きょう9月2日は9(く)2(じ)で、「宝くじの日」です。

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1967年、第一勧業銀行、現在のみずほ銀行宝くじ部が、当選しても引き換えられず時効となってしまう宝くじが多いことから、時効防止のPRの為に制定したんだそうです。そこで、この時間は「世界の宝くじ事情」と題して、2つの国、2つの街の番組通信員の方に回線をつないで、ご当地の宝くじについてお話を伺います。

アメリカ・ニューヨーク在住 / 中村英雄さん

Q1 アメリカの宝くじといえば、賞金の最高額が日本とはケタ違いなんですよね?

A1 はい、皆さんも聞いたことがあると思いますが、「パワーボール」で15億8600万ドル(日本円でおよそ2110億円)が最高額。「メガミリオンズ」は、つい先日、7月末に推定13億3700万ドル(およそ1780億円)の当たりくじが出て話題となりました。

Q2 では、「パワーボール」と「メガミリオンズ」のシステムについて教えてください。

A2 どちらも数字当てゲームですが、パワーボールの場合、1~69の白いボールの中から5つの数字を選び、ついで1の赤いボール(これがパワーボール)の中から一つを選びます。当たり方によって9つの賞があるのですが、白赤全数字が当たると「ジャックポット」、1億4600万倍の賞金配当が得られます。メガミリオンズも、選ぶ数字の数がちょっと違うだけで、ほぼ同じルールです。チケットは1枚2ドルです。NYの場合、街角の食料雑貨店やスーパー、コンビニ、酒屋、ガソリンスタンドのなどでスクラッチなど、他のくじと並んで売られています。もちろん、いまの時代、インターネットでの購入も可能です

Q3 1億4600万倍ですか・・・!ジャックポットが当たる確率は、さすがに低いでしょうが、下の賞だと賞金はどのくらいなのでしょう?

A3 白ボールの5数字を当てれば、100万ドル、4数字とパワーボールで1万ドルですが、4数字だけだと100ドルとぐっと下がり、3数字以下では7ドル、1数字のビリ等賞で4ドルです。ジャックポット以外の賞は「パワープレイ」といって1ドルの追加料金を払って2倍~10倍の配当にパワーアップする方法もあるんです。

Q4 なみに、アメリカで高額の賞金が当選した方がメディアに取材されているシーンをよく見ますが、なぜ、みなさん顔出しされるのでしょうか?怖くないんですか?

A4 巨大宝くじ当選者の顔出しは、いくつかの州をのぞき、ほぼ全米で義務付けられています。理由は、「高額賞金取得者は、その身元を一般情報として公開しなくてはいけない」という法律があるからです。しかし、高額優勝者を狙った犯罪や嫌がらせ、詐欺はあとを絶たず、各地で問題になっています。なので、写真では兆を超える額の巨大な小切手の傍で満面の笑顔を見せている彼らですが、胸中は心配と恐怖でいっぱいなのです。最近は、ジャックポットを当てたらすかさずトラストを設立して、受取人をその基金に差し替え、匿名性を保持するという手法もとられていますが、当たり宝くじ券の裏に書く必須の署名が実名だと、この手は通用しません。受取人サインをする前に、興奮のるつぼの中で、そこまで考えが及ばない常人は、つい本名をサインしてしまいますよね...あわれ、この時、実名を開示したら最後、アイデンティティは全米の知るところとなってしまいます...ちなみに、先日のメガミリオンズの推定13億3700万ドルの当選者はまだ現れていないそうです。対策をしているのかも・・・

中国・北京にお住まいの、斎藤 淳子さん

Q1 そもそも、中国にも「宝くじ」はあるんですよね?

A1 中国では賭け事は全て禁止されていますので、理論的にはダメなはずなのですが、あります。公益事業のためということになっています。売り上げの3割前後を寄付しているとのこと。中国には2種類、「体育宝くじ」と「福利宝くじ」があり、発行している政府部門が違います。前者は体育局で、後者は民政部。でも、道端にある店はどこも両方一緒に売っています。徒歩5~10分に1軒位の密度で売店があります。

Q2 人口の多い中国ですから、当選額も高額なんじゃないですか?

A2 2011年、福利宝くじ「双色球」で5.65億元(当時のレートでおよそ68億円)の巨額賞金を獲得。これが中国宝くじ史上最高額の賞金となっています。

Q3 この「双色球」が一番人気らしいですが、どんなシステムなんでしょうか?

A3 私も双色球をチャレンジしたのですが、1~33までの数字の赤いボール6個と1~16までの数字の青いボール1個を組み合わせた番号を当てるゲームです。(さきほどのアメリカのパワーボールにも似たルールですね)順番は関係なく、当たった数字がどれだけあるかを競います。また、2倍、3、5、10倍にもできます。自分で数字を選ぶことも、お店のマシーンであらかじめ選んだものを買うこともできます。私は1回2元(40円)で5回分買いました。毎週火曜日、木曜日、日曜日の夜8時にテレビ局の生放送で抽選結果が出されて、翌日以降2ヶ月、店頭で賞金に返金してもらえます。

Q4 そういえば、中国にも「サッカーくじ」がありますよね?

A4 サッカーの結果を当てるサッカーくじ(トトカルチョ)は「双色球」に次いで人気です。ただ、サッカーの状況に詳しくないとだめなので、一般向けというより、サッカーファン向けのようです。

Q5 そのほか、中国の宝くじに関してお話ししたいことはありますか?

A5 9月1日朝のニュースランキング13番目で、上海で8月の中旬に宝くじを買った男性は2億7000万円当たったことに気づかず、店員に言われて気づいたと報道されていました。男性は「気づいたときは落ち着かなかったけど、今は少し平常心を取り戻した。お金は子供の養育に使いたい」と話している、ということです。中国の教育費は高いですからね。