さて、きょうは「七夕」ですね。日本では、毎年7月7日の夜に、願いごとを書いた短冊や飾りを笹の葉につるし、星にお祈りをする習慣があります。また、各地でこの時期、もしくは旧暦に合わせて8月に「七夕まつり」が開催され、色とりどりの七夕飾りが街を彩ります。この「七夕」の風習、海外にもあること、ご存知でしたか?この時間は2つの国の番組通信員の方に回線をつないで「七夕事情」を伺います。

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●ブラジル・サンパウロ在住 / 吉川 真由美さん

Q1 日本からの移民の方も多い国ですから、ブラジルでも「七夕まつり」が行われているんですよね?

A1 はい、ブラジルでも「七夕まつり」というお祭りが各地で行われていますが、その中で一番大きいイベントは、ブラジルで日本にルーツを持つ人が最も多く住んでいるサンパウロ市で開催されています。この七夕まつりは、東洋人街のあるリベルダーデ地区で毎年行われていますが、今年は7月14日、15日に第44回目の「七夕まつり」が行われることになっています。このイベントは、ブラジルへの日本移民70周年とブラジル宮城県人会25周年を記念して、1978年に初めて開催されたそうです。現在では、すでに日系人の枠を超えてしまっていて、サンパウロ市のイベントカレンダーに載るほど大きいお祭りになっています。

Q2 サンパウロの「七夕まつり」では、仙台七夕まつりの飾りが登場するそうですね?

A2 はい、仙台市の七夕の飾りの制作業者から技術指導を受けた人が作っているくす玉付きの飾りが東洋街の道を飾ります。

Q3 ちなみに、サンパウロの「七夕まつり」では、参加する方が、短冊に願い事を書いたりもするのでしょうか?

A3 はい、カラフルな短冊に自分の願い事を、ブラジル人はほぼ全員、ポルトガル語で書きます。

Q4 サンパウロの「七夕まつり」では、ほかにどんな催しがあるのでしょうか?

A4 ステージがあって、日本舞踊、エイサー太鼓、よさこい、アキバ系のダンスなどがあります。それからミス七夕コンテストも行われます。その日は、東洋人街は歩行者天国にいなりますが、そこには出店が並びます。たこ焼きやかき氷など、食べ物を売る屋台などもたくさんあります。それから、道端にテーブルを置いて、通りかかりの人に折り紙を教えている人もいます。

●韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん

Q1 韓国にも七夕の習慣はあるんですよね?

A1 韓国版ロミオとジュリエットとも言える「牽牛(キョヌ)」と「織姫(チクニョ)」。韓国は旧暦の7月7日(今年は8月22日)を「チルソク」といいます。

Q2 韓国では「七夕」を「チルソク」というんですね。ちなみに、韓国の七夕は、日本とちょっと違うそうですね?

A2 日本では七夕の日が晴れることを祈りますが、韓国では雨が降ることを願います。七夕(チルソク)の前後に降る雨を「チルソク雨(チルソクピー)」と言うが、七夕の前日に雨がたくさん降る理由は、キョヌとチクニョが互いに乗って行く手車を洗うためであり、七夕当日に降る雨は2人が会って流す喜びの涙、翌日未明に降る雨は別れながら流す悲しみの涙だと。特に、七夕の日に雨が降れば豊作になったり、病気を追い出すと信じて、昔は雨の水で入浴したりもしました。

Q3 韓国の七夕では、どんな風習があるんですか?

A3 七夕の日に「ミルグクス(小麦粉で作った麺)」と「ミルジョンミョン(小麦粉で作ったせんべい)」を食べる風習があるが、七夕が過ぎると徐々に冷たい風が吹いて小麦粉で料理を作ると小麦の匂いがしておいしくなくなるため、(夏の)最後に(おいしい)小麦料理を味わえるという意味で、必ず小麦で作ったミルグクスとミルジョンミョンを食べる。

Q4 恋人の日でもあるそうですね?

A4 1年に一度だけの愛する人が会える日なので、韓国では最もロマンチックな日だと言われています。なので「愛」をテーマにイベントや花束、プレゼントを恋人同士で渡して愛情表現をしたりします。