きょう8月19日は、8、1、9で「バイクの日」です。
1989年、当時の総務庁交通対策本部が制定した記念日で、バイクの安全を考え、バイクによる交通事故の増加を防止するための日、なんだそうです。
実はコロナ禍で、蜜を避ける交通手段として再評価する動きもあって、日本の大型バイクの売り上げが増えているようです。全国軽自動車協会連合会が先月公表したデータによると、251cc以上のバイクの今年上半期の国内販売台数は前年同期比32%増の5万1035台。年間で1998年以来の10万台超えも視野に入っているとか。また、日本自動車工業会の調査では、50cc以下のスクーター原付一種とオンロード系251cc以上のバイク購入者の平均年齢が下がっている、というデータもあるそうです。そこで、この時間は「世界のバイク事情」と題して、2つの国、2つの街の番組通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。
● アメリカ・ロサンゼルス在住 / 手島 里華さん
Q1 アメリカでのバイクの売り上げ、ここ最近の動きはどうなんでしょうか?
A1 過去の統計を見ると、2006年に119万台生産された年をピークに右肩下がりの状態が続き、そこから10年以上に渡って50万台を下回る売り上げしかありませんでした。アメリカの定番バイクであるハーレー・ダビッドソンやスクーター、オフロードバイクなどの売り上げが減少。ところが2020年に78万台を売り上げ、2008年以来、最多の販売台数を記録しています。
Q2 やはり、コロナ禍の影響というのが大きいのでしょうか?
A2 コロナ禍になって、まずはオフロードバイクやATV(太めのタイヤが3つ付いたバイク。主に山や森などの自然の中で乗るバイク)の需要が急激に増えて、その後、スクーターやストリートバイクの需要も上がって行きました。これはコロナ禍で都会を走る・・・と言うよりも大自然の中で密を避けて、走る事を楽しみたいという需要が伸びた事から来ているようです。
Q3 アメリカも広いですが、地域によっての違いなどはありますか?
A3 アメリカ国内で最もバイクの登録を行っている数が多い州はと言うと、ここカリフォルニア州で、1年間に80万人が登録しています。アメリカ全土で人気のバイクはやはりハーレー・ダビッドソンで、昨年は12万台売り上げています。人気の車種はアメリカのエリアによっても特徴が分かれていて、カリフォルニアなどの西海岸、そして中西部ではハーレーが人気ですが、東海岸はと言うと、日本製のSS(スーパースポーツ)を愛用する人が多くなっています。ワイルドに走り抜けたいか、小回りの利くものが良いか、エリアによって好みは分かれています。
Q4 やはりハーレーが売り上げトップということですが、2位以下はどうなんでしょうか?
A4 Statistaという調査会社が今年の6月に発表したバイクメーカーのセールス状況を見ると、ハーレーダビッドソン が全体の21%でトップ。第2位がHonda 17.5%、第3位がYamaha 11.3%、第4位がKawasaki 12.8%、第5位がSuzuki 4.9% 第6位にBMW 3.7%と、第2位から第5位は日本のバイクとなっています!
Q5 日本では、バイクを購入する年齢層が少し下がっているというデータもあるんですが、アメリカではいかがでしょうか?
A4 アメリカでもバイク所有者は低年齢化してます。CDKグローバルが行った調査によりますと、2019年8月から2020年7月末までの1年間でミレニアム世代が購入したオフロードバイクを含むモーターバイクは、購入者全体の43%を占めています。その前の年までバイク購入者の平均年齢は40歳~55歳とやや高かったのですが、コロナの流行を受けて、自由に外を走り回れるバイク購入に若い世代が興味を示したと言えます。ハーレー・ダビッドソンなどは所有者のほとんどが40代以降と高齢化が進んでいるのを背景に、18歳から34歳といった若年層や女性をターゲットにセールス展開を2015年あたりから進めていて、こういった働きかけも、ミレニアム世代のバイク購入増加につながったのかもしれません。
●イタリア・ミラノ在住 / 奥村 裕嗣さん
Q1 イタリアにはたくさんのバイクメーカーがありますが、ここ最近のバイクの売り上げはどうなんでしょうか?
A1 イタリアの資料によりますと2013、2014年頃は経済低迷によりバイク売上も年間15万台程度に落ち込みましたが、その後の売り上げは伸びて2019年には年間25万台以上売れ、特に若者にはスクーターが売れているようです。
Q2 コロナ禍以降はどうなんでしょう?
A2 コロナ禍の影響があるかどうかは分かりませんが、昨年、2021年のコロナ時期は売れ行きが29万台で良かったようです。
Q3 イタリアで売れているバイクメーカーは?
A3 今年3月までの統計によると、売れているバイクの1位は、イタリア国内メーカーのBENELLI(ベネリ)、2位がBMW、3位にHONDAの「AFRICA TWIN」というモデル、4位にYAMAHAのTENERE(テネレ)というモデル、5位にイタリア国内メーカーのDUCATI(ドゥカティ)という感じで、日本製が上位に入っています。
Q4 バイクを購入する世代で一番多いのはどの世代なのでしょう?
A4 若者はじめ、30・40代くらいで購入する人が多いようです。高速料金も安いので通勤で使用している人もかなりいます。若い世代にとっても、気候の良い日は海や山に渋滞やパーキングをあまり気にせずに彼女を後ろに乗せて気軽に行けるのでバイク、スクーターは人気があります。また、大都市では乗り捨てできるシェアバイクもヘルメット付きで便利なので需要が多いようです。
