2024年がスタートして、2週間が経とうとしています。パリ・オリンピックやアメリカ大統領選挙をはじめ、世界では2024年、大事な選挙や大きなイベントなどが予定されています。この時間は先週に引き続き「2024年の展望」と題して、2つの国の番組通信員の方にお話を伺います。
●新大統領就任して激動の国、国土は日本の7.5倍、人口はおよそ4700万人のアルゼンチン、ブエノスアイレス在住 右下 量三さん
Q1 アルゼンチンのトランプ氏とも言われるハビエル・ミレイ氏が昨年12月に就任しましたが、さっそくミレイ氏の経済対策に抗議するデモがあったそうですね?
A1 はい、早速ありましたが、政府がまだ何もしていない、政策発表しただけで抗議とは。。。結局、長く続かず解散となりました。まずはこれから政策案を国会で審議して通るかどうかです。
Q2 2024年、アルゼンチンが直面する課題について改めて教えてください。
A2 インフレ、ドル高、治安の問題。この3つが大きな柱。①インフレ データVS実感
インフレ率のデータ: ブエノス市200% ラプラタ市260%(2023年)給与は2倍になっても、インフレ3倍で追いつかない。インフレの実感:人の買い物の習性はあまり変化しない、いつも買うものの傾向は決まっている、と思うのですが、それが、だんだん買えなくなってくる。それで、優先順位をつけて選んで買う。それが昨年前半まで。後半はそれも無理に。買えない。財布に金がない(笑)。そんな感じです。
②ドル高(ペソ安)
この国の大統領の最大の仕事は、ペソとドルの為替相場を安定させること。それに尽きます。それができたら半分成功といってもいいくらい。
Q3 アルゼンチンで暮らす右下さんご自身、インフレや物価高、実感していますか?
A3 私は日本語の先生なんですが、あまりにも手持ちがないので、このなまけものがついに、和食店でバイトを開始しました。じわじわネチネチ締め付けてくる来る感じのインフレ&物価高です。
Q4 続いて3つ目の「治安」についてお願いします。
A4 ③治安生活が苦しくなれば、人の心はすさみ、治安が悪化するのは当然のサイクルです。僕も昨年2月に人生初の強盗に遭いましたが、現状野放図な治安悪化を解消してくれる期待を込めて、ミレイ氏に投票した人も多いはずです。マクリ派のブルリッチ治安大臣はこわもてで有名なので、期待したいところです。
Q5 政治経済以外に、今年予定されているアルゼンチン国内の行事やイベントはありますか?
A5 コパ・アメリカ(米国大会)とパリ五輪がサッカーのメインイベントですが、アルゼンチンではないので。。。特になし?(笑)メッシ&ディ・マリアの出番は、代表引退はあるのか 等。
●国土は日本の2.5倍、アフリカ最大の人口およそ2億1900万人、そしてアフリカNo.1のGDPを誇るナイジェリア。最大の都市・ラゴスで事業をおこなう、青木 文さん
Q1 ナイジェリアの2024年、どんなことが予定されていますか?
A1 ナイジェリアの大きなイベントというと選挙や、サッカーの大会があるのですが、2024年はナイジェリアで行われるというわけではないですが、ナイジェリア出身の選手たちのパリ・オリンピック出場が予定されています。アフリカ諸国の中で出場する選手はまだまだ少ない中で、活躍が期待されています。ナイジェリアはボクシングやカヌーなどの種目で出場予定です。
Q2 アフリカ最大のGDP誇理、さらなる経済成長が予想されているナイジェリア、今年、例えばどんな変化がありそうでしょうか?
A2 大手外資テック企業の参入や仮想通貨関連の規制の変化がありそうです。例えば、Amazonが参入すると噂されていましたが、それが今年2024年になりそうといわれています。また、ナイジェリアは外貨規制、つまりUSドルの入手が難しく、USドルでの支払いが難しい国ですが、それを解決するためにビットコインなどの仮想通貨の取引が多い国です。ナイジェリアの中央銀行が仮想通貨関連の取引を規制していたのですが、2023年年末に緩和し、2024年はさらに仮想通貨関連の取引が増えたりなどの変化がありそうです。
Q3 実は一人当たりのGDPはアフリカトップのエジプトのおよそ1/2,2000ドルというナイジェリア、課題は何でしょうか?(と言いつつここ20年で年5%以上ほど伸びてきている。)
A3 外資大手のメーカーP&Gの生産撤退が決定されました。P&Gは30年以上にわたりナイジェリアで運営していましたが、この撤退の結果、5,000人以上の雇用が失われる可能性があります。背景としては、インフラの未整備などによるビジネスコストの高さや、ナイジェリアナイラ安などの課題があり、それによる影響は引き続きありそうです。
Q4 そのほか、2024年のナイジェリアはどんな1年になりそうでしょうか?
A4 インフレやナイジェリア安、インフラの未整備などまだまだ課題はつきませんが、2023年は発展に向けて新鉄道の開設など色々と動いており、2024年も引き続きそうした動きはありそうです。例えば、「Lekki」という新興住宅が多い地域があるのですが、その地域の新空港の建設が2011年から決まっていたのですが、2024年にようやくはじまると予定されており、ますますの発展が楽しみです。