師走も後半、今年1年を振り返る時期ですね。1日に自由国民社が発表した「ユーキャン新語・流行語大賞」では、「リアル二刀流/ショータイム」が大賞を受賞。毎年、世代間などでの評価のズレも話題になります。そこで、この時間は2つの国をつなぎ、今年、2021年に流行ったモノ・ことを伺います。

●中国・北京在住 / 斎藤 淳子さん

Q1 中国で、今年流行った「商品」というと?

A1 焙煎コーヒーですね。一杯ずつ手作業のドリップで淹れたコーヒーを中国語では(手で注いだコーヒーの意味で)「手冲咖啡ショウチョン カーフェー」と言い、贅沢で凝った本格的コーヒーと位置付けられて流行っています。ちなみに中国の珈琲の値段は中国のその他の物と比べても、同じチェーン店の同じ商品を国際的に比べても高いです。一杯500円は当たり前で、チェーン店でも600円や700円するものも珍しくありません。 ただ、量は日本のより多い。日本のカップは世界的に見てもかなり小さいですね

Q2 そのほかに流行った「商品」はありますか?

A2 日本のガチャガチャのアイディアから派生した「盲箱(ブラインドボックス)」。キャラクターをセットで揃えたり、小物を揃えたりするのを楽しむ大人向けのおもちゃ。開けてみるまで中に何が入っているか分からないのが、逆にワクワクして楽しいらしい。専門店まである。

Q3 中国で流行った「サービス」はありますか?

A3 アウトドアキャンピングです。車でキャンプ場に行き、BBQやキャンプファイヤー、焙煎コーヒーなどを作って一晩楽しんで帰るというのが一般的ですね。本格的なワイルドなキャンピングをする人も出てきていますが、こちらはまだ一般的ではないですね。贅沢なグッズや食材などを投入したグランピングも流行っています。近頃のネット漬け生活から離れて大自然でゆっくりしたいという人も増えているのかもしれません。北京などの大都会は本当にコンクリートジャングルなんです。ほとんど土の上を歩くことは不可能です。IT企業なども多いですから、そういう環境で生活している人が大自然で森林浴をしたいと思うのはある意味、分かる気がしますね。

Q4 エンタメ関連ですといかがですか??

A4 お笑い系「トークショー」(と中国語でいうのですが、実際は欧米でいうスタンドアップコメディ―のこと)やコント劇、伝統的な漫才などを扱ったTVやネット番組はこの数年流行っています。トークショーの番組は私も好きで見ていますが、名門北京大卒から欧米帰国の英語ペラペラな若者、出稼ぎで大都市で苦労している人などいろんな人材がいて面白いです。勝ち抜き戦で10回の番組で50人から1位を選ぶので、上位に入った人は5本位収録中に作品を作ることになるなど、任務は重く競争も激しいです。

●インド・ムンバイ / ハリー・チェンさん

Q1 インドにも今年の「流行ワード」みたいなものはあるのでしょうか?

A1 最近はグーグル検索、Twitterでのキーワードを、インドでは年を振り返る時によく参考にされております。コロナの第二波で本当に大変だった時に「酸素シリンダー」などが今年は上位に入りました。酸素が無い、病院でベッドが無い数週間、本当に大変でした。

Q2 そのほかにキーワードはありますか?

A2 上位には「コロナワクチン」「(飲食)テイクアウト」などコロナ関連のキーワードもありましたが、「東京オリンピック」「IPL(インドクリケット)」もありました。

Q3 「インドクリケット」はもともと国民的スポーツですよね?なぜ今年、上位にランキングされたんですか?

A3 分からない(笑)インド分からないことだらけです。

Q4 そのほかにはありますか?

A4 家で料理をスタートした方も多かったインドですが、なぜかインドで「えのきマッシュルーム」が最上位のキーワードになりました。

Q5 えのきマッシュルームですか!?コロナで食の世界での変化もいろいろあったようですね?

A5 様々な世界の料理の宅配オーダーも増えました。我々の寿司宅配事業Sushi and Moreも売上が倍になりました。今年はインドで日本の代表的な醤油キッコーマンの現地普及が本格的にスタート。万能調味料として醤油が寿司だけでは無く、中華、アジアン料理、インド料理、デザートにも使われ始めております。美味しい食事は万国共通であり、毎日の幸せに欠かせないと思っておりますが、日本の食文化に欠かせない醤油がインドでもスタートしたことは面白いと思いました。

Q6 そのほかインドでブームとなったことはありますか?

A6 ベビーブームです!今年1月、なんと6万人の赤ちゃんが1日で生まれました。そして、年間2600万人の赤ちゃんが生まれております(日本は年間84万人)