毎週、新型コロナウイルスにまつわる現地の最新状況を伺っていますが、今週、インドの感染者数がブラジルを抜き、世界2位になりました。感染が急拡大している国がある一方、落ち着いている国もあります。今朝は、第2位となってしまったインドとスウェーデンに回線をつないで、お話をうかがいます。

●スウェーデン・マルメ / 丹呉由紀子さん

Q1 スウェーデンでは、6月頃に亡くなる方が急増した時期もありましたが現在は落ち着いている様子でしょうか?

A1 ここ数週間、少数のコロナ感染者が出ているようですが、減少傾向にあり落ち着いています。また、重症者数、死者数はほとんど出ていないようです。

Q2 ロックダウンをしない政策については一時感染拡大で批判にさらされましたが、首相は「成功だった」と発言。国内ではどのような見方が多いでしょうか?

A2 亡くなった90%が70歳以上のお年寄りで、その中の5割が介護施設に住む方だったことから、介護施設での感染防止が十分でなかったことへの批判がありました。けれど、長期間のロックダウンによる副作用、人々への精神的ダメージや子供達の精神的苦痛、今回のパンデミックは長期戦になることなどを考えると、強制的なロックダウンは行わないが、社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保、50人以上の規模の集会や高齢者施設への訪問の禁止など、緩やかな規制と政策については、批判もありますが比較的多くの国民に受け入れられているのではと感じます。

Q3 集団免疫については、引き続き、獲得を目指している状況なのでしょうか?

A3 7月の時点で一番感染者が多いストックホルムでも19%ほどに留まっており、集団免疫には時間がかかることが判りました。現在は、PCR検査や抗体検査を無料で受けることができるようになるなど、PCR検査数が大幅に増えています。公衆衛生庁は、感染検査・接触追跡・クラスター対策の強化を掲げ、第二波の発生を警戒しています。

Q4 市民生活や経済の状況はいかがでしょうか?

A4 引き続き、「手洗いをする」「他者と距離をとる」「咳エチケット」などのメッセージが、テレビや街中の看板などで流され、スーパーでは、客同士の距離をとるためのシールが床に貼られ、飲食店では、距離をとるため、半分近くの席を使用できなくなっています。各教育機関や職場での対応はそれぞれです。例えば、高校や大学のキャンパスでは、公共交通機関の混雑を避けるため、オンラインと対面授業を半々で行ったりしています。また、スウェーデンの景気の悪化は、緩やかな政策を採用した結果、今のところ他のEU諸国に比べて軽いと言われています。

Q5 そのほか、スウェーデン(マルメ周辺)の話題はありますか?

A5 コロナの打撃を受けて事業停止や休業を余儀なくされている企業がありますが、植木・園芸店とフローリストの2産業は、売り上げが伸びていると言われています。自粛で旅行・外出等ができないため、ガーデニングに力をいれる人々、お年寄りに会うことが規制されているため、誕生日等のお祝いにお花を贈る人々が多いためだそうです。

●インド・ムンバイ / ハリー・チェンさん

Q1 今週、インドの感染者がブラジルを抜き、世界で2位になってしまいました。現在の状況について教えていただけますか?(地方での感染が増えているとか?)

A1 インドは、また感染者が増えてきて、止まる所を知らない状況ですね。1日9万5000人ほど増えており既に450万ケース突破。この調子ですとアメリカも抜くのも時間の問題と。実は専門家の中では既に米国の件数を抜いている可能性も十分あるかと。インドはアメリカの4倍の人口。大国です。僕が今いるムンバイの都市部のみならず地方で感染が拡大中。インドは厳しい外出禁止命令が4時間前の突然のアナウンスで「今からロックダウンですよ!」と驚きの発表があり、既に僕は171日のロックダウンです。状況は本当に良くないです。また、政府支援が乏しい中で経済が持たないと判断。アンロックして経済を動かさないとダメであると判断です。アンロックすると感性は増える、人の行き来がありますからね。僕が今いるコーワキングスペースは95%の人は出社しておりません。僕も基本ワークアットホームですが、街は通常の4割で稼働している感じです。ムンバイに交通渋滞がない状況は初めてです。マスクを付けてる人も多いですが、付けてない人もおられます。

Q2 かなり厳格なロックダウンを行ってきたインドですが、なぜ感染が収まらないのでしょうか?(問題点・課題は?)

A2 大国であり、またPCR検査の問題などいろいろあります。

Q3 ロックダウンは段階的に解除、7日には地下鉄が再開されたり徐々に緩和されているとのことですが、経済への打撃は深刻ですよね?

A3 大打撃です。世界でも第一四半期でマイナス27パーセント深刻な状況です。地下鉄などの移動手段は必要ですが、動きが加速するとケース数も増えるでしょう。我々インドでお寿司のテイクアウト宅配業態の6店舗は9周年も迎えました。こちらロックダウン最初はもちろん売上ゼロで、今は徐々に良くなって来ておりますが、まだ8月は前年比でマイナス29%。年内には前年の数字に回復をと考えてますが、美味しい寿司を必要な方へ届けるのに毎日僕もセントラルキッチンに行ってます。知らない内に弊社がインドで最大の和食チェーンになっており、お客様へ安全で美味しい寿司を毎日提供をコロナさんの時代でも続けていきます!

Q4 コロナ禍で、インドの方々の生活様式、意識の変化などはありましたか?

A4 日本の当たり前の整理整頓と高い衛生面での改善が今インドで見られます。めちゃめちゃピカピカに消毒液で1時間ごとにエレベーターやエスカレーターの手が触れる部分が清掃されてます。モールではスタッフ全員が防御プラスチックマスクを付けております。またショッピングバッグをUV で消毒する機械もあります。