秋は、運動会や体育祭、文化祭、遠足、修学旅行など、学校行事が多い季節です。

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平成以降、運動会や体育祭を春に行う学校も増えていましたが、新型コロナの影響で、春から秋に延期になった、というケースもあるようです。ところで、海外の学校行事はどのようなものがあるのでしょうか?そもそも修学旅行とかあるのでしょうか?そこで今朝は「学校行事事情」と題して、海外の状況を伺います。

●ハワイ在住 / 内田 佐知子さん

Q1 ハワイで一番大きな学校行事はなんでしょうか?

A1 5月1日に行われるレイデイのイベントです。5月1日はメイデイですが、ハワイではレイデイといって、さまざまなお祝いとか感謝や愛情の気持ちを贈るお花のレイの文化を讃える日です。この日は、子供たちがレイを作ったり、フラを踊ったり、さまざまなイベントが行われるビッグイベントです。(親がみんな見に行けるけど、去年はキャンセル、オンラインでビデオでの中継)また、オバマ元大統領も通っていた名門校プナホウスクールでは、2月にプナホウカーニバルもあります。いわゆる学園祭です。アメリカの学校は基本、日本のような学園祭、文化祭がないのですが、プナホウでは、学園祭のようなイベントがあり、これがかなりのビッグイベントで、移動遊園地もキャンパスにやってきます。でも開催時期が秋ではなく2月。昨年はパンデミックの影響で、実質的にカーニバルはなかったけど、いつもプナホウカーニバルで買える名物マラサダなどといった食べ物をオンラインでオーダーしてピックアップできたり、自主的にゲームを少人数でやったりと、それぞれが工夫してそのスピリットをお祝いしていました。

Q2 そのほかハワイでは、学校行事というよりも実際は学校単位を超えて児童/生徒がでキャンプに参加することもありますよね。(夏は日本の春休み同様、学年間の休みです)

A2 夏休みの行事としてサマーキャンプがあります。ノースショアにあるYMCAのキャンプに参加したり、ベローズなど海にあるキャンプ場を借りて1~2泊するキャンプしますが親も同伴の時があります。キャンプが好きな親は、ボーイスカウトとかガールスカウトに子供を入れたりします。

Q3 日帰りの遠足のようなものもありますよね?(フィールド・トリップって呼んでますよね。)

A3 遠足では、ハワイ独自の文化を学ぶ場所にいくことが多いです。例えば、タロというハワイの人たちにとって神聖なサトイモ系の植物があるんですが、その畑(タロパッチ)に行ったり、ハワイの食文化を学ぶためにフィッシュポンド(養殖池)に行ったり、スターナビゲーションで世界を航海するホクレア号の見学、カルーアピッグを実際に作ってルアウをやる体験などのハワイアンスタディです。でもたまに、歯医者さんの親御さんがいたらその職場見学とか、消防署や美術館に行くとかもあって、やはり何かを学ぶためにいく、体験型の遠足が多いです。

Q4 修学旅行はあるのでしょうか?

A4 修学旅行というのは特に公立の学校だと基本的にありません。私立の学校の場合は、積み立てをしておいて、子供たちと先生だけでハワイ島とか他の島にいく旅行とかはあります。(こういった旅行もコロナの影響で開催されていません)

Q5 そのほか、学校関連のイベントはありますか?

A5 秋はアメリカではフットボールのシーズンなので、N C A A大学リーグという、カレッジフットボールの大きなトーナメント試合が行われることで有名です。ハワイにはプロチームがないので、ハワイ大学のフットボールの試合を見るのをみんな楽しみにしています。9月から開催されるのですが、10月23日にホームカミングゲームとして、ハワイ大学とニューメキシコ大学の試合があります。ちなみにハワイ大学のフットボールチームは、レインボーウォリアーズ(Rainbow Warriors)と言います。

今まで、パンデミックの影響で全ての試合を無観客で開催していましたが、10月23日のビッグゲームに合わせて規制が緩和され、屋外でのイベントはちょうど昨日から1000人まで入場OKになりました。ちなみに、フットボール会場、屋内のイベントでも、入場者は全員ワクチンを受けていることが必要です。会場では、食事の販売はなし、お水のみです。

●中国・北京 在住 / 斎藤 淳子さん

Q1 運動会や体育祭は、中国でも春か秋に開催されると聞いていますが、日本と違うと感じる部分はありますか??

A1 伝統的に中国の小中の公立学校の運動会で最も重視されるメインイベントはクラスごとの入場行進です。クラスごとに特色を出すために、ネット通販で1000円以下で安く手に入る衣装や小物をクラス全員で購入して飾って入場するケースも多いです。 4,5年前までは、ちょっとした仮装行列のような時もあったのですが、最近は浪費・華美禁止や中国伝統ばんざいの風が流れているので、お祭りっぽい演出は無くなりました。

Q2 では競技について、日本との違いはありますか?

A2 驚いたのは、34年前までは運動会といっても全員が参加するわけではなく、スポーツマンの生徒だけがクラス代表でリレーや走り幅跳びなどに出るだけのエリート選抜型の開催です。入場行進以外は応援だけ、という子がクラスの半分位います。ただ、最近は皆が楽しめる運動会にすべきだ、ということで、集団でできる楽しい競技が増えていて、全員が参加するカタチに移行してきています。また、特色としては、日本のように練習はほとんどしない点です。さまざまな競技も運動会で初めてやる、ということも多いです。運動会は丸一日ではなく、大抵半日で終わります。先生も生徒も運動会を日本ほど重視していません。

Q3 遠足や修学旅行はあるのでしょうか?

A3 遠足はありますが、日本のように全員が参加する修学旅行は中国の公立の小中ではありません。高校生では一部で、希望者対象のものはあります。遠足は中国語では「春遊 チュンヨウ」ということばが充てられているように春が多いですが、秋に行く場合も有ります。ただ、突然、告知されて、数日後に実施されます。北京植物園とか、北京動物園とか郊外の香山などが良く有る遠足先です。

Q4 そのほか、中国ならではの学校行事はありますか?

A4 中国の学生イベントでは年末や春節前に忘年会を兼ねた学芸会のようなものがあり、おそらく、行事としては最大です。そこでは、舞台に上って歌を歌ったり、詩を読んだり、クラブ活動の武術やダンスを披露したりします。クラス単位、クラブ単位、個人と色々特技を披露します。この会は、主に学校の実績を校外に示す宣伝的な役割もあるので、出来栄えにはこだわります。衣装を揃えたり、派手な舞台にしたり、司会者もコテコテの完璧さで登場します。この時はリハーサルもやります。

Q5 ちなみに、コロナ禍で学校行事に制限などはあるのでしょうか?

A5 昨年10月以降は、感染者はゼロか一桁なので、学校行事を含めて正常化されています。