来週火曜日、10月31日は「ハロウィン」当日です。毎年、ジャック・オー・ランタンの装飾や、仮装パーティーなどで街が盛り上がる時期ですが、渋谷区は、昨年、韓国・梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故や昨今問題になっている悪質な「路上飲み」を受けて「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」という大きな看板を掲げ、ハロウィン目的で渋谷駅周辺に訪れないよう、異例の呼びかけをしています。この週末、そしてハロウィン当日にイベントにお出かけのみなさん、路上でのパーティーはぜひお控えください。ルールやマナーを守りながら、楽しんでくださいね。この時間は2つの国の番組通信員の方に回線をつないで、現地の「ハロウィン事情」を伺います。

●イギリス・ロンドン在住 / 内山 昇さん
Q1 イギリスのハロウィンは盛り上がっているのでしょうか?
2006〜7年頃の豪州ですが、ハロウィンはアメリカ的商業主義の陰謀だ!との論調がありましたが・・・
A1 全般的に盛り上がってはいるのですが、イベントに参加している人と、イベントに興味ない人の2つに分かれているように思います。イギリスでは10月に入り日が暮れるのが早くなり、肌寒い朝が続いたり、気が滅入りがちです。そのような中、暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるクリスマス前のイベントとして定着してきました。そういう意味で盛り上がっているかとは思います。
Q2 ハロウィンの起源と言われる、お隣アイルランドからの直接の影響というのはあるのでしょうか?
A2 ハロウィンは古代ケルト民族のお祭りが起源といわれ、ケルト文化は現在もスコットランド、お隣のアイルランドで息づいています。しかし、この祭りは、当地発というよりは、アメリカ経由でイギリスに広まった商業的な慣習が強いイベントのように思います。
Q3 ハロウィン時期のロンドンの街の様子を教えてください。
A3 ゾクゾクするような怖さを英語でspookyと言いますが、ハロウィンはそのspookyを愉快に楽しむイベントです。マイケルジャクソンの名曲スリラーのセットのような、骸骨、ゴースト、墓場をイメージし、コテコテのデコレーションを飾っている店が多く見られます。家ではくりぬいたオレンジ色の大きなカボチャを飾ったり、凝った人ですと家全体をホラーハウスのようにクモの巣で囲ったりする人もいます。また、この時期、スーパーでは仮装の服やカボチャやグッズの特設販売コーナーができます。
Q4 子どもたちがお菓子をもらう慣習についてはいかがですか?
A4 ハロウィンは子供にとって夜の一大イベントです。冒頭、参加する・しない人の2つに分かれるとコメントしましたが、参加している人の家の外にはハロウィーンの飾りが置いてあるのがサインで、この家を目指し、仮装した子供達が"TRICK OR TREATING"(いたづらか、お菓子か)と呪文を唱え、お菓子を入れるバスケットを持ち歩き、ドアノックし、お菓子をバスケットに山ほど貰って集め楽しんでます。とにかく子供たちが一晩でゲットするお菓子の量が尋常でないくらい多く、通常、クリスマス迄、お菓子を買わなくていいくらい集まります。
Q5仮装イベントはどういった場所で行われているのでしょうか?
繁華街が人でごった返すようなことは?
A5 もう一つのハロウィンに参加するグループは、パーティ好きな大人です。クラブではハロウィンのテーマでイベントを開催することが多く、会場に向かう人が化粧や仮装してバスや地下鉄に乗っていたりします。しかし、寒くて、雨が降りがちなこともあるのかもしれませんが、日本のように外で集まったりするようなことはないようです。
●メキシコ・アグアスカリエンテス在住 府川 祐子さん
Q1 メキシコにはハロウィンに非常に似た「死者の日」の風習がありますよね。007 スペクターのオープニングシーンで大フィーチャーされていました。
A1 奇しくもハロウィンの次の日、11月1日と2日なんです。ケルト文化発祥でなく、アステカ文明の名残とか。メキシコの「死者の日」には、ろうそくをたくさん燈し、死者の写真や好きだった食べ物、飲み物、たばこや酒で祭壇を飾りcempasuchitlの花に囲まれ、亡くなった人を偲びます。子どもたちはカラベリータと呼ばれるオレンジ色のかぼちゃのおもちゃを持って、ご近所をまわり、<queremos calaverite>(日本語で「ガイコツが欲しい」)と言いながらお菓子をおねだりします。また、死者の日が近づくと、町で売っているガイコツの砂糖菓子のおでこに親しい人の名前を貼ってプレゼントしたりします。死者の日当日にはお墓参りをして花を飾り、お墓でまるでピクニックのように思い出話をし、食べたり、飲んだりする家族もいます。まだほんの(?)3,40年前まではハロウィンの習慣がメキシコに入っていなかったので、民族衣装を着た子どもたちが町の中をかぼちゃのおもちゃを持って走りまわる姿が見受けられました。今でも田舎の村ではこれらの風習が続いています。
Q2 まさにアニメーション映画「リメンバー・ミー」の世界ですよね。街の様子はどうですか?
A3 都市部のスーパーやデパートは二か月も前から、
骨の飾りのついた死者の日のパン、仮装着、死者の日の花、ろうそくなどが売られ始めます。
Q4 メキシコのハロウィン、死者の日、仮装についてはどうですか??
A4 仮装は、定番のがいこつ、やドラキュラ、女性の間ではカテリーナという黒いドレスに黒いレースの帽子の貴婦人の仮装が人気があります。男の子たちは はやりの映画のヒーロー、スパイダーマンなどで仮装します。学校もその日は服装自由で、多くの生徒が仮装をします。校庭でゲームをしたり、死者の日のパンを食べ、早帰りして、あとは自宅やおばあちゃんの家で家族や親戚が死者の日の交流をします。