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おととい、9月23日は「不動産の日」でした。
秋は不動産取引が活発になる時期であることなどから、全国宅地建物取引業協会連合会が制定した記念日です。

不動産価格、上がってますよね。
日本の都市部における不動産価格の高騰は、円安にともなう建設コストの上昇や、都市への人口・需要集中といった要因に加え、外国人による投資や買収も影響していると言われ、対策が急がれます。

さて、そんな不動産事情、海外ではどうなっているのでしょうか?
この時間は2つの国・街の番組通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。

●アメリカ・ハワイ在住/鮓谷裕美子さん

Q1 アメリカ全体で住宅価格が高騰していますが、ハワイ州ではどうでしょうか?

A1 アメリカ本土と同様に、ハワイ全体でもコロナ禍以降の不動産価格は歴史的に高い水準で高止まりしていますが、島や物件タイプによって状況は異なります。例えばハワイ島コナでは、戸建ての価格が前年比でやや落ち着き(約5.6%減)を見せており、2023年水準に戻る動きがある一方、依然としてコロナ前(2019年)の水準を大幅に上回っており、簡単には買えない高価格帯が続いています。

コンドミニアムは300万ドル(約4.7億円)を超えるような「超高級物件」が好調な一方で、一般価格帯(約57万2,500ドル:日本円で約9,000万円前後)は在庫増により価格が下落(約7.8%減)するなど、二極化が進行しています。

ハワイ島とオアフ島では戸建ての中央価格が120万ドル(約1.9億円前後)を超える水準で高止まりしており(マウイ島とカウアイ島は約130万ドル:約2.1億円)、ローカル層にとっても依然として厳しい購入環境が続いています。

Q2 ちなみに、ハワイ州では外国人による不動産の購入に関して規制や制限はないのでしょうか?

A2 ハワイ州では、原則として外国人であっても不動産購入に対する法的な制限はありません。
非居住者であっても所有権を取得することが可能です。
アメリカ市民と同様に、外国人も完全所有権の物件を自由に購入することができます。

ただし、購入時ではなく、将来売却する際などに非居住者向けの州税源泉徴収(HARPTA)や外国人向けの連邦税のFIRPTA(ファープタ)といった税務上のルールが適用されます。
また、海外からの購入者は住宅ローンの審査が厳しくなるため、現金買い(キャッシュ)の比率が高くなる傾向があります。

Q3 ハワイの不動産を購入する外国人の割合はどうなっていますか?

A3 外国人の購入者の中で、日本人は依然として大きな割合を占めており、トップクラスの存在感を持っています。近年の不動産取引統計データによると、ハワイ全体の不動産購入者の大半(7割以上)は州内居住者(ローカル)であり、次いでアメリカ本土からの買い手が約20%~24%を占めます。海外からの買い手(外国籍)全体の割合自体は数パーセント程度(またはそれ以下)にとどまっています。

そのなかでも外国人バイヤーの中では、日本が圧倒的1位を維持しています。

1位:日本(全体の約55.5%の外国所有不動産や、直近の統計でも最多の購入件数を記録)
2位:カナダ
3位:韓国
その他:台湾、中国などが続きます。

Q4 そのほか、ハワイ州の不動産について何か特徴的なことはありますか?

A4 ハワイ島最大の特徴であり、アメリカ本土や他の島の人たちを最も驚かせるのが、全島に設定されている「溶岩ハザード・ゾーン(1~9)」という区分けです。

アメリカ地質調査所(USGS)が、過去の噴火データや地形をもとに島全体を「ゾーン1(最もリスクが高い=活火山のすぐそば)」から「ゾーン9(最も安全=何万年も噴火していない)」までランク付けしています。

例えば、東側のプナ地区などにある「ゾーン1やゾーン2」のエリアは、いつ溶岩が流れてくるか分からないリスクがあるため、「え、ハワイなのにこんなに広くて一軒家が安いの!?」という驚きの安さで売りに出されることがあります。

安いからと飛びつくと、「民間の火災・損害保険がほぼ降りない(または超高額)」「通常の住宅ローンが組めず、現金買い(キャッシュ)しかできない」という高いハードルが待ち受けています。ハワイ島の不動産広告を見ると、必ず「Lava Zone: ○」と書かれているのがお約束です。

アメリカ・ハワイ在住/鮓谷裕美子さん、ありがとうございました!

⚫︎シンガポールライターの芳野郷子さん

「現地在住日本人ライターが案内する 大人のシンガポール旅」という、グルメを中心としたガイドブックを出版されています。

Q1 世界トップクラスの高価格水準と言われるシンガポールの不動産価格、現在はどのくらいの価格帯なのでしょうか?

A1 わかりやすい例を挙げてお話しますと、80平米(24坪)の新築コンドミニアムの場合、市中心部のほとんどの物件は日本円で1億円をはるかに超えます。ただシンガポールのコンドは共有部分が多くあり、多くのコンドにプール、テニスコート、ジム、サウナ、多目的ホールが付いています。

過去数十年、不動産価格はアップダウンしながら上がり続けていて、政府が発表した記録によると、2000年の時の不動産価格(民間住宅)と比べて今年は2.7倍以上に値上がりしています。世界的に見ても高いわけですが、東京23区と比べたら、平均すればいくらか安い印象ではあります。

Q2 そして、シンガポール国民の多くがお住まいという、 マンション、集合住宅、それは、公営、民間、その比率はどうなっているんでしょうか?

A2 きほどのコンドミニアムは民間のマンションの話で、シンガポーリアンの8割以上は公営住宅(HDBと呼ばれています)に住んでいます。土地が狭いので、独立後、政府が多くの一戸建てを買い上げて再開発し、高層の公営住宅を建設したため、一戸建ては少なくなってしまいました。公営住宅も決して安くなく、便利な場所ではやはり1億円越え物件もかなりあります。ただし、定収入があれば、少ない頭金しかなくてもどこかに買えるような状況ではあります。一方、土地付きの一軒家を買えるのは超富裕層のみ、となります。ただし、祖父母やもっと前の世代が住んでいた一軒家を代々引き継いで住んでいるという人もいます。

Q3  シンガポールの、外国人の不動産取得に関しての規制はどうなっているのでしょうか?

A3  外国人のお金持ちが一時期、シンガポールの不動産を投機的な目的で買い漁って価格が高騰したことがあり、その後法律が厳しくなりました。シンガポール国籍や永住権のない外国人が住宅を購入する場合、追加の印紙税(ABSD)がなんと、物件価格の60%もかかります。 この印紙税は住宅一軒目の購入の際、シンガポール人なら0%、永住権保持者は5%、そして外国人は60%となっています。民間のコンドミニアムはほぼ1億円越えですから、 この追加の印紙税だけで何千万円もかかってきます。

Q4  国土の小さな国ならではの工夫がなされているんですね。

A4  シンガポールの不動産はそもそも制度的に外国人が買えるものは限られています。基本的には外国人が単独で公営住宅を買うことはできませんし、土地付き一戸建てに関しては政府の厳しい審査があります。民間のコンドミニアムは許可なしで購入できますが、60%の大きな追加税負担がかかってきます。これはシンガポールが小さい国だ という事情もありますが、自国民を守る政策でもあります。 そこが日本とは違う点だと言えるのではないでしょうか。