います。
韓国の現役兵の服務期間は、陸軍・海兵隊が18か月、海軍が20か月、空軍が21か月です。集団生活や体力訓練を経験するので、運動習慣のきっかけになる人もいるでしょう。殆どの軍隊施設にはジムのような運動室もあるそうです。ただし、兵役を経験すれば必ず筋肉がつくわけではありません。退役後も鍛え続けるかどうかが大切です。
Q5 では、浜平さんは韓国の一般市民の運動習慣をどう見ていますか?
A5 韓国の調査(韓国文化体育観光部「2025年国民生活体育調査」)では、主な運動種目として1位がウォーキングで約41%、2位が筋トレ・ボディビルで約18%、3位が登山で約17%でした。
韓国で暮らしていると、日本でいた時よりジムに通う人やスポーツウェア姿の人を身近に感じます。
パーソナルトレーニングの料金も日本と比べると3~4割安いので、私が通うジムでもいつも多くの方が利用しています。ジムの数や料金から見ても、韓国で運動は特別なイベントというより、日常の一部になっている印象です。