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12月3日は「個人タクシーの日」でした。1959年=昭和34年のこの日、日本で初めて個人タクシーの営業許可が下りたことにちなんで制定された記念日です。

さて、世界各地でタクシーは走っていますが、システムや事情に違いなどあるのでしょうか?

「世界のタクシー事情」と題して、2つの国・街の番組通信員の方に、現地の状況を伺います。

●フランス パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む、柳瀬充さん

Q1  フランス(パリ)のタクシーですが、Uberなどの配車サービスも進出していますか?

A1  はい。パリの配車サービスではUBERや、 BOLTという配車サービスがよく使われています。 フランスのUBERは、日本のようにタクシー会社が運営しているスタイルが主体です。

Q2  フランスのタクシー、システムや料金はどうなっていますか?

A2  配車や料金のシステムは日本と殆ど同じで、時間と走行距離に基づくメーター製です。初乗りの料金は3ユーロ、日本円で540円ほどです。

Q3 タクシーの車体の特徴などありますか?

A3  正規タクシーの車体は基本的に黒色で、白色のタクシーは無許可の違法タクシーの場合が多いので、注意が必要です。正規のタクシーには車の屋根に行灯(あんどん)がついていますが、違法タクシーには付いていないことが多いです。

Q4  都内を走るタクシー、昔はラジオを流してくれていたのが、最近では賑やかな動画広告が流れている車が多いのですが、フランスではどうですか?

A4  こちらでは運転手の選んだ曲流れていますが、気の良い人であれば好きな曲を聴いてくれることもあります。動画の広告はないです。

Q5  なんでもフランスでは、街中を走る、いわゆる"流し"のタクシーを拾うことは少ないとか?

A5  繁華街などではタクシー乗り場で乗ることがマナーとなっており、今ではアプリでタクシーを呼ぶ人が多いと思います。

Q6  フランスには、数時間タクシーを貸切って観光地を巡るようなサービスはありますか?

A6  はい。こちらでも貸切のタクシーがあり、ネットで予約することができます。日本の旅行会社でもそういったサービスをしているところがあり時間を無駄にする事なく観光地を回れます。

Q7  最後に、パリでタクシーに乗る時に、気を付けたほうが良いポイント、ありますか?

A7  道を見ていないと遠回りされる可能性もあるのでルートをあらかじめ確認しておいた方が良いかと思います。また、フランスでは他の交通機関がストを起こし、急に混み出したり、タクシー会社自体がストを起こすこともあるので、情報はチェックしておくことが大事です!

⚫︎台湾在住のライター・コーディネーター / 片倉 真理さん

Q1  台湾のタクシー、配車や料金などのシステムで日本と違うところはありますか?

A1  電話やアプリなどのほか、コンビニのマルチメディア端末からタクシーを呼ぶことができます。一般的にはアプリを利用する人が多く、タクシー会社の配車アプリのほか、Uberがよく利用されています。ちなみに、台湾ではタクシー会社がUberと連携した「Uber Taxi」と、 一般乗用車を利用する配車サービス「UberX」の二種類があり、 アプリ上では両方出てくるので、好きな方を選べます。 台北市内の通常の初乗りは85元(日本円で425円)。 日本に比べるとリーズナブルなので気軽に利用する人が少なくありません。Uberの場合は利用時間にもよりますが、若干高いか、同じくらいです。よく利用している場合は割引サービスなどもあるのでお得感があります。

Q2  台湾のタクシーの車体の特徴などありますか?

A2  車体は黄色が基本です。ただし、Uberの場合は自家用車もあるので黄色とは限りません。また、台湾のタクシーの特徴は「自動扉ではない」ということでしょうか。自分で開け閉めすることになります。日本から来られた観光客の方などは閉め忘れたりするので注意が必要です。そのほか、日本と同様に「空車」の場合はフロントガラスに「空車」と赤文字で表示されていますが、呼び出しを受けているタクシーも「空車」を表示したままで走っていることがあり、手を挙げていても通り過ぎていくことがあります。

Q3  ちょっと注意が必要ですね!ほかに、台湾でタクシーを利用する際に、注意したほうが良いことはありますか?

A3  ぼったくりや遠回りされたといった話はそれほど聞きませんが、運転が荒い運転手さんも時々います。そういうこともあり、流しのタクシーよりもUberの方が安全と言われています。また、昔から「深夜に女性が一人で乗るのは危険」と言われており、以前はお店の人に車を呼んでもらったりしていましたが、現在は配車アプリを利用する人たちが増えています。

Q4  タクシー車内に広告はありますか?

A4  日本のようにディスプレイがあり、動画CMが流れています。

Q5  最後に、台湾のタクシー事情で、片倉さんが気になるポイント、ありますでしょうか?

A4  台湾の人たちはマイペースな人たちが多いので、車内を自分の部屋のようにデコレーションしている運転手さんが少なくありません。これは、個人タクシーに限らず、タクシー会社所属の運転手さんもです。たとえばぬいぐるみやキャラクターグッズを飾っていたり、この前、私が体験したのは蝦が好きな運転手さんで、車内に蝦の置き物がたくさん飾られていて驚きました。また、知り合いの運転手さんは車内に金魚鉢を置き、金魚や熱帯魚を飼っています。さらに趣味がカラオケという運転手さんのなかには車内にカラオケマシーンを置き、お客さんに歌ってもらっているという人もいます。さらに、これは日本人に対してよくあることですが、台湾の方はサービス精神が旺盛なので、乗客が日本人と分かると、日本の曲(特に演歌が多い)をさりげなく流してくれたりもします。