このコーナーでは、世界各地の番組通信員とマルチにコネクト。時事問題から生活の実情まで、世界中の視点を並列して探ります。

この時間は毎週、新型コロナウイルスに関して、世界各地の最新状況を伺っています。今朝は、感染が深刻なヨーロッパからドイツ、アジアから香港の通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。

●ドイツ・ミュンヘン / シッター由香さんです。

メモ:累計感染者98万3,731人 死者14,984人

Q1 11月2日から1ヶ月の予定で部分的なロックダウンを行ってきたドイツですが、12月20日までの延長が発表されたとか?

A1 つい先日、ロックダウンの延長が当面12月20日まで、もしくは来年1月初めまでとの発表がありました。ロックダウンの内容としては観光目的の宿泊の禁止、バーやレストランはテイクアウトと宅配サービスを除き閉鎖、娯楽施設、文化施設、スポーツ施設、理髪店は営業を許可するが美容施設は閉鎖などなど。幼稚園や学校は通常通り、人数制限はありますが商店の営業は認められています。プライベートでの集会の人数は2家族以内5人以下に制限、14歳以下の子供は人数にカウントされません。メルケル首相は以前より12月について「コロナの条件下でのクリスマスだが、孤独なクリスマスにはならない」と表明していた通り、クリスマスと新年は家族や親しい友人等と過ごす時間を重要視し、12月23日から1月1日の間は人数制限を緩め家族数制限なしの10人までの会合を認めるとのこと。

Q2 4月の際はフリーランスへの補償対応が早かったことで話題になりましたが、今回のロックダウンにおいての補償についてはいかがでしょう?

A2 11月から始まったロックダウン、November-Hilfe(コロナ11月補助金)として、一時的な閉鎖を余儀なくされる企業や施設、個人事業主などには政府が補償、前年同月の売上高の75%が支払われます。支援の総額は最大100億ユーロ(約1.2兆円)になるとの見込み。

Q3 この様子だと、ドイツの風物詩、クリスマスマーケットはほとんど中止という感じになりそうですか?

A3 州や場所によっては開催する見込みで検討しているクリスマスマーケットもいくつかあるようですが、ミュンヘンは中止が決定しました。オクトーバーフェストの中止に引き続き、大変残念です。世界で最も美しく、最も有名とされるニュルンベルクのクリスマスマーケットも中止になりましたが、今年はなんとデジタルクリスマスマーケットがすでに開催されていて、サイトでマーケットの屋台の写真をクリックするとオンラインショップのサイトに飛ぶことができ、注文できる仕組みになっており、食べ物を注文することも可能、暖かい家の中で暖かいホットワインを飲みながら画面で一軒一軒眺めているだけでまるでマーケットにいるようなクリスマス気分を味わうことができます。ドライブスルー式や一方通行の屋台設置のクリスマスマーケットなど、それぞれ何ができるかギリギリまで試行錯誤しているようです。

Q4 シッターさんがお住いの、ミュンヘン周辺の様子はいかがですか?

A4 例年この時期はクリスマスマーケットの屋台の準備が始まり甘い良い匂いが漂い始める時期ですがミュンヘンは今年はそれもなく、それでも街中はクリスマスプレゼントを求める人々で賑わっている印象です。建物内、公共交通機関や駅は100%のマスク着用率ですが、路上は歩行者エリア以外はマスクの着用は義務付けられておらず、道ゆく人のマスク率は半分ぐらい?かと思われます。電車やバスも意外と混んでいて、マーケットがたたないだけで本当にロックダウン中なのかなと思ってしまうぐらい。

●香港 ラム 恵子さんです。

メモ:累計感染者5,866人 死者: 108人

Q1 香港は7~8月に第2波があり、9月以降は落ち着いていましたが、ここにきてまた増えてきているそうですね?

A1 こちら香港では、第二波を抑え込んで規制も緩和されたので皆、活動範囲を広げていました。ところが今月から少しづつ感染者が増えて今週はついにコロナ始まって以来で最大のクラスターが発生してちょうど昨日から厳しい規制強化に逆戻りしています。カラオケ、バー、クラブ、サウナなどは全て営業停止、レストランも全席の半分しか使えずひとテーブル4人まで、学校も幼稚園、小学校は休校です。クラスターが発生した場所にいた人は全員強制PCR検査と自主隔離になっています。違反者は、2万5千香港ドル(日本円で35万円)の罰金と6ヵ月の禁固刑と大変厳しいです。

Q2 香港とシンガポール間の「航空トラベルバブル」の実施が、2週間先送りすることになったとか?

A2 このトラベルバブル、実は開始日の前日に延期が発表され大騒ぎでした。香港での現在の感染状況ではいつ実施できるかわからないのですでに申し込みしていたたくさんの出張者や旅行者は、払い戻しの手続きで大混乱だそうです。取得していたPCR検査の陰性証明も無効になるので、皆さんこのトラベルバブル自体二週間後に本当に実施できるのかどうか懐疑的になってますね。

Q3 コロナ禍で景気後退している状況でも賃料下がらず、家を失う人が増えているというニュースを目にしましたが、どのような状況でしょう?

A3 家を失っていわゆるホームレスになる人が増えているのは、今大きな問題になっています。ご存知のように、香港はもともと家賃が高いのですが、コロナで経済がこれだけ落ち込んでも家賃だけはほんの2-3%しか下がっていません。コロナが始まってから、サラリーカットや失業で家賃が払えず、24時間営業のマクドナルドやネットカフェで夜を過ごしている人たちが急増していたのですが、そこに更に規制強化でマクドナルドやネットカフェが夜間閉店して行き場がなくなっている人が大勢います。政府のホームレス収容施設も十分な数が無くて、NGOなどのボランティア団体がなんとかホームレスの世話をしている状況です。日本よりずっと暖かい香港ですが、これから数か月は夜に気温が低くなることもありますのでホームレスの行き先が気になるところです。