きょうは「福神漬の日」です。東京の食品メーカーが、福神漬の名前の由来である七福神にちなんで、しち・ふく・・・7月29日を「福神漬の日」に制定しました。福神漬といえば"カレーのおとも"としておなじみですよね。ただ、カレーと一口に言っても、地域によってさまざまなスタイルがあります。

そこで、この時間は「カレー事情」と題して、2つの国、2つの街の番組通信員の方に回線をつないで、おいしいお話を伺います。
●ドイツ・ベルリンにお住まいで、ライターやコーディーネーターとしてご活躍の河内 秀子さん
Q1 ドイツでカレーというと「カリーヴルスト」がメジャーですよね?
A1 そうですね。カリーヴルスト、カレーソーセージは伝統的には、皮なしのソーセージを切って、そこにケチャップをかけて、カレー粉をかけて作ります。辛くして!と頼めば、ソーセージの上にもカレー粉をかけて辛さマシマシにすることもできます。味はほとんどケチャップ味で、店によって甘め、スパイシーなど違いもあります。また、小型の丸パンか、フライドポテトを添えて食べます。ソーセージは皮ありも選べますし、店によっては炒め玉ねぎ、刻み生玉ねぎなどのトッピングも選べます。
Q2 ドイツの方は、いわゆる「カレーライス」は食べないのでしょうか?
A2 ドイツでカレーというと、インドカレーが一般的です。これまでは、リーズナブルな値段で野菜もいっぱい食べられるということで、学生向けのお店が多かったように思いますが、最近は、南インドのカレーなど、こだわりのある店もみられるようになってきて、豆の粉を使ったクレープのようなドーサが添えられたカレーなども見られるようになりました。
Q3 ここ最近、ベルリンに日本式のカレー屋さんができたそうですね?
A3 はい、これまでもストリートフードの屋台で、お祭りなどで見かけたり、和食レストランのサイドメニューではあったのですが、2019年、「Takenori」という日本カレーの専門店がオープンしました。日本風のカレー、日本風のドライカレー、あとトッピングとして、カツやコロッケ、唐揚げや温泉卵、チーズなんかが選べるスタイルになっているそうです。私は残念ながらまだ行ったことはないのですが、評判はいいようです。
Q4 「Takenori」の値段はいくらくらいなのでしょうか?
A4 チキンカツカレーが9.90ユーロくらい(1400円くらい?)比較対象としては軽食として人気のカレーソーセージ(パン付き)が5ユーロ弱、 ケバブがいま6ユーロくらいなので、高くはないと思います。
Q5 日本式のカレー、ドイツで今後定着していきそうですか?
A5 トンカツ的なものはドイツにもありますし、いわゆる和食を期待している方は日本式のカレー?と首を傾げてしまうかもしれませんが、ボリュームたっぷり、人気が出そうな気がします。ドイツではタイカレーの人気も高まってきていますが、まだインドカレーの人気には迫ってきていません。日本のカレーがそれに続けるか?というところだと思います。
●インドネシア・ジャカルタ在住 ミュージシャン・タレント・俳優・MC・翻訳・通訳と幅広く活動されている加藤 ひろあきさん
Q1 様々な文化が交差するインドネシアでは、どういうレシピのカレーがポピュラーなんでしょうか?
A1 インドネシアのカレーといえば、日本でいうところのいわゆるスープカレー「グライ」ですね。鶏肉、牛肉、ヤギ肉がインドネシアではメインになります。具は、玉ねぎやじゃがいもにんじんなど、日本のカレーと似ているところがありますが、ルーが非常にさらさらしたスープで香辛料を多く使うことも特徴です。サラムリーフと呼ばれるハーブの一種や純胡椒、コリアンダー、ミカンの葉っぱを刻んだものやウコンなどが使われたりします。当然インドネシアの人は辛いものが大好きなので唐辛子は使われますし、それと同時にトマトなどもよく入っています。
Q2 インドネシアにも、インド風カレー、欧風カレーもあるのでしょうか?
A2 インド風カレーももちろんインドネシアで味わうことができます。様々なスパイスを使用するという点ではインドネシアの「グライ」と通じるところがあると思うので、インドネシア人の口にも合うかと思います。さらに、ジャカルタのことで言えばインドからインドネシアに来て働いている方も多いので、そういった方々をターゲットにしているお店も存在します。欧風カレーは出しているところもあるとは思いますが、決してその数は多くないですね。
Q3 ジャカルタに日本のカレー屋「CoCo壱番屋」が6店舗出店しているそうですが、評判はどうなんでしょうか?
A3 評価は上々です。ジャカルタのど真ん中に位置しているショッピングモール「グランドインドネシア」に入っているCoCo壱番屋は、オフィス街の中にあることも手伝って昼の時間帯、さらには若者たちが集まる夜の時間帯は常にウェイティングリストにずらっと名前が並ぶほどの混雑を見せています。パンデミックを経てテイクアウトにも力を入れており、イートインはもちろんお持ち帰りやデリバリーでも人気があります。
Q4 インドネシアのCoCo壱番屋のカレー、おおよそどのくらいの値段でしょうか?
A4 一番安いカレーメニューはスクランブルエッグカレー4万5千ルピア(約400円)→ KFCのチキン2つとライスとドリンクセットより安い一番高いカレーメニューはチキンカツとシーフードオムレツカレー11万4千ルピア(約1000円)→日本料理屋さんのサーモン丼と同じぐらい(インドネシア値段感で高いです)
Q5 今後も日本式カレー、インドネシアでも広がっていきそうですね?
A5 特にジャカルタには一度日本旅行をしたことがあるインドネシア人も多くいますし、1万人を超える日本人も住んでいますので、「久しぶりに日本のカレーが食べたい!」というニーズにもしっかりと応えているかと思います。僕自身もたまに行って食べていますが、カレーで辛さの選択ができてインドネシア人のお客さんを見ているとかなり辛さのレベルを上げて注文しているのを見かけます。僕はレベル1で十分なのですが、レベル4とか5で頼む人を結構見るので、インドネシアの方は本当に辛いのが好きなんだと実感しますね(笑)