今週月曜、11月22日は「いい夫婦の日」でした。先日、明治安田生命保険が実施したアンケートによると、2019年10月以降に結婚した新婚夫婦の58.8%が結婚式を挙げていないことが分かりました。

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また、結婚情報誌「ゼクシィ」を制作するリクルートの調査によると、2020年度の挙式や披露宴にかけた総額費用の全国平均は、前年度にくらべ、およそ70万円減って、1組292万3千円。全国調査が始まった2005年度以来、最低となったそうです。新型コロナウイルスの影響で、結婚式を実施しない、もしくは実施しても、規模を縮小している、ということですね。そこで、この時間は世界の「最新・結婚式事情」と題して、2つの国の最新事情を伺います。

●アルゼンチン・ブエノスアイレス在住 / 竹内まいて さん

Q1 まずは、アルゼンチンならではの結婚式の風習についておしえてください。

A1 最もスタンダードの結婚式は、まず市役所に行って届け出をするんですが、これが日本で言う式になります。家族や友人が来てその場でお祝いをした後、教会に行って、そこでの式が終わると、場所を変えてパーティーとなり、大体、夜8時か9時くらいに始まって、翌朝まで続きます。始まりの時間は決まっていますが、終わりの時間は決まっていないので、それからは出入りが自由で、一応招待客がほとんでですが、招待されていなくても参加は自由な場合が多く、パーティーに知らない人が混ざってる場合が結構あります。日本の披露宴は2時間くらいだと思いますが、それをここの人に言うと、こんなにおめでたいことを、どうしてそんなに短い時間で終わらせるのか、そっちの方が理解できない、とよく言われます。

Q2 自由ですね~。ちなみに、ご祝儀はどうなっていますか?受付の方が朝までずっと立ってる、なんてことはないですよね?!

A2 ご祝儀はお金ではなく、プレゼントを渡す人の方が多いようで、パーティーに持ってくる人もいれば、後日渡す人もいて、その辺はとてもアバウトですね。

Q3 従来とは違った、新しいスタイルの結婚式は増えていたりしますか?

A3 スタイルにあまり変化はありませんが、簡単にすませる方が多くなりました。時間を短くするより、例えば、大きなパーティー会場を借りるのではなく、家でやったり、マンションに備え付けの会議室を借りたり、と場所にお金をかけないようにするとか、お料理をケータリングを頼まず自分たちで用意したり、持ち寄りにしたり、一度に大勢の人を招待するのではなく、身内と友人に分けて少人数でしたりと時間より費用の節約ですね!私はまだ数回しか結婚式に出席した事がないのですが、もちろん、ちょう豪華な結婚式もありますが、その殆どがアットホームで、一晩中行うホームパーティーのようなものでした。

Q4 コロナ禍での変化というのはあるのでしょうか?

A4 目立った変化はないようです。アルゼンチンは、コロナ禍の自粛期間がとても長く、人々の集まりが禁止されていたので、表向きにはパーティー禁止でしたが、隠れてしてる人もいたはずです。今年の10月に、ようやく全ての規制が解除されて、今、現在アルゼンチンは結婚式ラッシュで、1ヶ月で1500組の届出があり、毎日、市役所は届け出をする人の長い列ができています。去年のコロナ禍の時は1ヶ月平均80組の届け出が、今は1ヶ月で1500組なので、カップルはいかにこの時を待っていたかが分かりますよね。

●中国・北京在住 / 斎藤 淳子さん

Q1 中国の結婚式というと、超豪華なイメージがありますが・・・

A1 元々伝統的な中国の結婚式は、家と家の面子に関わる一大事なため、規模はすごく大きいです。「中国では大きなことは良いこと、Big is beautiful」という文化ですからなおさらです。中国では結婚式の規模を表す単位はテーブル数で表します。都市部では10人1テーブルで「私の時は30卓だった」、「50卓だった」という感じです。つまり、300人、500人を招待したと言う意味です。農村でも数百人単位で盛大な結婚式を行うのが普通のようです。例えば、小鹿のいるメルヘンチックな森の舞台セットの中を3,4メートルの長い裾を引きずる真っ白な花嫁衣裳で登場する夢物語風の演出の式も人気です。日本のバブル期に流行ったように、無邪気に派手さを求める感じですね。

Q2 ご祝儀についてはいかがですか?

A2 だいたい1〜2万円が通常で、仲の良さによって5万円とか。都市部では日本よりも高い感じがします。100元紙幣で100枚をご祝儀にする方も。日本円にして17万円。すごいですよね。

Q3 そういった豪華な結婚式にも変化があるそうですね?

A3 政府は華美な結婚式を禁止しています。今年9月に、ある地方政府の出した規制では「結婚式のテーブル数は30卓を超えないこと」というものも見かけました。つまり300人以下にしなさい、という規制ですから、普段、如何に巨大な結婚式が行われているか、逆にこの数字からも分かると思います。巨大パーティーが伝統的スタイルなら、北京や上海などの大都市のこなれたカップルの間では、家の面子よりも、夫婦当事者の二人を軸としたパーティーが人気です。屋外のガーデンパーティやオシャレなレストランで30人前後のこじんまりした規模で行うパーティーも最近は人気があるようです。

Q4 コロナ禍による影響はありますか?

A4 北京では8月後半から10月後半まではゼロが、10月後半以降も1人とか2人とかに抑えられています。日本の感覚では「やったー」という感じですが、北京は中国の中でも最も厳しいので、日に日にピリピリして、厳しくなってきています。こんな感じのため、北京では、今は結婚式もできません。今年、北京では冬場にかけてはオリンピックも近づきますし、コロナも夏より増える傾向が予想されますから、多分、今後も無理でしょうね。こうした状況を受けて、周りでも予定していた結婚式が2回も延期されたままという方もいます。

Q5 そうなると、結婚されるみなさんはどうされているのでしょうか?

A5 中国の結婚式といえば、式とは別に事前に記念に撮っておく変身写真が付きものです。コロナ下では、取りあえず、写真だけは撮ろうというカップルも多いと思います。日本の結婚写真との違いは、まるでスターに成り切って幾つもの派手な衣装で撮る点です。別人の如く変身できてしまう、ということから中国に住む日本人が付けた通称が「変身写真」です。20年以上前から中国ではこの変身写真はとても盛んです。私も撮りましたが、お勧めです。中国で結婚する場合、これはマストです。