
今週は「防災週間」です。
J-WAVEでは防災にまつわるキャンペーン「STAY READY WITH J-WAVE~安全な未来のために~」をお送りしています。
ここ最近、世界でも 気候変動を背景にさまざまな災害が発生しています。世界の国、街では、どんな対策をとっているのでしょうか?
今日のこの時間は、「世界の防災事情」、チェックします。
⚫︎オランダ・アイントホーフェン 山本 直子さん
Q1 まず、オランダの防災では、どういった災害を想定していますか?
A1 オランダでまず第一に考えられているのは「水害」です。国土の4分の1以上が海面より低いため、嵐による高潮や海面上昇などによる洪水は、非常に大きなリスクです。近年は、気候変動の影響で、短時間に激しい雨が降る「都市型の水害」なども防災課題になっています。
Q2 防災において水害が第一というオランダ、近年、治水対策の方法を大きく変えているとか?
A2 はい。以前のオランダの治水は、堤防を高く、強くして、川の水を人間の生活空間に入れないようにしてきましたが、近年は、堤防を移して川幅を広げたり、洪水のときに一時的に水が流れ込む場所をつくったりしています。
つまり、昔は「川を人間の都合に合わせて閉じ込める」ことが中心だったのに対して、今は「水があふれることを前提にして、そのための場所をあらかじめ用意する」という発想です。これにより、湿地や自然環境の再生も進んでいます。
Q3 国や自治体レベルでの災害対策はどんなことが行われていますか?
A3 オランダでは、高度にデジタル化された防災・危機管理体制が
整備されています。デジタルのハザードマップがあるほか、
「Overstroom ik?」(私は洪水に遭うか?)というウェブサイトでは、自分の郵便番号を入力すると、堤防が決壊した場合に
「自分の自宅が最大何メートル浸水するか」
「浸水まで何時間猶予があるか」
「自宅の2階で避難が可能かどうか」が表示されます。また、「NL-Alert」という緊急の警報システムがあり、事件や大災害が発生した際には、対象地域の携帯電話に大きな音で警報が送られます。
そこでは、「何が起きているのか」「何をするべきか」そして「どこで詳しい情報を得られるか」が送られてきます。これはアプリがなくても、外国人旅行者の端末にも届きます。
Q4 そのほか、防災に関して、オランダらしい慣習はありますか?
A4 オランダでは水害が多いということもあり、子どもたちも緊急時に備えて水泳を習うことが必須となっています。大体小学生の間に、
「ディプロマ」と呼ばれる証書をもらうまで、水泳教室に通うんです。ディプロマをもらうためには、服を着たまま泳いだり、しばらく水に浮いたり...という訓練もあり、スポーツを楽しむという以外に、サバイバルの側面があります。
●台湾 / 片倉 佳史さん
Q1 まず、台湾ではどのような災害が想定されていますか?
A1 台湾は亜熱帯ということもあり、様々な自然災害に向き合っています。
つい先日も南部を中心に豪雨に見舞われ、洪水や土砂崩れなどがありました。台湾の年間降水量は約2500ミリで、
世界平均の2・6倍にもなります。ちなみに日本の年間平均降水量は1700ミリですから、かなり多いですよね。また、日本と同様、環太平洋造山帯にあるため、地震も多く様々な対策が練られています。
Q2 国や自治体の対応として、どのような災害対策がおこなわれていますか?
A2 はい、豪雨や台風に関しては毎年のように被害が出ますので、その対策はかなりしっかりしています。興味深いのは大型台風の襲来が予測されると、公園などにある樹木をばっさり切ってしまいます。
台湾の樹木はとても大きく、潤いを感じる存在なので、
あまりにも大胆に刈ってしまう姿を前に驚いてしまうのですが、
強風にあおられて倒木することは確かに多いので、
仕方がないと納得しています。ただ、亜熱帯の植物は繁殖力が旺盛なので、3か月くらいすると元に戻ってしまいます。これにも驚きますね。また、台湾特有のものとして、
大規模な自然災害が予測された際、前日か当日に自治体の判断で仕事や学校のお休みにするという制度があります。降水量や風速を見ながら判断しますが、この時は外にはでず、自宅で待機することになります。社会の機能もストップします。
Q3 台湾といえば、避難所の体育館にすぐにプライバシーが確保できるテントが建てられるなど、対応の早さがSNSなどで話題になっていますが、なぜ、そのような早い対応が可能なのでしょうか?
A3 台湾は自然災害が多いこともあり、防災グッズや被災者向けのケアなど、独自に発達を見ています。最近話題になったのは携帯可能な
テントでしょうか。プライバシーが保たれ、避難場所でも空間を無駄なく利用できるというものでした。熊本地震の被災地にもこういったものが送られ、ニュースにもなっていましたね。なお、こういったものの開発は民間業者や宗教団体がリードしていることが多いのも特色です。
また、避難場所を詳しく紹介するアプリがあったり、
混乱を避けるため、情報発信を一本化するなど、様々な試みが続けられています。
Q4 台湾の個人や家庭レベルでは、どういった災害対策が行われていますか?
A4 台湾は物流システムが発達しており、軍隊の搬送システムや倉庫とも連動して、緊急事態が訪れた際の対応はとにかく迅速な印象があります。また、日本で販売されている防災グッズはインスタントラーメンや非常食の種類がとても豊富なこと、などが注目されており、よく話題になっています。