
きのう、10月5日は「レジ袋ゼロデー」でした。日本では2020年7月から、プラスティック製の買い物袋、いわゆる「レジ袋」の有料化がスタート。3年ちょっとが経ちました。日本チェーンストア協会によると、全国のスーパーにおけるレジ袋の辞退率は2021年度に80.26%に達し、制度開始前の2019年度の57.21%から大幅に増えたそうです。また「日本経済綜合研究センター」の調査では、2019年におよそ20万トンだったレジ袋の国内流通量は2021年にはおよそ10万トンと半分ほどに減ったそうです。しかし、一人当たりのプラスティックごみ全体の排出量としてはアメリカに次いで世界で2位の水準。まだまだプラスティック削減への課題は山積みのようです。そこで、この時間は2つの国の番組通信員の方に回線をつないで、現地の「レジ袋事情」を伺います。
●ブラジル・サンパウロ在住 / 吉川 真由美さん
Q1 ブラジルでは日本よりも早く、いろいろな動きがあったそうですね?
A1 そうですね。石油プラスティックでできたレジ袋だけではなく、食品を包装するプラスティック製のものも、サンパウロ市では2011年に禁止する法律ができたのです。その時から再生可能なプラスティックを利用する包装パックなどが使われてきています。この法律は、ブラジル各地の町によって多少異なります。
Q2 その、再生可能なプラスティックとは、どういった素材のものでしょうか?
A2 サトウキビやトウモロコシのでん粉を使ったバイオプラスティックです。キャッサバのでん粉でできたものもあるそうです。
Q3 石油プラスティック製レジ袋の「禁止」、というのは、かなり厳しい決まりだと思いますが、2011年当時、かなり混乱があったとか?
A3 はい、とても混乱しましたし、大変でした。サンパウロ市では特に、一時期レジ袋自体が使えないとなり、それを作っている工場などは特に困ったと思います。消費者は、買い物に出かけるときに、エコバッグを持参することを忘れないようにしないと、行先のお店で毎回新しいエコバッグを買わされる羽目になってしまっていました。
Q4 ちなみに、再生可能なプラスティック製のレジ袋が有料で提供されるようになったのも、同じタイミングなのでしょうか?
A4 サンパウロ市の法律ができたすぐは、石油プラスティックでできたレジ袋しかなかったので、レジ袋自体が使用できないと言われていて、全員、エコバッグを持参して買い物に行っていましたが、その後、再生可能なプラスティック製のレジ袋が有料になりました。最近では、レジ袋を有料にするのは消費者の権利に反するという人もいます。でもスーパーによってレジ袋を売っているところもあれば、無料で提供しているところもあります。無料で提供するところは少ないですけど...
Q5 現在、サンパウロ市民のみなさんは、当たり前にエコバックを利用されているのでしょうか?それとも、有料のレジ袋を買う方も多いのでしょうか?
A5 大半の人はまだレジ袋を使用しています。私は、忘れない時は、あの頃にたくさん買わされたエコバッグを利用していますが...
●タイ・バンコク在住 / 木下 麻衣子さん
Q1 タイでもスーパーやコンビニのレジ袋は有料化されているんですよね?
A1 はい、2020年1月からということで、日本より半年ほど早く導入されました。
Q2 その当時、混乱などはなかったのでしょうか?
A2 かなりざわつきましたね。私も困惑しました!屋台文化のタイでそれがどこまで通用するのかなと。どんなオチが待っているのかなとも思いました。予想通りですが屋台や市場では相変わらずビニール袋天国です。ちなみに、屋台や市場を除くコンビニ、スーパー、デパート内のマーケットなどは再生可能な素材のプラスティック袋が有料で提供されています。タイのセブンイレブンは、通常はレジ袋は有料ですが、レンジで温めるお弁当などを購入すると、何故か無料でこの袋がもらえる謎の優しいルールがございます。
Q3 タイではエコバッグは浸透しなかったのでしょうか?
A3 皆さん今までよりも意識が高まったんじゃないかと思いますが、常に準備万端というわけにはいかないですよね。買わざるを得ない場面も多くて、家中エコバッグだらけです。というのも、大手スーパーで独自の不織布エコバッグがシーズン毎にデザインや配色が変わって、何故だかその都度欲しくなっちゃうんです。あと街中で商品としてのかわいいエコバッグが増えたので、ついつい日本へのお土産にと買ってしまいます。全然エコじゃないんですよね。
Q4 タイでは、コロナ禍でプラスティックごみが増えたそうですね?
A4 外出規制などもあったコロナ禍で一気にデリバリーの需要が増えたので、プラスティック容器、食器、袋無しでは成り立たないですね。無理だと思います。