
「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」の語呂合せで、作業服を製造・販売する埼玉県の会社が制定した記念日なんだとか。
製造業、運送業、建築業、清掃業、畜産業、医療業などなど、「作業服」を着るお仕事、たくさんありますよね。そのほとんどがエッセンシャルワーカーと呼ばれる、社会の維持に欠かせない職種です。
そんな方々の仕事を支える「作業服」は、業務内容によって、デザインや機能もさまざまです。また、最近では作業服を販売するお店が、カジュアル服のブランドを展開して人気となっていたりもしますよね。そんな「作業服」、海外ではどうなっているのでしょうか?
この時間は、「世界の作業服事情」と題して、2つの国の番組通信員の方に、お話を伺います。
⚫︎アメリカ・ケンタッキー州の都市「レキシントン」で競走馬の生産牧場「ウィンチェスターファーム」を経営する吉田 直哉さんです。およそ5年弱ぶりの出演です。

Q1 アメリカでは、会社によってオリジナルの作業服を作ることが多いとか?
A1 アメリカではアパレルメーカーが生産する服を大量に仕入れてユニフォームを作成する専門業者がかなりシステマチックに仕事をしています。カバーするブランド、そして色、デザインはかなり多く、分厚い電話帳のようなカタログから選びます。こうして選択肢があるので、各社オフィシャルカラーをベースにユニフォームを発注しています。当社もそうですが、オフィス用、屋外スタッフ用など職種により、生地や耐寒性を設定しています。各事業体によってアイデンティを表現しています。
Q2 競走馬の生産の現場では、どんな作業服を使っているのでしょう?
A2 サラブレッドの生産、販売を行う当社ではオフィシャルカラーのロイヤルブルーをベースにポロシャツ、Tシャツ、帽子、アウトドアジャケット、タートルネック、ベスト、チノパンを揃えており、また携帯のネックストラップや、事務用品も同じコンセプトで製作して、顧客や訪問客へのプレゼントとして使用しています。生地は商品(サラブレッド)のイメージに合わせ、鮮やかさがあり、(馬が驚かないように)生地同士が擦れても音が出ないものを選び、接客を担当するオフィススタッフは必ず襟付きのシャツを着用させています。
Q4アメリカには作業服がルーツのカジュアルブランドがたくさんありますよね?
A4 最も有名な作業着メーカーは、リーバイスだと思います。ジーンズのようなタフな素材は西部開拓時代に大変重宝され、場合によっては引きちぎって幌の修理をしたり、水を汲んだりという使い方もあったそうで、そうした歴史的背景もあってジーンズはアメリカ人のハートを掴んでいるのだと思います。ちなみに同社のロゴマークとして2頭の馬がジーンズを引っ張りあっているのもそのためです。(引っ張っても破れない、丈夫なイメージ)その他、Dickkies、Wrangler、Carhart、Canada Gooseといったものも同様で、作業服として出発し、カジュアルファッションに活動範囲を広げています。
Q5 そんなジーンズですが、ケンタッキーならではのエピソードがおありだとか?
A5 因みにジーンズはフォーマル用途でも履けるそうです。ケンタッキー州での結婚披露宴で上がワイシャツ、タイ、ジャケットで、下がジーンズという服装で着ている男性がいて、話を聞くと色褪せておらず、きちんとアイロンがけされているものは、フォーマルとして見られるのだそうです。欧州では考えられないコンセプトです。
⚫︎タイ・バンコク在住 / 木下 麻衣子さんです。

Q1 タイで、現場で働く人々の作業服、どんなものが多い印象ですか?
A1 主にTシャツ、ポロシャツ、そして安全性に優れた作りのいわゆる作業着ですね。工事現場などは大勢の方々が同じTシャツを着て作業されています。工場勤務の方は安全性の高い作業着を着られているイメージがあります。同じ会社内でもオフィス内勤務の方はポロシャツやTシャツ、いずれもデザインの統一されたものですね。
Q2 例えば日本の工事現場で見られるニッカボッカ的、一般の服と違う、一目でわかる作業衣はないのでしょうか?
A2 これが無いのです。そもそも作業着として上着のみ支給される会社も多く、下は各々チノパンやジーンズ、危険の少ない現場ですと半ズボンで作業される方も多いそうです。常夏ですので!!
Q3 作業服を専門に売っているお店は、あちこちにあるのでしょうか?
A3 あります!ロゴやデザインなど持ち込んで簡単にオーダーできるので、何かのイベント用にお揃いのコスチュームやおふざけアイテムを作るなどといったプライベート利用も多いです。
Q4 たとえば「作務衣」のような、アジアらしい作業服もあったりしますか?
A4 そういえば見かけます!巻きスカートのように巻きつけて履くパンツがあるのですが、それを履いてるタイの方見かけますね。体型問わず自分にピッタリのサイズで履けるので旅行者の方がお土産に買うアイテムとしても人気です。
Q5 そのほか、タイの作業服や着こなしなどの特徴はありますか?
A5 胸のポケットのついたポロシャツや、作業着のペンをしまう部分にはペンではなく「ヤードム」が刺さってることも多いです。ヤードムとは、リップクリームのような形状の嗅ぎ薬です!いっそタイらしくヤードムポケットを作ればいいのにと思います。また、タイ生活に欠かせないデリバリーですが、配達の方々が着ているカラフルなジャケットやTシャツ、バッグなど全身コーデが子供服エリアに並んでいるのを見かけます。時々子供が着ているのを見かけるとたまらなく可愛く思えるのです。