明日からゴールデンウィークが始まりますね。 旅行計画されていますか? ロンドンの雑誌「TimeOut」が昨年ウェブに 「世界で最もクールな地区 40」という記事を公開しました。
12000以上を対象に、「地元の人に愛され、観光客が集まる場所、食べ物、飲み物、文化にわたってエキサイティングな新しいスポット」などのアンケートを行い、リストを作成。これまで定番だった観光地ではない、新しいスポットが色々と紹介されています。
そこで、この時間は、「海外の最新人気観光地」と題して、「TimeOut」の「世界で最もクールな地区 40」に載っている2つの街の番組通信員の方にお話を伺います。
●「ブランズウィックイースト」という地区がピックアップされた、オーストラリア・メルボルン在住 / 小林純子さん
Q1 Time Outで紹介された、メルボルンの「ブランズウィックイースト」、街のどのあたりの場所にあるのでしょうか?
A1 ブランズウィックイーストはメルボルンシティーから北に5~6キロほど行ったところにあります。車やトラムで20分程度、自転車でも30分程度でメルボルン市中心街に着きます。
Q2 ブランズウィックイーストはもともとはどういうエリアだったのですか?
A2 その昔はブルーストーンの採石場が多くあったそうです。今でもその名残としてブルーストーンからなる石畳の路地が多く見られます。ブルーストーン以外にもクレイと呼ばれる粘土がたくさん出たためレンガがたくさん作られていたそうです。また第一次世界大戦後はメリヤスや織物の工場もオープンし、多数の労働者階級が住むようになりました。1980年代、多くのレンガ工場や繊維産業が衰退し、残った建物が住宅として再開発されるようになりました。
Q3 ブランズウィックイーストが最近人気になっている理由は?
A3 1990年代以降は、低所得者層の居住地域が再開発や文化的活動などによって活性化する、いわゆる「ジェントリフィケーション」が加速化し、多くのプロフェッショナル階層が移住してきたことに起因すると考えられます。また、メルボルン市中心街からわずか5~6キロと近いことと、たくさんのお洒落なカフェやバー、多文化なレストラン、ヒップなお店の存在、またライブミュージック等の文化的刺激にあふれていることも理由です。
Q4 ブランズウィックイーストで、特に人気のスポットというと?
A4 何と言ってもバー。最近はクラフトビールや、ウイスキーの蒸溜所などのバーも人気。また最近出来たばかりの映画館では映画を鑑賞しながら食べ物や飲み物をオーダーすると自分の席まで運んできてくれるというサービスを有するオーストラリア初の映画館も。今後静かなブームとなりそうな予感がします。
Q5 この地を訪れる観光客は、どんな方が多いのでしょうか?
A5 観光客かどうかはわかりませんが、いわゆるヒップスターやアーティーな人が多い感じがします。笑
Q6 実は、小林さん、ブランズウィックイーストにお住まいなんですよね?ぜひ、小林さんがおすすめする過ごし方を教えてください!
A6 ブランズウィックイーストはお洒落なカフェやバー、美味しいレストランももちろんですが、自然もいっぱいです。メリクリークという川が流れているのですが、その川に沿って自転車や人が走ったり歩いたりできる歩道があります。メリクリークの歩道に沿ってCERESというコミュニティ環境パークがあるのですが、そこにはコミュニティーガーデンをはじめ、オーガニックショップやグローサー、カフェ、苗木や植物を販売するナーサリーなどがあります。毎週日曜日はパークの中央広場で蚤の市も開催されています。大人も子供もゆっくり楽しめる場所です。オーガニックフードやコーヒーもおすすめです。
●「上環(ションワン)」というエリアがピックアップされた、香港在住 / ラム 恵子さん
Q1 上環という地区はどのあたりにあるのでしょうか??
A1 上環地区は、金融ビジネスセンターの有る香港島の西部にある古い地区です。元々イギリス植民地時代の香港において、ローカルの中国人が住むエリアでした。お隣のセントラル地区が、イギリス人の活動エリアだったのに対して上環地区は、鮑・フカヒレ等の海産物問屋や飲茶屋が密集する昔ながらの古い中国人エリアだったんです。
Q2 上環は再開発をきっかけに人気が出始めたそうですね?
A2 1997年の香港返還を境に、上環地区の再開発が進みだしました。その後10年くらいの間に次々と新しいビルや個性的なお店が増えていきました。今では、古き良き時代の香港の面影を残しつつも、とてもおしゃれなエリアに様変わりしました。
Q3 どんなオシャレスポットがあるのでしょうか?
A3 再開発後にオープンした人気のモダンアートギャラリーにミシュランの星つきレストランやおしゃれなカフェ、趣味の良いアンティークショップが多数ひしめくエリアになっています。でも、そのすぐ横の通りにボロボロの老舗飲茶屋や雲呑麺屋があったり、ギャラリーのお向かいに香港名物の出来立てエッグタルトやパイナップルパンを売っている小さなローカルパン屋さんがあったりと西洋と東洋が混在している感じです。まさしく「The 香港」と言えるエリアです。
Q4 上環を訪れる観光客は、どういった方々が多いのでしょうか?
A4 ローカル香港人だけでなく、多くの観光客が必ず訪れています。中国大陸からの観光客が一番多いのですが、まずは上環の中心に有る「Man Mo Temple 文武廟(ブンブビョウ)」にお詣りです。マンモウテンプルは、文武両道の神様を祀った場所なのですが、朝から晩まで巨大な中華線香の煙がモクモクなんです。
Q5 ラムさんおすすめの上環のスポット、過ごし方はありますか?
A5 私が一番好きな場所は、通称キャットストリートと呼ばれる骨董屋さんの連なる小さな路地です。とてもおしゃれなアンティークショップから怪しげな骨董屋まで軒を連ねていまして、その中から掘り出し物を探すのが楽しいのです!もちろん、偽物も有りますので要注意ですけど(笑)