今朝は、スウェーデンと中国・北京の通信員の方に回線をつないで、お話をうかがいます。

●スウェーデン・マルメ / 丹呉由紀子さん

Q1 スウェーデンでは新型コロナによる死者が1万人を超えました。改めて感染状況について教えてください。

A1 1日あたりの死亡者数やICU入院者数がピークだった一月前半に比べ、やや減少傾向にありますが、感染者数はまだまだ多い状況です。変異ウィルスへの警戒もありますし、油断はならない状況です。

Q2 ロックダウンをしないなど、ヨーロッパの中でも比較的ゆるい対策を選んできたスウェーデンですが、いま現在、国内での評価やムードはどうなっていますか?

A2 ルベーン首相自身も「高齢者を新型ウィルスから守ることに失敗した」と発言しています。それに対する評価は良くありません。ただ、最近、1月から9月末日までの「期限付きのパンデミック特別法」が可決され、政府がショッピングセンターや店舗などを強制的に閉鎖できるようになりました。今のところ、この特別法は行使されておりませんが、これまで規制の殆どが推奨であり強制ではなかったスウェーデンでは新たな動きと言えます。

Q3 特別措置法が成立したばかりの日本とも近い状況に感じますね。では、ワクチンの接種状況はいかがでしょうか?

A3 昨年12月27日から、介護施設入居者やそのスタッフに対して始まりました。また、コロナ治療最前線のスタッフや高齢者と同居する家族も優先され、接種が始まっています。

Q4 そのほか、スウェーデン国内のポジティブな話題はありますか?

A4 ・北欧内では一番大きな映画祭である、ヨーテボリ映画祭がオンラインで開催中です。11日間の間に70の映画を上映、オンラインバスが4000円程度。家のソファで世界中の最新映画が観られると映画ファンからはポジティブな反応だそう。世界各国で、イベントの開催には色々な工夫がされているかと思いますが、私自身、オンラインでできるヨガのコースを見つけたり、オンラインでできることの新たな発見が多くあると感じます。

●中国・北京 / 斎藤 淳子さん

Q1 北京では感染者数がかなり少ない中、先月、変異ウイルスによる市中感染が確認されたようですね。

A1 北京では春以降、基本的に新規患者数は1桁やゼロが続いています。昨年の6月に続いて、12月から1月にかけて第3波がきました。1月半ばには、初めて変異ウイルスが2件確認されて、一瞬、緊張しました。 後から感染者と分かった人が、当時は知らずに寄ったモールがあり、即閉鎖されました。我が家の近くのモールはその姉妹店だったのですが、なぜか?そちらも1週間閉鎖されてしまいました。その日に従業員約1400人全員がPCR検査をしたそうです。でも2月に入ってからは新規感染者はゼロに戻り落ち着いていて、会社出勤も会食も通常通りできます。ただ、1月以降は、後から追跡が可能にするために、入店時のチェック、これは前からあったのですが――、に加えて、タクシーに乗る時もQRコードのスキャンが義務化されました。かなり警戒を強めています。

Q2 中国では来週から春節(旧正月)が始まります。例年では、大規模な人の移動がありますが、今年はどうなりそうでしょうか?

A2 例年ですと40日間で延べ30億人が移動する「民族の大移動」の年末モードです。が、今年は政府は帰省を控える様に呼びかけています。具体的には、北京市から出る際も、北京市へ他の地域から入る際も、PCR陰性の証明書の取得が必要です。外地から北京に戻ったあと2週間は健康モニタリングと2回のPCR検査が義務付けられました。また、直近で感染者が出ている場所からは北京には帰って来られません。まるで国境管理のよう!すごく徹底しています。

Q3 徹底した対策は目を見張るものがありますね・・・ただ、中国国内でニセワクチンが出回っているという情報も目にしましたが・・・

A3 中国の報道では普通の生理食塩水を瓶と箱に入れたニセ商品の写真がありました。全く見た目では分かりません。犯人グループは、早くも9月から準備していたらしいのですが、この度警察が80人を捕まえ、ニセモノ3000本を押収したそうです。他にも、ニセのPCR検査もあるようです。都市を跨いだ移動にはPCR陰性証明が皆必要で、焦っている人も多いので、「30分で結果がでる」などとうたって儲けていたらしいです。新聞は「30分で結果はあり得ないから騙されないように」と、注意を呼びかけていました。

Q4 そのほか、北京でのポジティブな話題はありますか?

A4 北京では未だかつてなかった程、日本料理が流行っています。近所の和風居酒屋風のレストランも連日満員です。高級日本食の人気もものすごいです。コース限定で1人2万円弱の日本食の店も予約がいっぱいらしいです。中国のコロナ対策は強引で、飲食店は去年は1,2カ月丸々閉鎖されており、相当な痛手だったはずです。が、一方で短期決戦で今は通常に回復しています。「緩く長く」か、「厳しく短く」かの選択肢しかないのかも知れないですね。