新型コロナウイルスの全世界の感染者数は19日、累計で2200万人を突破しました。(1週間でおよそ200万人の増加)

国内でも1日で1000人を超える感染が確認されており、終息にはほど遠い状況が続いています。

さて、このコーナーでは、毎週、新型コロナにまつわる現地の最新状況を伺っていますが、今朝は、感染者が世界5番目となっている南アフリカとコロナ対策がもっとも成功したと言われる台湾に回線をつないで、お話をうかがいます。

●南アフリカ・ケープタウン/相原 純子さん

Q1 新型コロナ感染者がアフリカ大陸で最多、世界でも5番目となった南アフリカですが、 どういった感染ケースが多いのでしょうか?

A1 スーパーマーケット、お葬式(冠婚葬祭)、鉱山の現場など。また都市部での感染の拡大は大きいと思います。

南アは、約8割が黒人のコミュニティで9つの部族があり、大家族で住む文化と居住区がタウンシップエリアと呼ばれる家々が密集しているエリアなので、感染があっという間に広がってしまうという大きなリスクがあります。また、タウンシップのエリアでは、主に公共手段として利用されるミニバスからの感染拡大も深刻な問題の一つです。

Q2 お酒やタバコの販売が禁止されていましたが、その理由は?

A2 タバコの販売禁止: 健康を害するため。特に肺機能に影響を与えるなど...のようです。お酒の販売禁止: 家庭内暴力や犯罪、事故の発生を最小限に留めるため。南アでは飲酒運転で事故が起きる頻度が高く、病院のベッドをコロナ患者用にキープするための対策としてがメインといわれています。

Q3 コロナ禍で女性に対する暴力がさらに増えていると聞きますが・・・

A3 女性に対する暴力事件は、普段から高いです。残念なことですが。今回のロックダウンで、失業や外出できないなどのストレスからまた増加傾向にあります。

Q4 感染のピークは過ぎたとして、大統領が経済活動に関する制限をほぼすべて緩和すると発表しましたが、現在、感染防止対策は十分に行われているのでしょうか?

A4 感染防止対策としては、スーパーマーケットやショップ全ての入り口にサニタイザーが設置されてあり、マスクを着用してないと入店できません。ロックダウンから半年近く経ちますので、個人の意識も定着してきています。

Q5 南アフリカは観光スポットも多いですが、どんな状況でしょうか?

A5 ケープタウンは、観光産業の比率が大きく、飲食業、ホテル業もかなり打撃を受けています。8/18からレベル3からレベル2にダウンしたので国内観光業は再開しましたが、国境閉鎖はまだ当面続くようです。涙

ケープタウンは、自然に恵まれた美しい港町です。海から美しいテーブルマウンテンが見えますし、車で20-30分の移動距離です。ちょっとドライブすれば、美しい自然を楽しめます。また美しいワイナリーも沢山あり、美味しいワインに合わせたグルメレストランもワイナリー内にあり、また郊外にはサファリもありと、ザ.アフリカ体験もできます。落ち着いたら、ぜひ訪れていただきたい町です。

●台湾 / 片倉 佳史さん

Q1 徹底的な水際作戦が功を奏し、「コロナ対策に最も成功した国」と言われている台湾、現在はどのような状況でしょうか?

A1 安心はできないものの、比較的状況が落ち着いているので、徐々に暮らしは戻っているように感じます。また、各種規制も緩められつつありますが、今も状況を見据えながら政府と市民が一つになってコロナウィルスに立ち向かっている印象です。一時期は台湾も経済的に大打撃を受けていましたが、そういった時は店の改修工事をするとか、新しいメニューを考案するとか、従業員同士で勉強会を開いたりとか、苦難の中にも前向きな姿勢で生きる人々の姿が印象的でした。

Q2 夏休みシーズンですが、行楽や旅行などは?

A2 海外旅行は今もできませんが、一方で台湾内の行楽地がにぎわっています。日帰り、もしくは一泊くらいで近隣のミニトリップです。ただ、これも行き過ぎると「密」の問題となるため、最近は山でハイキングやトレッキングをしたり、キャンプなどをする人が多くなっています。暑い時期なので、避暑を兼ねて山岳部に入る人が多い感じです。台湾は人口が2350万ですが、年間1000万人が海外に出るほどの海外旅行好きな人々です(人口の約半分)。コロナショックで海外(特に日本)に行けないことを嘆く人は多いのですが、思わぬ副産物で、すぐ近くにある台湾の美しさ、地元の魅力を見直す声が高まっています。

Q3 そのほか、台湾ならではの話題はありますか?

A3 市内交通についてですが、地下鉄やバスについてはマスク着用が義務付けられており、暑いこともあって、少々苦痛です。また、タクシーは密室空間ということもあって、これも敬遠する人がいます。そこで、ちょっぴり意外な乗り物が人気です。それはシェアサイクル。台北市には公共のシェアサイクルのシステムがあり、到るところにスタンドがあります(1万5千台・300を超えるスタンド))。台北市は盆地にあり、坂道がないので、快適です。暑さと日差しからは逃れられませんが、マスクをしなくていいところ、そして、何よりも自由が利くところが人気です。近場の移動に利用する人が多いですね。