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アメリカの今年5月の住宅価格は前の年の同じ月とくらべて24%上昇。これはリーマンショック前の水準を既に大きく上回る上昇率です。こうした背景には、コロナ禍による金融緩和や、供給が追い付かないことによる木材価格、人件費の上昇などの背景もあるようです。

また、住宅価格の高騰はアメリカのみならず、日本を含む、ほかの国々でも起こっているそうです。

そこで、この時間は「コロナ禍の住宅購入事情」と題して、住宅価格高騰が顕著な、2つの国の状況をチェックします。

●ニュージーランド・クライストチャーチ、晝間 尚子さん

Q1 まずは、ニュージーランドの新型コロナの状況を教えてください

A1 ニュージーランドは国境でコロナをくいとめ全国で感染者ゼロ、マスクもしないで普通の生活が出来ている。コロナ前にニュージーランドから一時帰国した留学生も外国人労働者もいまだに入国できない。ワクチンは日本と同じ位の進み具合でもっと遅いかもしれない。確実に進んでいるが時間がかかっている。

Q2 きょうのテーマ「コロナ禍の住宅購入事情」ですが、ニュージーランドでも住宅価格が高騰しているそうですね?

A2 コロナ前からニュージーランドの家の値段はずっとすごい勢いで上がり続けていて、コロナでもその勢いは止まらない特に最大の都市オークランドでは小さい2LDKくらいのパッとしない家で1億円くらいする。オークランドは住宅価格が7年から9年で2倍になると言われている(知人のは家は7年で3倍以上になった)家の供給が追いつけない状況。資材不足、人材不足、家を建築するのに政府の書類プロセスに時間がかかりすぎるなど建築がスムーズにできない。

Q3 政府や中央銀行の対策はどうなっていますか?

A3 政府も住宅価格を抑えようと対策しているが、うまくいっていない。家の需要があるのに供給が追い付いていないから、政府が多くの家を建築して手頃な値段で国民に販売する計画を発表、今頃15000件は建築が終わっている予定だったのに、実際にはようやく1000件が建ったところ国境を閉めているから外国人が入ってこれなくて大工さんが不足しているし、家の材料の値段も上がっている。

Q4 ちなみに、住宅について、コロナ禍での変化はあるのでしょうか?

A4 テレワークが一気に広まって、家で一日中仕事するのにもっとスペースが必要になり、これまで3LDKが主流だったのが4LDK、5LDKなど大きい家が人気の傾向、トイレも家に2つある方が人気。大きな家の需要はコロナ前は限られた人にしかなかったが、コロナの影響で大きい家が人気に。ニュージーランドは人口密度が低いから大きい家は本当に大きく、広い庭に広い部屋でテレワークはやりやすい。またテレワークで地方都市からも仕事が出来るようになり、家が高すぎるエリアから安いエリアに引っ越す人も増えた。

●韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん

Q1 韓国でも住宅価格が高騰しているそうですね?

A1 韓国の人々はアパート(日本のマンション)を好むからアパート価格が高騰しています。韓国でアパートが一番人気がある理由は、住宅より取引が活発に行われるため、いつでも売り買いがしやすいからです。ソウルのアパート価格平均(30坪基準、約100平方メートル)は11億4千283万ウォンで、日本円で約1億1千万円程度です。特に江南(カンナム)のアパートは基本的に20~30億ウォンを越え、新築の高級マンションだと 1坪(3.3平方メートル)当り1億ウォン(1千万円)を超える所も多いです。(30坪だと3億円)かつては庶民のアパートは安かったですが、今は首都圏のアパートの平均売買価格も7億ウォン(7千万円)を超えています。

Q2 価格高騰の背景は?

A2 実際、韓国で不動産の核心と言えるアパート価格の上昇は、コロナ以前からありました。今の文政権になってから、不動産価格を人為的に引き下げるための各種規制があまりにも多くできて、その副作用が最も大きかったです。その影響は今でも続いています。雇用が集中しているソウル都心の地価が高騰し、全般的に住宅価格が上昇したほか、コロナで各種支援金を支給し、お金の価値が落ちたインフレの影響もあります。

Q3 政府の対策も、うまくいかなかったということですね?

A3 規制により、今は以前ほど不動産に投資する人が少なくなりましたが、3~4年前にアパートを買った人と買わなかった人の資産には、とんでもないギャップが生じました。また、親がお金持ちでない以上、今の20~30代はいくら一生懸命働いて給料をもらっても自分がほしい家を買えないので、最初から家を買うことをあきらめて株やコイン投資をしたり、安い田舎も移住する人もいます。

Q4 コロナ禍で、生活スタイルに変化はありますか?

A4 今、コロナが広がってテレワークが増え、ソウル近郊の広い家に引っ越す人もいますが、依然としてソウルを中心に仕事が集中しているので、ソウルのアパートの価格は下がらないだろうと予想する人が多いです。コロナ以前は核家族化されて小型マンションが人気でしたが、コロナにより自宅での滞在時間が長くなり、広いマンションや住宅を好む人が増えました。それに伴う家具購入やインテリア工事も活況を呈しています。

Q5 ちょっと話題は変わりますが、韓国ではオリンピック、盛り上がってますか?

A5 オリンピックが始まる前はコロナ変異株の感染が広がり非常に心配していたのですが、韓国の地上波3局が連日、ほぼ一日中中継をしているので多くの人がテレビでオリンピックを楽しんでます。韓国もコロナ変異株でソーシャルディスタンスが厳しく、ソウルは夜6時以降は2人以上会合できないので韓国選手の決勝は視聴率も20%を超えたりしてます。韓国の成績や順位と関係なく、無事で最後まで頑張ってほしいという応援の声が高く、特に今大会では水泳や男子アーチェリーなどでも若い高校生の新人選手が登場しているので世帯交代を感じてます。