本日9月3日は「ベッドの日」なんだそうです。「9と3」で「ぐっすり」という語呂合わせで、日本ベッド工業会が、良質なベッド・マットレスから生まれる豊かな眠りをひとりでも多くの方に体験していただくため、制定したのだとか。

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そこで、この時間は「世界の寝具事情」と題して、2つの国の事情を伺います。

●アメリカ・ニューヨーク在住 / 中村英雄さん

Q1 きょうのテーマ「寝具事情」ですが、当然ベッド文化ですから、ベッド業界の規模も大きいですよね?

A1 ざっとみるとアメリカのベッド産業市場は、およそ157億ドル。ベッド関連企業は、12300件以上。ベッド産業従事者総数は、7万5千人以上、という規模です。この産業全体の景気は、右肩上がりで2021年時点の収益成長率は5.7%。2030年には市場規模が225億ドルを超えるとの予測もあります。成長の理由のひとつは住宅インフラ建設の堅調な伸び。もうひとつは、近年のアメリカの観光産業の急伸、つまりホテル建設、にあるといわれています。

Q2 そんな中、ベッドやマットレスの通販が活況のようですね?

A2 重くて大きくてしかも500ドルから高いものでは5,000ドル以上はする高額な耐久消費財であるベッドは、従来、専門店のショールームに足を運んで、質感を体で味わってから購入するタイプの商品でした。ところが、(コロナ禍以前の)数年前から、ベッドをネット注文で買う人が急増しいて、いまやユーザーの半数近くがオンラインで注文して、自宅まで配送してもらう方法を選んでいます。ネットベットショップの総数は全米で200社以上あるそうです。

Q3 マットレスの機能の進化もすごいとか?

A3 現在、マットレスには、スプリング型、形状記憶(メモリー)フォーム型、そしてラテックス型の3方式があります。ネットベッド屋さんで圧倒的人気の商品は、メモリーフォーム型なんですメモリーフォーム型は、スプリング型とは違いクルクルとコンパクトに丸められて箱に詰められるので配送する側にとっても非常に便利です。そのため、このタイプのベッド購入を通称Bed in Boxと呼びます。メモリーフォームは、体型や体重に合わせてマットレスが形をかえてくれるしカスタマイズもできるため、最近の人にはとても人気があります。こうした新型マットレスの人気が後押しとなり、配送の利便性もあいまってネットベットショップが隆盛してきたわけです。

Q4 配送の利便性が高いのは大きいですね!

A4 自宅の近所にたまたま従来型のベッドのショールームがあるので店員さんに聞いてみたのですが、「ネットベッドの台頭はすさまじい」と。ただし、ネットでは、試し寝ができない、そこで実店舗では、4ヶ月の保証期間をもうけて、もし使用感がしっくりいかなかったらどんなベッドとでも交換する、というサービスを設けているそうです。店員さん曰く「ベッド購入は車を買うのと同じ。ベッドの良い悪いは、寝る人が寝てみて決める個人的なものだから、実際にお店に来て欲しいし、実際に使ってみて自分に合うものを見つけて欲しい。そのために私たち実店舗では、さらにきめ細やかなサービスをこころがける」とのことでした。

●韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん

Q1 まず、韓国の新型コロナの状況、いかがですか?

A1 デルタ型変異ウイルスや1回目のワクチン接種率がまだ半分くらいなので(2回目まで完了した人は30%も及ばない)まだまだ続きそうです。

Q2 きょうのテーマ「寝具事情」ですが、いま韓国のおしゃれなベッドルームのインテリアが日本の女性を中心に人気となっているようですが、韓国国内でブームとなったきっかけは?

A2 以前より一人暮らしが増え、特に若い女性や学生の1人暮らしが多くなった影響もあります。また、インスタやSNS、YouTubeでどうしても自宅の内部が写ることも多いので、インテリアに拘る人もかなり増えました。最近は一人暮らしをしている人の家を紹介する個人YouTubeチャンネルも人気ですが、1人暮らしに欠かせないインテリア情報を共有して好評を受けてます。また、口コミが広がってSNSで拡散する商品も多いです。例えば、赤ちゃん用の布団セットや季節に合わせた素材と色が様々であるのも人気の秘訣です。しかも、日本に比べると値段が本当に安いので手軽に購入できます。

Q3 おしゃれな韓国のベッドルームのインテリア、ポイントはどういうところでしょうか?

A3 日本の布団はモノクロ系かトーンダウンしたものが多いですが、韓国は華やかで色彩感があふれるものや柄も様々であり、布団セットや枕を変えるだけで気分転換になったりもします。ベッドのヘッドやフレームの色を変えたり布団とカラーを合わせたり、部屋のある部分だけをペンキ塗りして、全体的なカラーで季節感を出したりするのもコツなのでカラーでコンセプトを決めてインテリアのポイントで活用することも多いです。

Q4 マットレスや枕、掛布団などのベッドリネンの機能的な部分では、どういうものが人気なのでしょうか?

A4 とにかく冬は暖かくて軽く、電気マットを使えるもの(ラテックスは火事の恐れがあるのでNG)、夏は冷たく感じるレーヨンとかが人気です。それから、一人や二人暮らしだと、ベッドがオプション付きの部屋を借りることも多いのでベッドの上に、さらにふんわりとしたマットレスを重ねて引くパターンも多いです。簡単に丸めて保管できるものは引越しのときも便利だし、普段はベットの上に重ねてふんわり厚く使い、友達が来たりするときにはゲスト用でも使えるので若い人や家が狭い場合は最高です。あと、洗濯機ですぐに洗えて乾くものが一番です。あまりにも高級すぎるものは維持管理も大変なので、日常で使いやすいものが人気です。

Q5 寝具を購入するスタイルはネット通販が増えていますか?

A5 オンラインで注文するとほぼ翌日に届くので    ネットで購入することが多いですが、布団専門の市場に行って、直接目で見て買う場合もあります。特に結婚が決まったら、ご両親や家族に布団セットをプレゼントする文化があるので、そういう場合はちゃんとしたシルクやグースなど高級ものを専門店やデパートで選んだりします。