今朝のこの時間は「結婚」にフォーカスしてお届けします。厚生労働省が毎年発表している「人口動態統計」によりますと、2021年の「婚姻件数」は50万1116組。50年前は100万組を越えていたので相当減っています。最近はアプリで出会って結婚、とういう方も多くなっていますね!

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今回は「結婚観の変化」と題して、結婚にまつわる実態や、価値観の変化について、番組通信員の方にお話を伺います。

●中国・北京在住のライター、斎藤 淳子さん

Q1 先日出版された著書「シン・中国人: 激変する社会と悩める若者たち」で、まさに、中国の結婚観の変化について詳細に書かれていますが、中国の「結婚率」も、かなり減っているそうですね?

A1 結婚率は2013年の9.9%→2021年5.4%に8年で「半減」しています。平均初婚年齢もこの10年ほどで男女とも5歳くらい遅くなっていますね。日本は婚姻率は4.3%→4.1%とさらに低く、結婚平均年齢は30前後でほぼ同じなのですが、中国の場合は変化のスピードが猛烈に速いんです。

Q2 結婚する人が減っている背景には何があるのでしょうか?

A2 日本と共通して、意識や結婚のカタチ自体の変化も大きいですが、それ以外にも中国独自の要因があります。一つ目は新居の不動産購入の負担の急増です。不動産高騰によって、若夫婦二人が力を合わせて買うという健全な方式は消えてしまいました。それに代わって、2000年代中盤以降、「新居は男性側が準備するもの」という新しい結婚常識ができました。元々、中国の農村では男性側が結婚時に新居を準備する習慣があったため、都市でもあっという間に新婚夫婦の新居は婿側が用意するということになってしまったのです。北京や上海などの不動産は年収比で日本の数倍します。億ションも珍しくありません。とにかく、ものすごく高いので、婿家族総出の家族プロジェクトになりつつあります。苦労して買った不動産を託すため、結婚相手に関しても、まるで合弁会社のパートナーのような目つきで見つめる人が出てきているんですね。

Q3 合弁会社のパートナー!それと、結納金が高騰しているという背景もあるんですよね?

A3 農村部では、婿家族が嫁家族に渡す結納金も高騰しています。地方政府によっては、結納金は120万円以内にせよ、と制限する所もある。つまりこの数倍が流通しているようで、大きな負担になっています。

Q4 結婚するためのハードルが高すぎますね・・・となると、中国では恋愛結婚が難しいんじゃないでしょうか?

A4 恋愛、大切ですよね。日本でも恋愛結婚が主流になったのは意外と短いのですが、中国はそれ以上に短いんです。親戚や職場の人の紹介で結婚を前提として付き合うのが普通で、少し前まで、恋愛自体が「よろしくない」と位置付けられてきました。中国においては、恋愛の地位はかなり低い。今でも大学入学までは勉強の妨げ!になるので、恋愛はダメという親御さんも多いです。中学や高校の校則で恋愛を禁止する位なんです。また、中国では親の戸籍によって子供の進学に影響があるんです。そのために、結婚に際しても、北京など名門大学が多い大都市の戸籍が重要視される背景があるんですよね。結婚はこうした、社会の縛りを破るチャンスにもなり得るために、逆にそれらに支配されやすくなっている面があります。

Q5 その結果、中国でも結婚をしない選択をする人も増えているというわけですね?

A5 そうですね。この他にも人が繊細になってきて、人間関係も薄くなってきていることや速すぎる発展などいろんな要因が一気に重なってしまった結果、中国の人たちにとっても結婚は以前のように簡単でも当たり前でもなくなってきているということです。詳細は是非とも発売中の筑摩新書『シン・中国人』をご覧になっていただければ嬉しいです。驚きの中国の恋愛と結婚の最新事情が満載です。

JK はい、特に第3章の「北京で聞きました~20代30代の恋愛観と結婚観で、また世代間の隔絶がいかにすごいのかも垣間見れました~読み応えたっぷりです。

●インド・ムンバイ / ハリー・チェンさん

Q1 現在も人口増加中のインド、結婚率はやはり増えているんでしょうか?

A1 結婚率は若干減っています。(インドの人口千人あたりの婚姻数(婚姻率)が分かれば)しかし、知っていただきたいのは圧倒的に数は多いです。年間で1000万の結婚式が行われていると言われるインド。要は若干数パーセント減ったと言ってもまだまだ年間1000万件ですよ!

Q2 若干とのことですが、インドの結婚率が減っている要因は?

A2 最近は若者の間で結婚している率が若干下がっていることも報道されてます。理由としては経済発展による女性の自立もありますが、大都市で生活すると生活費も高く、将来の不安による1人で生活したい人も少し存在する。言わば結婚して家庭を持つことで大きな費用が生涯かかることに対しての不安もあるとか。もちろん晩婚化も進んでおります。お金を貯めてから結婚、自由に2人の時間を楽しもうと言う人も多々。

Q3 インドでは、お見合い結婚が圧倒的なんだそうですね?

A3 結婚の9割がお見合い結婚とも言われています。ただ、都市部ではLOVE MARRIAGEが上昇中。でも、LOVEは家族に認められ無いというケースもあり、僕のインド人の友人は大好きだった彼女と別れ、お見合いしたインド人女性と結婚。圧倒的にお見合い結婚です、インドは。

Q4 インドでの結婚のハードルについては近年変化していますか?

A4 結婚式はお金がかかる。で、そのトレンドは今も続く。これがハードルと言えるが、一生で一番大切な行事なのでお金は惜しまない、とのこと。お金は経済状況によるが、お金がある方が出すのが通常とのこと。親が出すのが大半なのがインドのしきたり、で経済発展が拡大しているインドでは費用は問題があるとはあまり聞かない。最近僕が参加させていただいた結婚式は1000人参加、2000万円の費用が投入された。豪華であり、凄いエネルギーを感じされた巨大豪華イベント。踊りあり、入場パフォーマンスもあり、世界の料理もずらり、と。先週バンガロールで会食でお会いした方が先日行った結婚式に4000人が参加で最低でも1億2000万円で5つ星ホテル300室を貸切3日間開催、と豪華結婚式のインド人もびっくり!と言うことで開催費用についてのハードルはあまり無いと言える。

Q5 恋愛結婚以外に結婚に関する価値観の変化はありますか?

A5 別の宗教でのお相手も最近ではハードルが下がって来た感じもします。また、同性愛者の結婚のハードルも下がった感じがします。そして、若い女性の中では結婚が「怖い」と言うことを思う人が最近増えてると聞きます。「教育」をどんどん受けて来た女性から見ると結婚は大きな賭けであり、その賭けが失敗すると不幸になるから怖いとか。また、周りに結婚してもUNHAPPYな人が多いとも報道されてたりソーシャルメディアで離婚などが取り上げられ、その理由で更に女性が慎重になってるとも。教育された女性が自分でも経済的に豊かであり、親も過去に比べるとプレッシャーをかけたくないというのも最近のトレンドかもです。