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おととい、11月12日は「留学の日」でした。「津田塾大学」の創設者・津田梅子や、山川捨松など5人の女性留学生が、岩倉使節団と共にアメリカへ出発したのが、1871年=明治4年の11月12日の出来事でした。(旧暦ですが)

女性にも留学の機会が与えられ、日本人の留学が開放的になった日として、「一般社団法人 海外留学協議会」が記念日に制定したそうです。近年では、留学はポピュラーな進路のひとつで、全国各地の大学をはじめ、さまざまな教育機関が留学をサポートしていますよね。

そこで、この時間は「世界の留学事情」と題して、日本からの留学生も多い、2つの国・街の番組通信員の方に、現地の状況を伺います。

●カナダ・バンクーバー在住 / 窪田 誠さん

Q1  カナダ国内でも、特にバンクーバーは留学生が多い都市と聞きますが、 日本を含め、どの国からの留学が多いのでしょうか?

A1  短期と長期によって違うのですが、短期の場合、 日本人の割合は大体10%から20%で、その他の国別で多いのが 韓国、ブラジル、メキシコ、インド、ラテンアメリカが多いです。近年はアジア系と南米系が多い感じですね。 ちなみに、学校別に出身国が異なるのは学校で働くリクルーターの出身国が影響していると思われます。これが長期になると変わってくるのですが、息子が通っているブリティッシュコロンビア州の公立高校では、いまドイツ、スペイン、メキシコからの長期留学生が多く、どなたも家庭が富裕層と言ったことを聞きます。

Q2  長期の留学にはビザが必要になると思いますが、カナダへの留学の場合、条件などはどうなっていますでしょうか?

A2  留学生は大きく二つ短期と長期に分けられ、カナダでは6ヶ月未満の就学は学生ビザが不要で、6ヶ月以上は学生ビザの取得が必要です。

Q3  最近、カナダの留学受け入れ体制に変化があったとか?

A3  2024年に大幅な学生ビザ取得条件の変更があり、学生ビザ発給数が以前の7割減という状況です。これは移民政策の変更、人口増による住宅事情の悪化で家の数が足りなくなってしまい家賃の高騰などを抑えるために 比較的短期の学生ビザを減らす政策転換になったそうです。学生ビザ発給条件では資金証明額が、2025年は渡航費と授業料以外の生活費に23,000カナダドル=およそ230万円が一年で必要となります。

Q4 留学生を受け入れる寮やシェアハウス、アパート、ホームステイの環境などはどうなっていますか?

A4  さきほどお話しした住宅事情の悪化で、住む家や ホームステイ先を見つけるのも非常に難しい状況ですね。 我が家も今年の夏に2名の日本人留学生を2週間ほど受け入れました。 ホームステイ先を探すのも大変な状況だと思います。

Q5  学生のみならず、ワーキングホリデーやインターンシップなどで働きながら留学する方も多いのでしょうか?

A5  学生の減少は長期留学で、ビザ不要の短期留学はまだまだ多いと思います。いい情報としてはワーキングホリデーが2025年から最長2年取得することができ、6ヶ月未満であれば語学学期に通うこともできるので、働いて学んで旅をしてという方がこれから増えていくと思われます。あとはバンクーバーではよくカフェで働く日本人のスタッフを見かけますね。みんな生き生きとして楽しそうに働いていますよ。冬はウィスラーのスキー場で働く方や街のレストランで働く日本人もいらっしゃいますね。

⚫︎韓国・ソウル / オム・キフンさん

Q1  韓国(ソウル)では、どの国からの留学が多いのでしょうか?

A1  韓国の出入国外国人政策本部が発表した2025年7月統計によると、今年7月基準の外国人留学生は27万2573人と集計されています。昨年同期の23万2032人より17.5%増加しています。 国籍別ではベトナムからの留学生が10万6152人で最も多かったです。全体留学生の38.9%を占める規模です。次いで中国7万1509人、モンゴル1万6832人、ウズベキスタン1万6934人、ネパール1万3285人、ミャンマー8572人の順です。

Q2  K-POPブームや韓国ドラマブームの影響で、日本からの留学人口は増えているのでしょうか?

A2  日本から韓国に来ている留学生は2023年は5000人ほどだったんですが、今現在、日本人留学生の数は8000人規模で、前年比79%という圧倒的な増加率を記録しています。 最近の韓日関係の改善とともに、KPOPやドラマ、映画、コスメなど韓国文化に対する日本の若い世代の関心が反映された結果と分析されています。地理的に近く、文化的交流が活発な点も影響を与えたと思われます。

Q3  長期の留学にはビザが必要になると思いますが、韓国への留学の場合、条件などはどうなっていますでしょうか?

A3  D-2ビザと D-4がありまして、D-2ビザは大学、大学院(学士·博士課程)入学者で滞在期間は通常2年です。D-4ビザは(語学研修及び非正規教育)対象で、大学に併設された韓国語学堂に通います。韓国語研修滞在期間は通常6ヶ月から1年となっています。

Q4  留学生を受け入れる寮やシェアハウス、アパート、ホームステイの環境などは充実している印象でしょうか?

A4  各学校の周りには多数のアパートや寮、シェアハウスがあります。最初は中間業者にお願いして部屋を借りる場合が多いです。20年ほど前は殆どの学生がシェアハウスに住んでたんですが、最近は寮に入るか一人でワンルームを借りて住んでる学生が多いみたいです。

Q5  学生のみならず、ワーキングホリデーやインターンシップなどで働きながら留学する方も多いのでしょうか?

A5  働きながら勉強をしてる学生はけっこう多いみたいです。最初は通っている大学や語学堂で簡単な翻訳や通訳のアルバイトをするケースが多いんですが、少し語学力もついてこちでの生活にも慣れてきたら、自分で教え子を探したり紹介してもらって自分の母国語を教えたりしています。その他に飲食店やカフェ、貿易会社とかでも良くアルバイトをしています。