先週のこの時間は、中国とインドに回線をつないで今年、2022年に話題になった出来事や流行についてお話を伺いました。そして、今朝はアメリカと韓国の番組通信員の方に2022年を振り返っていただきます。
●アメリカ・ロサンゼルス在住 / 手島 里華さん
Q1 2022年のアメリカといえば、やはり中間選挙が行われたことですよね?
A1 今回は共和党が上下両院ともに逆転するんではないかという事前情報が流れましたが、結果は上院が定数100議席のところ51議席、共和党は49と、民主党が過半数を確保しましたが、下院では定数435議席のところ、民主党が213、共和党が222議席と、共和党が躍進しました。
今後、バイデン政権がどのようにアメリカの舵を取って行くのか、さらにこの結果が2年後の大統領選挙にどう影響を与えるのか、注目が集まっています。
Q2 ほかに、手島さんが今年のアメリカ国内での動きで印象に残っていることはなんでしょう?
A2 個人的に感じたのは、何と言っても『物価が上がった』事が最も印象に残った1年でした。
アメリカ労働統計局が発表したデータによりますと、ロサンゼルスの食品価格は過去1年間で7.8%上昇。エネルギー価格(特にガソリン)は11.5%上昇しています。食品とエネルギーを除いたすべての項目では5.2%の上昇となっています。
特に外食では、値段を2,3ドル高く設定するところがほとんどとなっています。外食価格は普段も高く、カジュアルなレストランでもディナーは1プレート20ドル前後しているので、さらに2,3ドル高くなると、チップの額にも響くので外食を控えるという声もよく聞きます。
Q3 アメリカのエンターテインメントに関しては、今年はどんなトレンドがあったのでしょうか?
A3 調査会社『グローバルエンターテインメントリポート』の調査によりますと、人気は『オンラインTVを観る事!』引き続き好調です!コロナのパンデミックで需要を伸ばしたオンラインTV ですが、その人気は今も続いていて、7年前の調査では従来のテレビ番組とオンラインTVの視聴時間を比べると、テレビの方が1時間以上長かった(TV2時間5分、オンライン52分)のですが、今年は30分以下となって、この距離が縮まってきています。
Q4 スポーツの分野ではどうでしょうか?
A4 スポーツではやはり今年も『大谷翔平選手』の動向に注目が集まりました。昨シーズンはあらゆる賞を総なめ!という感じでしたが、今年は"年間で最も活躍した指名打者"に贈られる『エドガー・マルティネス賞』を2年連続で受賞!MVPは逃しましたが、今年は投手として28試合に登板して、15勝9敗、防御率2.33、219の三振を奪っています。打者としては157試合に出場して打率2割7分3厘、34本のホームラン、95打点を挙げています。
今シーズンを終えて、最終的にロサンゼルス・エンゼルスと来年1年間の契約を結んで、年俸は日本円で43億5000万円という、日本人選手としては史上最高額となりました!これで地元 エンゼルスファンはホッとしています!
●韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん
Q1 2022年の韓国というと、やはり158人の方々が亡くなってしまったハロウィンの梨泰院での事故が、大きなニュースとなりましたが、その後の動きはどうなったのでしょうか?
A1 26日にソウル龍山(ヨンサン)区の朴熙英(パク・ヒヨン)区長が安全対策をしっかりと取らなかった疑いで拘束されました。また警察署長が逮捕されたのに続き、警察幹部や関係者などに続々と逮捕状が発付されています。
Q2 改めて「雑踏事故」の怖さが浮き彫りになったと思いますが、安全への意識、変わってきているのでしょうか?
A2 出勤時間帯の地下鉄の風景が変わりました。ソウルは朝の混んでる時間帯に「地獄鉄」といわれるほどたくさんの人が地下鉄を利用していますが、満員電車に無理矢理乗り込む人がかなり減りました。また、一人でも「押さないで~」というと、周りの皆がすぐに押さないようにするなど、人々の行動も変わってます。そして、自治体別に安全基準を強化し、主催者がいなくても安全要員を多く配置するなど年末年始に人が多く集まるところは安全管理に集中しています。特にソウル市の場合、5万~10万人以上の行事は管理計画を義務化するよう法改正に突入し、釜山の海雲台は別途状況室を運営する予定です。
Q3 韓国の2022年、経済面ではどんな年だったのでしょうか?
A3 経済的な面では、昨年は住宅の価格が急上昇しましたが、今年は不動産のバブルがはじけて「ヨンクル族」が悲鳴をあげています。(「ヨンクル族」とは、何でもかんでも、それこそ霊魂までかき集めるという意味で、 ありったけのお金をかき集めて不動産や株を買う人のことで、韓国の若者たちが特に多かったです。)金利高で借金をしてマンションを購入した20~30代が1年も経たないうちに安く売ったり、借金して株を買った人が株価暴落でインスタントラーメンばかり食べながら借金を返すなど昨年とは反対の傾向が続いてます。
Q4 韓国にも「今年の流行語」のようなものはあるんでしょうか?
A4 韓国でも年末になると、「今年の話題検索語(キーワード)」のような、グーグル検索語ランキングを発表しますが、韓国内でもっとも多く検索された総合キーワードトップ10には 「カタールワールドカップ」や「トッテナム」「梨泰院転倒事故」。また、今年の夏に大雨だったので「降水量」があがってます。あと、ドラマでは圧倒的な人気を得た「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」と 「ナルコの神(韓国語タイトルは「スリナム」)」がランクされました。
Q5 いろいろあった韓国の2022年、エンタメは活況のようですね?
A5 今年は特にK-POPやK-ドラマ・映画が世界で大人気だったので、BTSだけではなく、IVEやLE SSERAFIMなど新人ガールズグループの誕生も話題になっております。それから、最近放送された俳優ソン・ジュンギ主演のドラマ「財閥家の末息子」もかなりの話題作でした。