2月9日は「肉の日」です。

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毎月29日も「肉の日」ではあるんですが、2月9日は年に1度、そして、今年はうるう年で、2月にも「29日」があるということで、全国チェーンの焼肉店やファミリーレストラン、ファーストフード店では、特別メニューや割引など、大規模なキャンペーンが行われているようです。お肉大好きなジョン・カビラ&チームメート、「肉の日」をスルーすることはできません!ということで、この時間は2つの街の番組通信員の方に現地の「肉料理」について、お話を伺います。

●アルゼンチン・ブエノスアイレス / 竹内 佐知子さん

Q1 いろいろなデータを見てみますと、アルゼンチンは1人当たりの牛肉の年間消費量が、ウルグアイにつぐ「2位」で、40キロから50キロ。これは日本に比べると10倍近い数字なんですよね?

A1 アルゼンチンは牛肉大国で、人の数より牛の数の方が多いと言われており、ブエノスアイレスの市内からほんの少し郊外に出ると、広い草原に牛がゴロゴロいる風景が続きます。

Q2 アルゼンチンの肉料理といえば、やはり「アサード」ですよね?

A2 アルゼンチンにとって、1年を通しての国民的恒例行事がアサードです。肉やソーセージなどを炭火でじっくりと焼いたバーベキューですね。牛肉一人当たり最低500gの計算で、どさっと買い込んで、どさっと網の上に並べ豪快に焼かれます。アルゼンチンの牛肉とワインは日本の刺身と日本酒のようなものだと勝手に思っていますが、アルゼンチンの牛肉は本当に美味しいのです。

Q3 アサード以外に、アルゼンチンの肉料理というと、どんなものがあるんでしょうか?

A3 アサードの他にもアルゼンチン料理の大半に牛肉が使われて、家庭でもよく食べられている牛カツに似た「ミラネッサ」、日本のおにぎり感覚で食べている「エンパナーダ」、これはギョーザのような形の薄いパン生地にお肉中心の具を包んだピロシキのような食べ物ですね。また、独立記念日にいただく郷土料理で、豆などとお肉のシチュー「ロクロ」、クリスマスや年末のパーティーの時に欠かせない「ビテルトネ」という、もも肉を煮込んで薄く切りマヨネーズと生クリームで和えたものなど、ほかにも沢山ありますが、こう言ってはアルゼンチンの人に怒られるかもしれませんが、日本料理の様に繊細なものはあまりお目にかかれません。私としては逆に魚料理が恋しくてたまりません!

Q4 そんな牛肉大国のアルゼンチンですが、深刻なインフレで、牛肉の値段も高騰しているとか?

A4 想像を絶する強烈なインフレと干ばつによる牛の数の減少によって肉の価格もどんどん上がり、おまけに新しい大統領が就任した後は一気に60%も値上がりし、クリスマスと大晦日はどこのお肉屋さんも閑古鳥が鳴いていたそうです。年が明けてほんの少し値が下がったとはいえ、かつてのように簡単に買い物かごに入れられる値段ではなくなってしまいました。私がこちらに来た20年ほど前は、上質のロース肉が1キロで9ペソでしたが、今では9000ペソ。ドルで考えた場合、さほど値が上がってはいないのですが、私たちペソで生活する一般市民にとっては、相当大変なことなのです。一般市民の間では、今の肉はオーロ(金)だと呟かれていて、アサードでは牛肉が減り、鶏肉や豚肉、チョリッソが網の上を占める割合が増えたようです。ちょっと寂しいですね.....

●香港在住 / ラム 恵子さん

Q1 香港では豚肉の消費量が圧倒的に多いそうですね?

A1 香港での豚肉消費量、断トツの多さです。世界的な統計を見てもここ香港は、肉類の消費が多い地域なのですが、その消費される肉類の中でおよそ65%が豚肉となっています。広東語で「肉」というのは、そのまま豚肉の事を意味するという事からもわかると思います。肉イコール豚肉です。

Q2 香港で牛肉ではなく豚肉がメジャーな理由というのは?

A2 香港を含む中国の南方で牛肉消費量が多くない理由は、昔から出回っていたローカルの牛肉はバッファロー、いわゆる水牛の肉で、とても硬くパサついていて美味しくなかったからのようです。

Q3 昔からある定番の豚肉料理というと、どんなものがありますか?

A3 定番の豚肉料理と言えば、まずは「叉焼(チャーシュー)」です。日本でよく食べるラーメンの上にのっている叉焼とは、漢字も発音も同じなのですが、香港の叉焼は、作り方も見た目も全くの別ものです。大きな豚肉の塊を甘い蜜をかけながらローストしたもので、出来立てをぶつ切りにして頂きます。肉がとてもジューシーで甘みが強く美味しいので、私も大好きです。もうひとつの定番料理に、子豚の丸焼きがあります。3~4か月くらいの子豚を丸ごとパリパリになるまでローストしたものですが、結婚式や誕生日などのお祝いの席には必ず登場します。豚肉料理は、シーズンを問わず一年を通じて、ほぼ毎日食べているという感じでしょうか。

Q4 子豚の丸焼き、これはどうやっていただくんですか?

A4 子豚の丸焼きは、足だけを除いたお頭付きのローストがテーブルに丸ごとドーンと置かれます。切り目が適当に入っていますので、各自が自分の好きな部分だけ取って甘味噌やカラシなどを付けて食べます。一番人気は、パリパリの皮ですが、私は、脂の乗った豚バラ部分が大好物です。

Q5 ちなみに、最近人気になっている豚肉料理はありますか?

A5 ずばり、日本の「カツ丼」です!!もともと豚肉好きの香港人に、カラッと揚げたトンカツと、とじ卵の組み合わせは大人気です。コロナの少し前から日本のカツ丼店が進出して来て、今ではもうお寿司やおにぎりと並んで気軽に食べられる日本食として定着しつつあります。