今朝は、ロシアとタイの通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。

●ロシア・モスクワ / 柴田 顕さん

メモ:累計感染者3297,833人 死者: 59,628

Q1 ロシア国内の感染状況はいかがでしょう?

A1 ロシアも決して状況が改善しているとは言えません。1日の感染者数は中々減少に転じませんし、今でも2万3千人以上が感染しています。モスクワだけでも5千人は数えられている状況ですね。死者数も500人前後を記録していますし、早く収まって欲しいですね。

Q2 先日、ロシアの新型コロナによる死亡者数が、実際は公式発表の3倍だったのではないか?というニュース記事がありましが・・・?

A2 事の発端となったゴリコヴァ副首相の発言を確認してみたところ、「2019年よりも全体の死者数が13.9%の増加を見せていることが分かったが、これは8割方(81%)COVID-19が要因となっているだろうと推測される」と、そう発言しています。要は割合ではなく確率の話をしているんです。日本の報道機関はこの部分を、増加した死者数13.9%(約23万人)のうち81%はコロナが原因で死亡したと解釈し、そこからの計算で18万人が本当の死者数だと報道しています。しかしこの23万人というのは去年の総死者数より23万人多いというだけの数字であり、この数字からコロナ原因の死者数を導き出すことはできません。このことから今回の報道は誤情報だったのではと考えている次第です。ただ、ゴリコヴァ氏は実際の死者数は5万ではなく7万人を超えているし、コロナ陽性ではあっても別の疾患(心臓病等)が原因でなくなっている方はコロナによる死亡者に数えられていないが、その数は4万人にもなる、とも発言しています。なので、政府発表の死者5万人という数字に疑問があると言うのは間違いないでしょう。

Q3 ワクチンの接種状況についてはいかがでしょうか?

A3 ワクチン接種はですが、接種状況は芳しくありません。現在でもロシア全土の接種数は80万人程で、これは全体の0.5%でしかなく、モスクワだけ見ても全体の0.8%程度にしか達していません。これは国民のほとんどがワクチンへ懐疑心を抱いており、医療関係者ですら敬遠してることを表しています。今後ロシア政府は国民のワクチン接種を進めるため、何かしら手を打ってくるとは思いますが、ワクチンの安全性に疑問視がされている現状を何とかしない限り、難しいのではと思います。

●タイ・バンコク / 木下 麻衣子さん

メモ:累計感染者9,636人 死者67

Q1 これまで感染者の抑え込みに成功していたタイですが、先月、大規模クラスターが発生したということで、改めて状況を教えていただけますでしょうか?

A1 バンコク隣県サムットサコーンの水産市場で約550人が陽性、その殆どがお隣ミャンマーからの出稼ぎ労働者との事で国境での検査体制がずさんだったのではと報じられています。この大規模クラスターから全国に飛び火する形で感染者が激増している現状です。この件で検査対象が強化された事がまず感染者数激増の要因ですが、発生源もこの市場だけなのか定かではないと思います。

Q2 そのクラスターの発生を受けてタイ国内では規制が強化されたんですよね?

A2 はい。クラスター発生直後にサムットサコーン県は即規制を強化しロックダウンに近い対応を取りました。その他の県も独自の対策・規制を打ち出していますが、内容は県毎に其々異なるようです。前回のロックダウンでは国が主導権を持って規制を掛けていたのに対し、今回は各県毎に対応したいる形です。バンコクでは年明けからお達しが二転三転した後にバーやパブ、マッサージ店は完全に営業停止、飲食店は夜間の店内利用を禁止(テイクアウトのみ)、学校は今月一杯休校となりました。これに違反した場合、禁錮刑・罰金を科すという厳しい姿勢です。

Q3 そんな中、タイの年末年始はどのような様子だったのでしょうか?

A3 いつロックダウンが通達されるか分からない状態でしたので、前回のように通達後の移動制限で島や観光地に多くの方が取り残されることを懸念した企業が軒並み年末年始の社員の行動に制限をかけていました。具体的には公共交通機関の利用禁止、旅行自体を禁止若しくは自粛などです。ただ、今回は国からの強制ではないのでキャンセルが効かず返金もされないと嘆いてる方も多かったです。

Q4 そのほか、タイ(バンコク周辺)の気になる話題はありますでしょうか?

A4 日本人が最も多く住むバンコク中心エリアで、白昼堂々身代金目的の子供の連れ去り事件が多発しています。子育て中の身としては全く他人事ではなく、今は外出を極力避けたい理由がコロナだけではないのです。パンデミックから治安の悪化に繋がっていく日常を肌で感じています。