さて、おととい4月20日は「郵政記念日」でした。昭和9年、逓信省の時代に、郵便や電話などの通信事業の特別会計が創設されたことを記念して制定されたんだそうです。ちなみに、日本の郵政は2007年に民営化。2012年の組織再編を経て、現在は4つ会社によって、郵便事業や銀行業、生命保険業を運営しています。さて、そんな郵便・郵政事情、海外ではどうなっているのでしょうか?2つの国を結んでチェックします。

●アラブ首長国連邦・ドバイ在住 金子 家暢さん

Q1 今回のテーマ「郵政事情」ですが、そもそもUAEには住所がないと聞いたのですが、本当ですか?!

A1 本当です。割と前から住所システムを構築しようとする動きが見られますが、まだ普及には至っていないようです。(ドバイの国民の起源である民族が遊牧民だったため定住するという習慣がなかったことが由来の1つ)

Q2 ドバイの都市部など、高層マンション林立のイメージがあるのですが、郵便受けはないのですか?

A2 郵便物の場合は私書箱を利用することが多いです。なので、基本的にこちらの方に住所を聞くとP.O.Box 1234 Dubai, UAEのような、慣れてないと割と謎な住所が返ってくることが多いです。

Q3 いわゆる住所が私書箱の番号になっているんですね!ちなみに、私書箱に郵便物が届いたことはどうやって知るのでしょうか?

A3 私書箱に登録された電話番号宛にSMSが届きます。ちなみに私書箱でなくても例えば日本からこちらに郵便物を送った場合は、宛先に書いてある電話番号にSMSが届くので便利です。

Q4 郵便からは話がそれますが、デリバリーの場合はどうされているのでしょうか?

A4 その場合はエリア名、通りの名前、家・アパートの部屋番号、周辺のランドマークを伝えます。ここで不便なのは、大体の場合は所在地確認のため電話がかかってくることが多いです。

Q5 ドバイの郵便局のサービスで日本と違う部分はありますか?

A5 ドバイと日本の郵便事情を比較しますと、正直申し上げて日本の郵便事情は素晴らしいといえます。ドバイは基本的にインフラはしっかりしており、生活に困ることはあまりありません。ただし郵便事情に関しては正直改善点が目立ちます。例えばUAEは東西の端から端までおよそ300km(僻地を除いて)ですが、国内で何かを送るにしても3~4日かかることがあります。また、配達時間指定も細かく設定できないほか、指定の時間内に届かないことが多いです。極め付けは配達前に電話がかかってくることが多く、それに対応しなければならないことです。今申し上げたことは日本では起こり得ないことですよね?こういった点はおそらく住所のシステムがないことも一因でしょうが、今後の改善に期待したいです。

●インド・ムンバイ / ハリー・チェンさんです。

Q1 人口が14億人ほどというインド、郵便サービスはすべてのエリアを網羅しているのでしょうか?

A1 インドは世界最大の郵便局網と知られています。世界最高峰のヒマラヤの4440メートルに位置する郵便局もあります。インドの郵政は167年前(1855年)に設立、現在も国営です。様々な複合的なサービスを提供する郵便局はなんと15万拠点以上も。その15万拠点以外にも一部サービスを提供する郵便局があり、60万の町に存在する。(インドは63万の町があるといわれている)平均1つの郵便局で8000人ほど、平均20キロ圏をカバーしている。参考データ:日本の郵便局の数「23,726か所」

(簡易郵便局含む・2022331日時点)

Q2 平均でも20キロ圏内に1軒だと、やはり最寄りの郵便局が遠いというエリアも多そうですね。例えば「郵便物が届かない」、「別の人に届いた」、というようなことは頻繁に起こったりするのでしょうか?

A2 よくあります。届くが数ヶ月後も。一生届かないのも。最近は郵便局以外の民間配送業者が目立ってる。

Q3 ちなみに、あってはならないことですが、日本でも時々、郵便局員の方が故意に郵便物を捨ててしまった、というような事件があったりしますが、インドではそういった問題、トラブルはありますか?

A3 今わかりませんが、以前半分の従業員が仕事に来なかったこともあるとか。ストライキだったと思うのですが。

Q4 そして、インドの郵便局では、最近、銀行業をスタートさせたそうですね?銀行業務にまつわる端末を日本の企業が手がけているとか。

A4 必要なのでインフラが整えば全国に広がって行くと思う。