「北京冬季オリンピック」、きょうが15日目、残すところ、あと3日となります。きょうは、スピードスケート男子1000メートル、フリースタイルスキー男子のスキークロス、カーリング女子で日本選手の活躍が期待されます。ちなみに、現時点でのメダルランキングですが、1位がノルウェー、2位がドイツ、3位がアメリカ、日本は12位となっています。さて、今週もこの時間は、2つの国をつないで、「北京オリンピック」の盛り上がりをはじめ、各国の注目競技や選手についてもチェックしましょう。

●スウェーデン・マルメ在住 / 丹呉 由紀子さん
Q1 北京オリンピックも終盤ですが、スウェーデンでの盛り上がりは、いかがでしたか?
A1 一時、スウェーデンがメダルランキング1位となったりと、駆け出しは良かったですよね。選手のご家族が実際に見に行けない状況ですので、ニュースでは、ご家族が自宅から旗を持って応援し、盛り上がっている様子などが放映されています。
Q2 現在、メダルランキング4位のスウェーデンですが、この成績はスウェーデンとしてはどうなんでしょうか?
A2 2018年の冬季オリンピックでは、メダルを14個獲得し、メダルランキング6位だったようなので、現在メダル15個獲得、ランキング4位という成績は、例年よりも少し良いですね。
Q3 これまでの競技で話題になったスウェーデンの選手(チーム)といえば?
A3 スピードスケートのニルス・ファンデルプール25歳、スピードスケート男子5000メートルに続いて、1万メートルも金メダルを取得し、今大会2冠しました。ファンデルプールは、ユニークなトレーニングをしていることでも話題になっています。自身のトレーニング日記を公開し、一日6,7時間のトレーニングは、スケートよりもサイクリングやジョギング、食事制限はあまりせず、エネルギーを得るために生クリームを飲んだり、普通の25歳が飲むくらいのアルコール量、時には、8杯のビールを飲んだりすることもあるようです。日記の中で、トレーニングには、モーティベーションを得ることが一番大事と書いています。
Q4 残り3日ですが、残りの競技で注目のスウェーデン選手(チーム)は?
A4 あした(日本時間ではきょう)のアイスホッケー男子準決勝ROC対スウェーデンは気になります。また、バイアスロン女子12、5キロでは、女子24キロリレーでも活躍したエルビラ・エーベリに期待できそうです。それから、カーリング男子決勝と女子準決勝が、両者共イギリス相手に行われます。メダルランキングもますます期待できそうです。カーリング女子は決勝で日本とお会いできたら嬉しいですね!
●イタリア・ミラノ在住 / 田中 美貴さん
Q1 北京オリンピック、イタリアでは盛り上がっているのでしょうか?
A1 実は前半は、イタリアではサンレモ音楽祭というものをやっており、国民の心はそちらに行ってしまっていました。 これはイタリアのグラミー賞というか、紅白歌合戦とレコード大賞が一緒になったような感じの音楽祭で、5日間にも渡って行われるので、連日国中がそれで盛り上がっており、北京オリンピックの話題はこちらに押され気味でした。でもサンレモ音楽祭が終わった後は、イタリア勢は結構メダルを取っていることもあり少しずつ盛り上がってきました。 とはいえ、そもそもイタリア人は日本人ほどオリンピックに興味はないので、冬季の場合は特にテレビ放映の時間も短く、一般の人はニュースでチェックする程度かと思われます。また、やはりワリエワ選手のドーピングの問題、ウクライナ選手団のことなど、社会的ニュースがらみの話題は大きく取り上げられていました。
Q2 これまでの競技で話題となっている選手(チーム)は?
A2 イタリアはカーリングの混合ダブルスが初の金メダルを取り、今まであまり注目されていなかった競技だけに興味を持った人が一気に増え、ちょっとした流行になっていました。往年の有名女優、ジーナ・ロロブリジーダの親戚でもあるフランチェスカ・ロロブリジーダ選手は注目選手ですが、彼女がスピードスケートで銀をとったのも話題でした。あとはスキーのソフィア・ゴッジャ選手は期待の高いスター選手ですが、大会3週間前にケガをしたためそこからの復活劇があるかと注目されており、 最終的にはダウンヒル銀メダルという偉業で大きな話題になりました。そしてきのう、アリアンナ・フォンターナがショートトラック女子1500mで銀メダルを取り、彼女は通算計11メダル獲得そイタリア史上最多数メダル保持者となりました。
Q3 メダルランキングは日本のワンランク下の13位ですね。残り3日、これからイタリアが出場する注目の競技はありますか?
A3 カーリング、バイアスロン、ボブスレーなどでしょうか。イタリアは今、フィギュアスケートのスターがいないので、後半は盛り上がりに欠けるかもしれません。
※フィギュアはきょう「ペア・ショート」、あす「ペア・フリー」
Q4 次回、2026年の冬季オリンピックの開催地がミラノとコルティナの共催に決まっていますが、ミラノでは4年後に向けての盛り上がりはあるのでしょうか?
A4 ミラノとコルティーナは400キロほどの距離があり、車で4時間以上かかります。ですので、コルティーナは山岳部で雪の多い地域ですが、ミラノは平野部なので、あまり雪は降りません。そのためミラノで行われる競技はアイススケートなどの氷系、コルティーナではスキーなどの雪系になります。環境に配慮したオリンピックを掲げているので、人工的な施設をなるべく建設しないという意向もあるようです。それにより、競技によってかなり離れた会場でやることになるため、選手の中にはオリンピックらしい雰囲気に欠けることを残念がるコメントもありました。
Q5 すでに、2026年に向けて建設が始まっているとか?
A5 ミラノではオリンピックを意識した商業施設やホテルなどの建築が少しずつ進んでおり、新設されるサンタジュリアというアイススケート場の近くに巨大フードコートができるのを始め、市内ではすでに数軒の複合施設も建設中です。また選手村になるゾーンはまだまだ形にはなっていないようですが、建設および整備計画はかなり大々的に発表されています。街の中心を横切りリナーテ空港までつながる、市民待望の地下鉄M4線も2015年のエキスポを目標にしていた割にはまだできていませんが、これもオリンピックには間に合ってほしいと思います。