物価上昇、節約意識の向上などもあり、ここ数年、中古市場が盛り上がっています。中古ショップ、ネットオークション、フリマアプリなどをよく利用する、という方も多くいらっしゃるでしょう。また、通常はなかなか手に入らない貴重な商品がプレミアとなって中古市場で高値で取引されている、というケースもありますよね。そこで、この時間は、2つの国の番組通信員の方に回線をつないで、現地の「リセール事情」についてお話を伺います。
●アメリカ・ロサンゼルス在住 / 手島 里華さん
Q1 アメリカはもともと中古での売買が根付いていますよね?
A1 アメリカは日本と比べて中古品が日常生活に馴染んでいる国と言えます。使わなくなったものを気軽に売ったり、ドネーションしたり。また気に入った物が あれば、日用雑貨などの安いものから、高級ブランドなどの高価な商品まで、様々なジャンルの中古品を用途に併せて買う文化があります。生活情報を集めたサイト『MAXMIZE MINIMALISM』によりますと、中古品の販売市場で人気の商品はベスト3は、
3位・・・家具
2位・・・革製品
1位・・・車
日本は新車にこだわるのに対して、アメリカでは中古車市場の方が人気があります。価格帯も様々ですし、そのあとあまり値下がりしないという特徴もあります。新車は日本ほど人気がなくて、購入後にある程度まで値下がりするという傾向があります。
Q2 直訳すると「節約ショップ」という「thrift shop」というリサイクルサービスが充実しているようですね?
A2 使わなくなった物を捨てずに売ったり、中古ショップに持って行っていくらかの値段で買い取ってもらうという習慣があります。また、ドネーションという形で要らなくなった物を引き取ってもらう事も多く、特にポピュラーなのが『Goodwill』や『Salvation army』です。『Goodwill』は1902 年にボストンの牧師によって誕生した慈善団体、『Salvation army』は、1865年にイギリス・ロンドンで誕生した救世軍の活動です。 ほぼ"何でも!"と言っていいほどで、状態の良し悪しに関わらずあらゆるものを引き取ってくれます。そして、引き取った商品を各地にある店舗で販売しています。非常に安いです!日常で使える物も多く、さらにハロウィンなどのイベントの時期は特に品揃えが豊富で混雑しています。年に1回のイベントのためなら中古でも構わないと、こういった店舗を利用する人が非常に多いです。(ちなみにそれぞれの会社は慈善団体なので、売り上げを地元の施設などに 寄付しています。)
Q3 インターネットでの売買はどうですか?
A3 ネット販売も盛んで、アメリカで大手の中古ファッションを扱う会社『スレッドアップ』によると、昨年は中古市場が24%増加、さらに今後3年間の間に820億 ドル増加するのではと予想しています。さらに高級品(バッグやアクセサリー)などの市場では、すでに240億ドル規模の増加が見込まれています!またミレニアル世代とZ世代の消費者の62%は、新品ではなく中古品を探していると伝えています。アプリで人気なのはFace BookのMarket Placeで、手数料がかからず、あらゆるジャンルの商品を出品・購入できるという点に人気があります。
Q4 生活必需品をできるだけ安価で、という中古品とは違って、いわゆるコレクターのための中古市場というのはどうですか?
A4 中古のコレクターズグッズにも人気が集まっています。ポケモンカードはアメリカでも人気で、2年前の6月に行われたオークションで、『ブラッキー』というキャラクターのカードが、過去最高値の7万ドルで落札されたりと、まだまだ人気が続ています。また『Lego』(ブロックのおもちゃ)の中古品もかなり高値がついていて、コレクターズのサイトを見てみると、『Mr.Gold』という、2013年(今から10年前)に販売された、その名の通り全身金色のミニフィギュアが、販売当時の価格で3ドルが、今は7900ドルで取引されています。これからも中古市場は盛況の状況が続きそうです。
●インド・ムンバイ / ハリー・チェンさん
Q1 インドの中古市場ってどうなっているんでしょうか?
A1 インドはご存知だと思いますが、最近世界一の人口になりました。多くの都市、町が存在します。なんと8000近くの市と町があり、日本は1700ほどに比べて凄まじい数です。その全てにFlea Market=蚤(のみ)の市があるとも言われておりますが、特に大都市に巨大な蚤の市が存在します。ムンバイの「チョールバザール」は南ムンバイに位置する150年の歴史を持つマーケットです。歴史がある分、イギリス統治時代のアンティークも含むたくさん売られています。
Q2 インドでは、ネットでの中古売買についてはどうですか?
A2 アプリも最近急拡大。OLX, Quikr, eBayなどが人気です。車、パソコンなどのハードな商品もありますが、衣服などもあります。しかし、僕の印象ですが、GDPが急拡大してるインドはセカンドハンド商品より新商品を楽しむ傾向があると思います。購買意欲が他と違って凄く最近は高いと思います。セカンドハンド(中古)よりはIKEAのおしゃれな家具の方を好む傾向が一例でしょう。
Q3 インドでもコレクターズアイテムがすごい値段で取引されている、といった話題はありますか?
A3 はい、あります。アンティーク商品もそうですし、ボリウッド女優のサイン入りの品などが売られてる時があります。ボリウッド映画のポスターなどが売られてます。Naatu NaatuのTシャツなども、今後はセカンドハンド(中古市場)に出回るのでは?!
Q4 そのほか「リセール(中古)事情」でお話したいことがあれば・・・
A4 インドのリセール市場はまだまだ今からだと思います。インドのラグジュアリーリセールマーケットは約740億円と言われてます。ちなみに日本の市場は2.4兆円市場ですので、まだまだ日本の方が大きいです。今後はリセール市場の拡大も大きくあるのではないでしょうか。