今週は日本新聞協会が主催する「新聞週間」、新聞の啓発・啓蒙のためのキャンペーンです。中でも、きょう、10月20日は「新聞広告の日」となっていて、帝国ホテルで記念式典を開き、新聞広告賞、新聞広告クリエーティブコンテストの受賞者を表彰します。

ところで、海外の新聞広告ってどうなっているんでしょう?この時間は2つの国の番組通信員の方に回線をつないで、現地の「新聞広告事情」を伺います。
●フランス・パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む 柳瀬充さん
Q1 フランスの新聞広告は記事に比べ、どのくらいの割合で載っているのでしょうか?
A1 こちらの新聞には2割くらいの広告載っており、一面広告もちらほら見られます。なお、今ではネットから新聞を見る人の方が多く、広告を見る機会も減っているように思えます。
Q2 新聞広告でよく見るジャンルや、フランスならではのものといえば?
A2 よく見るジャンルとしては、サッカーなどのスポーツ、放映中の映画の広告や、大きなイベントの告知などでしょうか。メトロでも無料の新聞「Direct matin」や「20 minute」などが発行されており、広告が多く載っています。
Q3 そのほか、商品の宣伝としての新聞広告では、どんなものが多いイメージでしょうか?
A3 保険会社の宣伝や、旅行先の広告が多いように思います。
Q4フランスの新聞では、意見広告のようなものもあるのでしょうか?
A4 こちらは記者の意見も比較的強く反映されており、社会に問いかけるような広告もよくあります。たとえば、世界的大手銀行のスキャンダルで、他国では報道されていないことでも、フランス・ルモンド社では、内部文書を入手して暴露し、欧米などの海外で大騒ぎになったこともありました。
Q5 ちなみに、きょうのフランスの新聞にはどんな広告が載っていますか?
A5 今日の新聞では、イスラエルとパレスチナの抗争に対する抗議デモの禁止をマクロン大統領が宣言した事について書かれており、それに対する記者の意見広告が書かれています。メディアからの情報でフランスの情勢も変わってくるので、重要なところですね。
●ベトナム・ホーチミン / 迫田 陽子さん
Q1 ベトナムの新聞は、雑誌のように購買層によって分かれているそうですね?
A1 ベトナムの新聞はかなり種類が多く、南部エリアの日刊紙だけでも「トゥオイチェ(若者)」「タンニエン(青年)」「フーヌー(婦人)」「グイラオドン(労働者)」「ヤイフォン(解放)」などぱっと思いつくだけでもこれだけあります。新聞の名前からわかるように、紙面構成や読者層のバリエーションが豊かなのが想像できますね。そのため、新聞によって広告の種類が異なるのも興味深いです。
Q2 ベトナムの新聞広告は記事に比べ、どのくらいの割合で載っているのでしょうか?
A2 割合としては、いま手元にある一紙(購買層は男性が多め)だと少ない印象です。タブロイドサイズの24ページで7つほど。平日は広告が少なめで、土日にどさっと広告専用の別冊が付く傾向です。
Q3 新聞広告でよく見るジャンルや、ベトナムならではのものといえば?
A3 高層住宅や、別荘地の分譲など不動産の広告が多い印象です。経済が停滞気味という話もありますが、それでも中心地のベッドタウンや、海に近いリゾートエリアの案件がかなり多くバブルな香りがします。また、以前は「たずね人」の広告もよくみかけました。最近では、「犬をさがしています」のおたずねも目にするようになり、生活の変化を感じた瞬間でした。
Q4 意見広告のようなものもあるのでしょうか?
A4 ベトナムで発行されている新聞は、共産党の青年局や婦人局などが母体になっています。エッジの効いた意見広告をイメージされるかもしれませんが、そうしたものはほとんど見かけません。生活用品メーカーが、環境保護をよびかけるようなイメージ広告などはあります。またはスポンサー記事として、地方の貧しいエリアに大手メーカーや団体が行う寄付やチャリティー活動を紹介する内容が掲載されています。広い意味で、互助をよびかけるような意見広告?と言えるかもしれません。
Q5 ちなみに、直近のベトナムの新聞にはどんな広告が載っていますか?
A5 今週、購入した新聞「タン・ニエン」は、ベトナム語で「青年」という意味です。読者層が30代以上の男性が多いので、外国製の高級時計(ロレックス)の全面広告や、大学の講師の募集。またこの新聞社が手がけるニュースアプリ内での広告募集が載っていました。