1月16日は「禁酒の日」です。
1920年のきょう、アメリカで禁酒法が実施されたことにちなんで制定された記念日です。禁酒というと、年の初めの1カ月間だけ断酒を宣言し実行する「ドライ・ジャニュアリー」の習慣が、欧米から世界各国にジワジワと広がりつつあるそうです。
その背景には、健康志向の高まりやノンアルコール飲料の市場拡大もあるとか。
日本では、おととし2月に厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表。純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上を生活習慣病のリスクを高める飲酒量としています。
この時間は「世界の断酒事情」と題して、2つの国・街の番組通信員の方に、現地の事情を伺います。
⚫︎イギリス・ロンドン在住 / 内山 昇さん
Q1 「ドライ・ジャニュアリー」の慣習はイギリスから広がったと
A1 もともとは2008年ごろアメリカで始まったと言われていますが、 イギリスでは2011年、エミリー・ロビンソンという方がハーフマラソンの準備で1月に禁酒し、休肝したところ、 体調がとても良くなったと感じ、その経験がきっかけとなって、 2013年に慈善団体「Alcohol Change UK」を通じて広まりました。さらに2015年には英国公衆衛生庁が支持し、 一気に認知が拡大。近年は世界で20万人以上が 公式キャンペーンに参加しています。
Q2 イギリスはパブ文化のイメージがありますけど、すんなり受け入れられているのでしょうか?
A2 意外と関心を持つ人が多いんです。イギリスでは毎年、新年の抱負 "New Year Resolutions" を立てる習慣があって、その一つとして「1月はお酒を控えてみよう」という人が増えています。ドライ・ジャニュアリーは、単なる"禁酒チャレンジ"ではなく、飲酒習慣をリセットする期間として共感を呼んでいます。"1カ月だけなら挑戦できるかな"という気軽さも人気の理由だと思います。英国のサセックス大学の調査でも、ドライ・ジャニュアリーに挑戦した人の72%が、 半年後も健康的な飲酒量を維持していたという結果が出ています。 もちろん、中には2月にちょっと 反動が来る人もいるかもしれませんが(笑)。
Q3 そもそもイギリスでは、近年「お酒を飲まない」人やノンアルコール飲料を選ぶ人も増えているのでしょうか。
A3 英国の調査機関によると、過去10年間で「自宅でも外食でもお酒を飲まない」と答える人の割合は、2023年時点でおよそ3割近くに達しているようです。特に20代では35%以上が「自宅でお酒を飲まない」と回答しており、「Sober Curious(あえて飲まない生活に興味を持つ)」という価値観が広がり、アルコールを必須としないライフスタイルが「かっこいい」「賢明」と捉えられるようになっているようです。
Q4 ちなみに、内山さんご自身は「ドライ・ジャニュアリー」に チャレンジする予定は??
A4 残念ながら答えは No です。ただ、ドライ・ジャニュアリーの考え方には強く賛同していますし、そもそも「禁酒が必要なほど飲まないほうがいい」と感じてもいます。
⚫︎韓国・ソウル在住のラジオDJ / 浜平 恭子さん
Q1 本題に入る前に・・・今週、内乱首謀罪に問われた尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対する公判で検察が死刑を求刑したことが大きなニュースになりましたが、韓国国内の反応はいかがですか?
A1 当然、肯定的な意見と否定的な意見の双方があります。しかし、それらがネット上などで激しく対立することで、国民の分断がさらに進むのではないかと懸念する声も出ています。いずれにせよ、憲法に則った判断が下されるのか、国民は来月の判決に注目しています。
Q2 本題に入りますが、韓国はお酒をたくさん飲むイメージがありますが、ドライ・ジャニュアリーをはじめとする禁酒の習慣は広まりつつありますか?
A2 調べてみると実際、ドライ・ジャニュアリーは韓国ではまだ広くは浸透していないようですが...最近は禁酒に対する意識が高まりつつあり、新年になると同時に禁酒を 始めたという方も結構いらっしゃるようです。
Q3 そもそも、年末年始は韓国でも飲酒量が増える傾向なのでしょうか?
A3 韓国は常に飲酒量が高い国だと思います(笑)韓国では酒量(どのくらい飲めるのか?)を聞かれる機会が結構ありますが、ビールよりも韓国焼酎○本で答える方が多いです。全体的な飲酒量としては...年末年始はもちろん、2月(年によっては1月)のソルラル(旧正月)や9月(年によっては10月)などのミョンチョルと呼ばれる 伝統的な大きな祝日、そして野球やサッカーなどの大きな大会で韓国チームが戦う時も飲酒量が増える傾向にあると思います。正直、なんだかんだ言いながらいつも飲むチャンス?理由?を探しているような気がします(笑)ただ近年は韓国でも健康志向が高まっているのは事実で、スーパーなどに行くと、大手ビールメーカーなどから発売されているノンアルコール飲料の種類が急激に増加しています。
Q4 禁酒やノンアルコール飲料を選ぶのはどういった世代・属性の方が多い印象でしょうか?
A4 20代から30代が多いと言われていますが、そもそも若い世代がそんなにお酒を飲まなくなっていたり、 会食に行かない人が増えていたり...その辺りは日本と似ているかもしれません。それ以上の年の方は、健康のためという理由から禁酒する方が増えるようですが、更に上の年齢層の方になると昔からの韓国独特の飲酒文化から抜けられない方も多く、実践はなかなか難しいようです。
Q5 ちなみに、浜平さんご自身は 禁酒にチャレンジするご予定は?
A5 私自身、3年半前に韓国に移住してから10キロ太ってしまいました。 もちろんお酒だけが原因ではないと思いますが...日本に住んでいた時より飲む機会が断然増えたのと、お酒とのハーモニーがたまらない食べ物が多過ぎるのです。日本と比べるとお酒が安いのも飲んでしまう原因の1つかと思います。特に韓国焼酎やマッコリは... スーパーに行くとリーズナブルなものだと韓国焼酎360mlで日本円で200円弱、マッコリも750mlで200円弱で買えます。また、日本のメーカーのビールが日本より安い値段で手に入る時もあります。韓国では来月、旧正月を控えていますので、私も今日からでもドライ・ジャニュアリーにチャレンジしたい...と言うかしなければ! と思っています。