さて、日本時間のあさって(20日)、いよいよ「FIFAワールドカップ カタール 2022」が開幕となります。

きょうは番組後半、サッカー日本代表とグループステージで対戦する国の食べ物・飲み物を食べ尽くし、飲み尽くす企画をお届けしますが、この時間は、サッカー強豪国である2つの国の番組通信員の方にワールドカップ直前の現地の様子を伺います。
●ブラジル・リオデジャネイロ在住 / 藤井 陽樹さん
Q1 ワールドカップ開幕直前のブラジル・リオデジャネイロ、盛り上がっていますでしょうか?
A1 はい、もちろんです。こちらリオでは、今大会使用される新しいユニフォームを普段着として来ている人をよく見かけますし、出場する全選手のトレーディングカードが売られていて、それを子どもも大人も全種類(600種類以上ある)手に入れるために交換したりしているうちに色々な国の選手の名前を覚えていくんです。息子も熱中していて、学校へ行くときも外に遊びに行くときも常に持ち歩いています。
Q2 ブラジル代表メンバーで注目されている選手というと?
A2 リオデジャネイロ出身でレアル・マドリード所属のヴィニシウス・ジュニオールですね。チャンピオンズリーグでも大活躍しましたし、今回初のワールドカップ出場となるので大暴れしてほしいです。ネイマールとのコンビネーションでたくさんのチャンスを作り出せると思います。
Q3 2002年の日韓大会以来、実は20年優勝していないブラジル代表ですが、今大会、ブラジル代表がどこまで優勝に近づけるかなど、どのように現地では見られていますか?
A3 今回のセレソンはかなり期待されています。というのもセンターラインの選手層が半端じゃないからです。GKはアリソンとエデルソン、DFにはミリトン、マルキーニョス、チアゴシウバ、中盤はカゼミロ、ファビーニョ、前線は先ほどのネイマール、ヴィニシウスに加えてロドリゴやアントニーなどとにかく世界選抜と言っていいと思います。ちょっとぐらい怪我人が出ても全く問題ないメンバーが揃っていると言えますね。
Q4 まずはグループリーグを突破しなければなりません。ブラジルはセルビア、スイス、カメルーンと同じG組ですが、グループリーグは余裕という印象ですか?
A4 いいえ、セルビア、スイスは身長の高い選手が多く、セットプレーやパワープレーでやられる可能性があるので余裕という感じではないですね。ブラジルの唯一の弱点と言っていいのが平均身長の低さなんです。そこをついてガンガン来られると楽な試合にはならないと思いますし、怪我にも気をつけたいところですね。
Q5 グループリーグを勝ち進んでいった上で、ブラジル代表が警戒すべき国は?
A5 決勝トーナメント第二戦でドイツと当たる可能性があるので、そこが大きな山場かと思います。ドイツも優勝候補ですし、何よりブラジル大会で7−1で負けたあの屈辱は忘れられないでしょうから決勝トーナメントになりますね。あのとき直前にネイマールが怪我で出られなくなったということがあったので、ネイマールのリベンジというのも見てみたいですね。
●ドイツ・ミュンヘン在住 / 町田 文さん
Q1 まずは、ワールドカップ開幕直前のドイツ国内の様子について伺いたいんですが、実は、ネガティブムードも強いんですよね?
A1 開催場所が人権問題で注目されているカタールなので、いつものワールドカップと違う雰囲気です。特に話題になっているのが同性愛を禁止していることです。ドイツは同性愛者に対しリベラルであり、同性婚も認めています。私も同性愛者の友人を持っていますし、結婚式に出席したこともあります。そのため、改めてパブリックビューイングを行わない、とSNSで宣言しているレストランや居酒屋があります。顧客と多数決で非公開決めた、というお店も。また、選手とファンに非はないためドイツ戦だけ見せる、と言う飲食店もあります。でも実は今回のワールドカップに限らず、ブンデスリーガで強いFCバイエルン・ミュンヘンのスポンサーがカタール航空であることもファンの間では元々批判されていました。
Q2 ドイツは前々回、2014年のブラジル大会で優勝していますが、前回、2018年のロシア大会ではグループリーグ敗退という結果でした。今大会でのドイツ代表の活躍、現地(の報道など)ではどう見られていますか?
A2 ドイツは前回と前々回で選手が結構入れ変わりました。優勝した2014年は長年付き合いがあるベテラン選手達の集いだったのですが、その後は引退する人もいて、全体的に選手が若返り、2018年はドイツにとっては悲惨な結果になりました。今回は2021年7月に就任したばかりのフリック監督の腕の見せどころです。レ―ヴ前監督の右腕だった方で代表チームの指導経験は十分あります。
Q3 ドイツで活躍が期待される選手は?
A3 2014年にドイツを優勝に導いた選手、ノイアー、ミュラー、ゲッツェには相変わらず期待できると思います。(私はノイアーを応援しています。)あとはレアル・マドリードで活躍しているディフェンスのリュディガー。ミドルフェルダーはバイエルン・ミュンヘン在籍のキミッヒです。
Q4 ドイツはグループリーグで日本、スペイン、コスタリカと対戦しますが、日本に対しては、どう見られていますか?
A4 ドイツが最も警戒しているのは(日本とコスタリカにはすみませんが)スペインでしょう。でも油断はできないと思います。日本人の活躍は近年ドイツのブンデスリーガでも増え続けていますから。ちなみに、ドイツ人が特に注目しているのはフランクフルト所属の鎌田大地選手だと思います。