4月11日は「メートル法公布記念日」です。大正10年のこの日、世界的な単位であるメートル、キログラムなどを使う「メートル法」が日本で公布されたことにちなんだ記念日です。
それまでの日本では、長さの単位を「尺」、体積の単位を「升」質量の単位を「貫」とする「尺貫法」が使われていました。
現在、世界のほとんどの国々でメートル法が採用されていますが、アメリカなどでは、マイル、フィート、ポンド、ガロンなどを使う「ヤード・ポンド法」が、いまだ根強く使われています。
さて、海外で生活をされている方は、使われる単位の違いに戸惑うこともあるのでしょうか?また、その国でしか使われない珍しい単位もあるのでしょうか?
今回は「世界の珍しい単位事情」と題して、2つの国・街の番組通信員の方に、お話を伺います。
⚫︎フィンランド・エスポー / 遠藤 悦郎さん
Q1 フィンランドで日常的に使われる単位はメートル法がほとんどでしょうか?
A1 現在は、基本全てがメートル法、(SI国際単位系)なので、日本から来ればほとんど困らず生活はとても楽です。ただ、日本と違う点があるとすると、日本では見たことのない、「cl 」センチリットル = 10 ml を見たことがあるかな、くらいかと思います。
Q2 とはいえ、古い単位が今でも使われている例もあるとか?
A2 いまでも使われる身近な例でいうと、 インチに当たる「tuuma(トゥーマ)」という単位でしょうか。テレビやパソコン・スマートフォンのモニタのサイズや、 自転車・自動車のタイヤ径サイズに、英語のインチと同義で使われます。(21 inch と 21 tuumaa など) あと、紙の束に「riisi(リーシ)」という単位があって、 コピー用紙などの 500枚の紙の束はお店でも「riisi」という単位で売ってることがあります。
Q3 フィンランドで、かつて使われたユニークな単位があるんですよね?
A3 日常では使わないものの、 「ペニンクルマ(peninkulma)」という距離の単位があります。これは古いフィンランド語の「犬」「聞こえる」に語源があって、静寂のなか、どこまで犬の吠える声が聞こえるか、という距離なのだそう。もともとフィンランドでは6km程度のことを指していましたが、その後スウェーデンの単位の影響とメートル法への適応で、ぴったり10kmを意味するようになったとのことです。このペニンクルマは、ちょっと古い童話や小説などの文献によくでてくるそうで、日本で言う「○里先に」のような表現が出てくるのと似ているかもしれません。
Q4 ほかにも、フィンランドらしい、ユニークな単位があるとか?
A4 このほか結構ネタとして有名なものに、「ポロンクセマ(poronkusema)」という距離の単位があります。 これはラップランド地方独自のものなのですが、直訳すれば「poro トナカイ」「kusemaおしっこ」という意味。 (無理やり日本語にすると語感的にはトナ・ション的?)トナカイは一定の距離ごとに、「トイレ休憩」をしないと歩き続けられないそうで、その距離が単位になっているものです。トナカイは、ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ロシアにまたがる地域の先住民族 サーミの人たちがほぼ全てを飼っている動物です。荷物を運ぶためにソリを引かせたり、放牧のために移動させる場合に一定の距離で必ず休ませないといけない。(無理に歩かせると麻痺状態になって倒れる)その距離のことです。状況によるようですが、実際に意味する距離はおおよそ 1.5km から 7.5kmと幅があり、引かせるソリの重量などの状況によるので、平均すれば3km台にとどまるなど一定しません。 ポロンクセマの本当の距離は、トナカイのみぞ知る、あるいはサンタクロースの秘密かもしれませんね (笑)
⚫︎マーレシア/高橋 沙織さん「マレーシア不動産会社 HALLFIELD」
Q1 マレーシアも現在はメートル法が主流でしょうか?
A1 マレーシアでは主にメートル法が利用されています。観光地などでマップなどを見る際は日本人にも馴染みのある表記なので距離感のイメージがしやすいと思います。
Q2 マレーシアでメートル法が浸透する前に使われていた単位では、どんなものがありますか?
A2 昔使われていた距離の測り方として、身体を使った単位があります。depa(デパ)= 両手を左右にいっぱい広げた長さhasta (ハスタ)= 肘から指先まで、が昔は使われていたそうです。
Q3 ところで、マレーシアの不動産業では、ヤード・ポンド法が使われることもあるとか?
A3 居室(ユニットと呼びます)の大きさを示す際は 「sqft(スクエアフィート)」という単位をつかます。 1sqft=約0.09㎡です。1000sqft=93㎡=28坪くらいかなあ、と感覚的に覚えていただくとお部屋探しの際などは便利だと思います。 また、敷地面積のような大きな土地の場合は、「acre(エーカー)」を使います。 1ac=4046.85㎡です。これは国際的に定められた測量フィートです。 (アメリカでは1acあたりが少し大きいらしいです)
Q4 マレーシアでも、かつて使われたユニークな単位があるそうですね?
A4 「ピサンザプラ」という言葉があるようで、意味は「バナナを食べるときの所要時間」です。約2分くらいを指しており、あそこまで2分くらいだよ、などという時に使うそうですが、現在ではほぼ使われていません。ただ、食べ物で時間を測るというのは現在でもあり日常的に使われています。たとえば、マレーシアの国民食で朝食の定番である「ナシレマ」という料理があるのですが、ざっくりと朝の時間帯を指す場合に「nasi lemak(ナシレマ)の時間だね」なんて言ったりもします。 他にも、「Mamak(ママック)」という、インド系やイスラム系の大衆的な食堂や屋台を指す言葉があります。24時間営業の場所が多いことから、深夜の時間帯を「Mamak(ママック)の時間」などと大雑把にくくることもあります。