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9月12日は「宇宙の日」です。今から33年前=1992年の毛利 衛さんがアメリカのスペースシャトル・エンデバーで宇宙へ飛び立った日にちなんで制定された記念日です。

ところで、世界の宇宙産業の市場は年々拡大していて、アメリカの金融機関「モルガン・スタンレー」の予測によると、宇宙産業の世界市場は2040年に現在の3倍ちかい1兆ドル=日本円でおよそ230兆円を超える見通しなんだとか。

日本の宇宙ビジネスでは、ロケットや衛星の製造・打ち上げ、衛星データの活用、月面探査・資源開発、宇宙デブリの除去、さらには、宇宙旅行や宇宙ホテルといった多様な分野で開発が進められているようですが、海外ではどうなんでしょう?

この時間は、「世界の宇宙産業事情」と題して、2つの国の番組通信員の方にうかがいます。

●オーストラリア・メルボルン在住小林純子さん

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Q1  数年前、オーストラリア政府に「宇宙庁」というのが設立されたんですって?

 A1  オーストラリアの宇宙庁は2018年7月1日に設立されました。 2010年以降、世界中で民間宇宙産業が急速に拡大してきましたが、オーストラリアでは特に政府主導による宇宙ビジネス開発が積極的に行われてきました。

Q2  宇宙開発と言っても多岐にわたると思いますが、 例えばどんな分野に力を入れているのでしょうか?

A2  衛星データを利用した森林火災や干ばつ等の予測などの分野での応用や、人工衛星などの打ち上げ能力の向上といった打ち上げ・射場の分野、ロボティクスとリモートアクセス技術の分野の推進、宇宙状況把握と宇宙通信システム分野の強化に力を入れています。民間宇宙ビジネスも盛んで、衛星システムや高度通信技術の開発、ロケット打ち上げやサンプルカプセルなどの回収、防衛分野にまたがるサイバーセキュリティー、高度データ分析などのビジネスが展開されています。ちなみに2018年にはオーストラリア全体で432の宇宙関連産業団体があったそうですが、現在その数は600以上にも上るそうです。

Q3  ところで、オーストラリア初の宇宙飛行士が誕生したんですって?

A3  キャサリン・ベネルペッグさん(女性)はオーストラリア初の宇宙飛行士で、宇宙システムエンジニアです。今は豪州宇宙庁の宇宙技術課長です。イギリスのパスポートも持っているため、2023年にドイツの欧州宇宙機関で宇宙飛行士訓練に参加し、翌年4月に国際宇宙ステーションのミッションに参加できる資格を取得しました。二人のお子さんのお母さんです。今後、有人宇宙飛行を通じて、宇宙研究や宇宙産業への貢献を目指すとともに、次世代に夢と希望を与えることを使命としているそうです。

Q4  オーストラリアの今後の宇宙開発のスケジュール、大きなものではどんな計画が予定されているのでしょうか?

A4  アポロ計画以来となる有人月面着陸を目指すNASA主導のアルテミス計画の下、オーストラリア宇宙庁は国内の宇宙産業と協力して月面探査車「ルーバー」を開発していて、2026年までにルーバーを月面に打ち上げる予定です。このアルテミス計画は月面だけではなく、将来的には火星有人探査へと繋がる構想ですが、日本のJAXAの火星衛星探査計画(MMX)では火星の衛星フォボスから採取した物質の地球帰還・着陸地として南オーストラリア州のウーメラという村が選定されました。このフォボスからの サンプルカプセルの地球着陸は2029年7月を予定しています。

Q5  国民のみなさんの宇宙開発への興味はどうですか?

A5  オーストラリアでは近年の宇宙庁の設立や宇宙飛行士の誕生など、政府主導の宇宙開発が進むにつれて、国民の宇宙開発への関心が高まってきています。オーストラリアは南半球に位置し、広大で今でも光害のない鮮明な夜空が見られることから、宇宙の観測に最適な国と言われています。昔から先住民は夜空の星の配置や動きを見て季節や生きるための知識を学んでいることはよく知られています。また映画でも有名になりましたが、アポロ11号の有人月面着陸の映像が生中継できたのはオーストラリアにある巨大な電波望遠鏡(ザ・ディッシュ)のお陰でした。このように豪州ではその昔から宇宙に魅せられる要素が揃っていたことで、宇宙への関心が育まれてきたのかも知れません。

⚫︎インド・ムンバイ在住、「ハリーさん」こと、小里 博栄さん

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Q1 インドはかなり前から宇宙開発に力を入れているんですよね?

A1 インドの方は古代哲学では宇宙とは「創造、保存、破壊」の無限♾️の繰り返しをしてるいると考えられてます。世界一が多いインド、世界一の人口、また高いGDP成長を続けるインド、多くの億万長者が居ると言われてますが、やはり宇宙は最終のフロンティアであり国民のプライドにも直結する国家事業として宇宙は力を入れてます。ISRO=インド宇宙研究機関は1972年に設立。実はつい先々月、僕はISROの前代表にもお会いさせていただきました。2023年、無人探査機による月面着陸も実現された方です。この探査機「チャンドラヤーン3号」は、世界で初めて月の南極に着陸したということで世界でも話題になり、インド国民大変喜んでおりました。このISRO=インド宇宙研究機関は今後も斬新的で革新的な宇宙探検を実現すると言われてます。

Q2 宇宙ビジネスを進める民間企業も多いのでしょうか?

A2 現在500社以上が参加、今からの産業と言えるでしょう。様々なセクターの企業が参加、Research and Development、宇宙で使う素材開発など、いろいろなセクターで貢献企業が増えてます。

Q3 ここ最近での宇宙開発の大きなニュースは?

A3  NASAとインド宇宙研究機関(ISRO)が共同開発した初の人工衛星が7月、インド南東部にあるサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられました。地表の変化を観測して、自然災害への対応に役立てるものだとか。また、最近の発表では2035年にインド初となる宇宙ステーションを、2040年までに有人の月面着陸を企画。とかなりambitiousなプランです。

Q4 インドの国民のみなさんの宇宙への興味はどうでしょうか?

A4 テレビで多く報道されており興味津々です。打上げを見に行ったり。

Q5 そのほか、インドの宇宙開発でお話ししたいことは?

A5 インドでは多くの女性の科学者の参加が宇宙開発に関わってます。インドは飛行機のパイロットでも女性が世界一多いと言われており、女性の参加が期待されてます。