昨日、新型コロナウイルスの東京都内の感染者数が100人を超えました。 緊急事態宣言解除後では最多となり、予断をゆるさない状況となっています。世界各国でも、感染者数が急増している地域がある一方、落ち着いている地域もあります。
この時間は、アメリカ・ケンタッキー州とフィンランドに回線をつないで現地の状況をうかがいます。
昨日、新型コロナウイルスの東京都内の感染者数が100人を超えました。 緊急事態宣言解除後では最多となり、予断をゆるさない状況となっています。世界各国でも、感染者数が急増している地域がある一方、落ち着いている地域もあります。今朝はアメリカ・ケンタッキー州とフィンランドに回線をつないで現地の状況をうかがいます。
フィンランド・エスポー / 遠藤 悦郎さん
Q1 フィンランドは"コロナ対策に成功した国"と言われていますが、遠藤さんからご覧になって特に功を奏した対策というと?
A1 南ヨーロッパのように事態が悪化する前に緊急事態宣言を出して、ソーシャルディスタンシングを感染拡大前の早くから実施できたことが功を奏したと思います。これは時期的に本当にラッキーでした。対策に成功したとは言ってもドタバタもありました。備蓄していたマスクなどの防護具が管理不良で劣化していたり、国が緊急輸入したマスクなどの調達先や金額がグレーでスキャンダルになったりとかはありました。対策ではないですが、もともと国全体でリモートワークの文化が長く根ざしていて、多くの企業が週1日程度は自宅などで勤務していたこと、学校でのIT化がすでに進んでいたこと、ネット環境がしっかりしていたことは非常事態期間の日常がうまく回せた原動力になったと思います。学校も小学校中学年以上では数日のうちにすぐ完全リモート授業に一気にシフトできたというは見事でした。中学生の息子がいますが、コロナ以前からgoogleのクラウドアプリなどを使って課題や共同作業をずっと実施していたので、当然不便だったり行き届かないことはあったとしても、日本のような長い教育の中断は発生しませんでした。
Q2 すでに夏休みに入っているフィンランド、先日、一部ヨーロッパ諸国からのレジャー渡航者について「14日間の隔離義務」を撤廃する計画を公表したんですよね?
A2 現在すでに、一部の北欧やバルト地域のヨーロッパ近隣国とはすでに自主検疫なしでレジャー含めて自由に移動できるようになっていて、このあと7月13日からいまだに感染者の多い国を除いて、さらにヨーロッパのいくつかの国との行き来の制限が緩和されます。ただし7月10日に再評価をしてからの条件付き。その後約2週間おきに国ごとの規制を見直す予定が立てられています。
Q3 ということは、フィンランドのみなさん、バカンスは積極的に海外旅行に行かれる感じなのでしょうか?
A3 今年は国内旅行や近隣国でコンパクトな夏休みにという人が大半です。国内旅行やもともと多くの人がサマーコテージで過ごす文化があるので、そちらの人気が今年はいつもより熱い、という感じでしょうか。フィンランドの風物詩として、陽の長い夏の白夜を活かし色々な夏フェスがあるのですが、それらはすでにほぼ全てキャンセルになっています。一応そこそこの大規模イベントも多少は開けるようになりましたが、今さら準備ができない、外国からのアーティストや観客が来れないなどの理由で、やっても代替のリモートイベント程度にとどまっています。
Q4 やはり経済にはかなりの影響が出ているわけですね。今後の懸念事項や見通しはいかがでしょうか?
A4 フィンランド財務省が6月に出した最新の経済見通しでは、2020年の国民総生産は6%ほど下落するという見通しですが、出るたびに下落率が増加しているので見通しはなんとも言えません。輸出の減少に加え個人消費や投資の低迷がその原因に挙げられています。輸出は化学製品、森林資源を使った木材や紙などのほか、機械電気機器などが強いのですが、何しろ買ってくれる国の経済が止まっているのはどこの国も一緒だと思います。近年伸び盛りだった観光産業も今は冷え切ってしまっています。ごく一時、リモートワークに慣れて自宅の部屋にこもっていてもどこにいても同じだと、サマーコテージの不動産取引が活発になったというニュースはありましたが、ごく一時的な現象だったようで、今は沈静化しています。全般的には住宅などの販売は思わしくはないとのことです。
アメリカ・ケンタッキー州 / 吉田 直哉さん。
Q1 アメリカでは、南部や西部で感染が広がっていますが、ケンタッキー州は、 現在、どのような状況でしょうか?
A1 5月から徐々に新型コロナウイルス対策予防のための規制が緩和され、企業の業務再開、個人の外出機会が増えています。新規感染者数は連日100~200の間で、規制緩和後も、横ばいか、やや減少傾向で何とか抑え込んでいるという状況です。約440万人の州人口で新型コロナによる犠牲者は560名。当州ではPCR検査を1日あたり6000件以上を行っています。新規感染者数が多いイメージなのは、この検査数の多さから来ます。
Q2 経済活動の再開をストップさせた州もあるようですが、ケンタッキー州はどのような対応、対策が行われているのでしょうか?
A2 3月6日の非常事態宣言後で、「不可欠な業種」とそれ以外の業種を分けて、人の移動を制限してウイルスの拡散を徹底的に封じ込めることを目指しました。これによる問題はレイオフ(臨時一時解雇)で失業者は最初の1週間で11万人、そして規制緩和開始時の5月の時点で約74万人。一時はハワイを抜いて全米一失業率が高いと報告されたこともありました。当州は大手の国際貨物輸送会社数社や大手通販企業が物流基地を置いています。また競走馬生産業をはじめ農業も盛んなため、新型コロナ発生下でもある程度は経済活動を進める必要性がありました。ケンタッキー州のベッシャー知事の対応で今回良かったと思える点は、規制とそれに対する補償を明確に説明できたことです。「これを止めてください」、「でも、このように支援します」と言ったように。そして実際、個人向けの支援金 (日本でいう特別定額給付金)も、中小企業向け融資もかなり早く実施しています。ですので住民のビジョンが見えて、腹を据えやすかったと思います。今回、幸いコロナ拡散を防ぐことが出来たので、業種別に設定した厳しい予防措置を取るという大前提で事業再開を行っています。私は(公衆衛生学も学んだ)獣医師資格も持っていますが、上記のPCR検査も感染リスクが場所を選んで結果を発表させることで、州民全体の「緩み」防ぐ手法を上手に行っていると評価しています。
Q3 マスクの義務化に反対する人もいる、という話も聞きますが・・・
A3 経済活動停止で生じた痛手は深かったため、マスクの義務化はやむを得ないという意見が大半です。職場を確保する、経済活動を続ける、そのためにマスク着用が必要ならば続けていこうという気概をこの3ヵ月間で持つことが出来るようになりました。近隣州ではテネシー州がやや苦戦しており、昨日から同州最大都市ナシュビルで一部の例外を除き、マスク着用を義務付けるルールが制定されました。これは罰則を伴うものです。
Q4 吉田さんからご覧になって、今後の懸念事項は?
A4 現在、私達住民は2つのグループに分けられると思います。「予防を続けられる人」と「忘れちゃっている人」。今回は日本出身の私が驚くほど、きっとり外出規制、移動制限を行った当州ですが、基本的に呑気な土地柄なので、第一波明けの緩みが一番心配です。大統領選を控え、現職大統領の意見が公衆衛生業務へ圧力をかけるのかといった点も心配です。