1月26日は「有料駐車場の日」、そして「パーキングメーターの日」です。1959年=昭和34年のきょう、東京都が日比谷と丸の内に日本で初めてパーキングメーターを設置したことにちなんで制定されたそうです。時間貸しの駐車場というと、商業施設の中にある機械式駐車場や自走式駐車場、街なかにある平面駐車場=いわゆるコインパーキングなど、さまざまなタイプの駐車場があり、料金もシステムもいろいろですよね。そこで、この時間は「世界の駐車場事情」と題して、2つの国、2つの街の番組通信員の方にお話を伺います。

●フランス・パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む、柳瀬充さん

Q1 パリの街、平面駐車場はかなり少ないそうですね?

A1 はい。パリの街には地上の駐車場が無く、人が集まる場所の地下にはだいたい大型の立体駐車場があったりします。そのほかはほとんどが路上パーキングです。

Q2 日本の路上パーキングというと、機械で料金を支払って、そこから出たパーキングチケットをダッシュボードなど、外から見やすい車内に置いておくというシステムで、だいたいが60分の時間制限となっていますが、パリの路上パーキングのシステムについて教えてください。

A2 システムは日本とほぼ同じで、通常は空いている路上パーキングに停め、パーキングメーターで支払いを済ませます。有料なのは月曜から土曜の午前9時から午後8時までです。最近では、携帯のアプリで支払うことも多いようです。

Q3 パリの路上パーキング、徐々に値段が上がっているとも聞きますが、おおよそどのくらいなのでしょうか?

A3 はい、料金は徐々に値上げされており、パリ中心の1区から11区までが1時間6€(およそ1000円)、2時間12€(およそ2000円)、3時間24€(4000円弱)という感じで、その他の区はその3分の2程の値段です。地域居住者は優先料金で契約も可能です。ちなみに、違反駐車での罰金は高く、パリ中心で75€(およそ12000円)、そのほかのエリアは50€(およそ8000円)、3ヶ月未納でさらに50€ 追加されます。

Q4 ところで、パリの街の路上で、車がビッシリ縦列駐車されている映像をよく見ることがありますが、バンパーに当てるのは当たり前だそうですね?

A4 そうなのです。こちらは路上駐車のスペースが少ないので、キツキツに停められていることが多く、前後の車を押して出たり、強引に押し入ったりするのが日常で、日本では考えにくいかと思います。

Q5 ところで、来月、SUVの駐車料金値上げを問う住民投票があるとのことで、このあたりパリのみなさんはどう感じているのでしょうか?

A5 来月4日の住民投票で決まりますが、パリの住民としては環境的にも賛成する人が多いかと思います。SUV所有者からの反感も多そうですが、オリンピックも控えているので、政府の思い切った対策が推し進められると思います。

●タイ・バンコク在住 / 木下 麻衣子さん

Q1 先ほどのパリはほとんどが路上パーキングだ、というお話しでしたが、タイ・バンコクでは、どんなところにどんな駐車場があるのでしょうか?

A1 真っ先に浮かぶのはショッピングモールやオフィスビル、ホテルですね。あとはレストランなど単体のお店に併設された、来店客用の駐車場でしょうか。日本で当たり前に目にしている、いわゆるコインパーキングはこちらでは見かけないんです。

Q2 では、駐車場がある商業施設以外に用事がある場合、車はどこに停めるんですか?路上駐車おかまいなし?!

A2 近くの施設に停めて最低限の買い物をするか、最悪路上駐車ですが、運が悪いと車止めかけられてしまうのでビクビクです。車を停められないお店にはもう「行かない」か、バイタク(バイクタクシー)など、車以外の手段でピューっと行くかですね!

Q3 場所によってさまざまかと思いますが、バンコクの中心地の駐車場の料金はどのくらいなのでしょうか?

A3 ショッピングモールですとだいたい2、3時間まで無料、その後は利用額に応じてさらに何時間無料などで、我が家がよく行くファミリー層に人気のモールは8時間までは無料です!そして、とにかく駐車料金は安いです。無料枠をオーバーしたとしても、2、30バーツ...せいぜい100円200円の世界で、極々稀に100バーツに達した日には、たったの400円程度なんですけど、ちょっとモヤモヤしちゃいます。

Q4 料金の支払いは現金、電子決済どちらが多いのでしょうか?

A4 こちらではQR決済が進んでいるので、日本のような精算機がありません。入庫時に発行されるQRで、現在の料金の確認や支払いがスマホで簡単にできます。あとは、自分で運転してきた車のキーを係りの人に預けると代わりに車の駐車をしてくれ、外出時には車を出してくれる「バレットパーキング」も充実しています!

Q5 ちなみに、タイならではの車の停め方があるそうですね?

A5 我々の常識だと一台分の枠の中に収まるように車を停めるというものだと思うのですが、こちらでは駐車場が満車であってもそれはまだ満車ではないのです。すでに停まってる車に対して垂直に、つまり完全に塞いで通せんぼする形で枠の外にも停めるのです。それだと先に停めてた車が出られないと思われるじゃないですか。通せんぼしている車たちを両手でゆっくり押してスライドパズルのように隙間を作って問題なく脱出できるのです。実は駐車時にサイドブレーキをひかないというのがこちらでは常識らしいです。ただ、力加減を間違えると当然ぶつけてしまうので要注意ですね!