3月からは、新型コロナウイルスに関する世界各国からのレポートをお届けしています。感染者数、死者数ともに、トップはアメリカですが、ここにきて急増し、感染者数が世界2位になってしまったのが、南米・ブラジル。また、現在WHOが感染拡大への懸念を示しているのがアフリカ。ともにこれから冬を迎える、南半球の国です。そこで、この時間は、中部アフリカ・ガボン共和国とブラジルに回線をつないで、現地の最新の状況を伺います

●中部アフリカ・ガボン共和国 / 米崎英朗さんです。

Q1 アフリカの状況はなかなか入ってこないのですが、ガボンでの感染状況はどうでしょうか?

A1 毎日コロナ対策委員会の統計が出ています。6/10現在では、→ 3375人(うち死亡22人)

上記感染者のうち2754人(8割強)が首都リーブルビルに集中しています。(アフリカは首都の人口集中が特に顕著なので当然、ガボン面積27万㎡、人口約170万人、首都73万人)

政府の措置は、3月21日に国境封鎖、4月11日に非常事態宣言を発出、夜間外出禁止、9つある州の間の移動は禁止。学校は閉鎖。レストランは閉鎖、マスクは外出時義務付けです。同措置は5/11に解除されましたが、措置は継続されています。   

Q2 街の様子はどうでしょうか?

A2 ガボンは一人当たり所得が7000$/年前後と、比較的裕福なので、物流や医療システムも機能しており、大きな混乱はありません。

みんながマスクしているのと、学校がないので学生や子供たちをみかけなくなったこと、ほかはコロナ前の日常とかわりません。夜間外出は依然として禁止なので夜はおそらくひっそりしていると思います。

一番個人的に苦しかったのは、一時、首都市内の地区間移動が禁止になったことがあり、業務と買い物が制限され大変困りました。

Q3 ガボンならではの対応などはありますか??

A3 通常の国とそう変わらないと思いますが、私見ではアフリカ共通の事項として、とくに「重篤患者をださない」「医療崩壊をおこさない」ことを最優先しているように思えます。なぜなら比較的医療事情の良いガボンでも、人工呼吸器は200万人の人口に対し全国で50程度しかないからです。(ECMO(人工心肺)は存在しない)。

アフリカは、ガボンに限らず、コロナ以前に、マラリア、エボラ、結核、その他の感染症と、常に向き合ってきており、いま成人となったアフリカ人は、強靭な抵抗力と対処方法を身に着けている人たちです。

現在アフリカの感染者が思ったよりも増えていないのは、そういう背景を考えれば自然なことであると思います。

Q4 WHOはアフリカの感染拡大をかなり危惧しているようですが・・

A4 確かにアフリカの脆弱な医療体制を考えれば当然のことかと思います。しかし、6月7日の統計では、世界740万の感染者(死亡42万人弱)、致死率5.7%。アフリカは183437万(死亡5053人)。致死率2.8%。アフリカ54か国とすればこれはかなり少なく、アフリカなかなか頑張っている、と言えると思います。(日本は17347人/死亡922人、クルーズ船除く、致死率5.3%。致死率 フランス18.9、イタリア14.4、スペイン11.2、アメリカ5.7)

根拠としては、(いろいろな研究結果を総括すると)ロックダウンを即時行ったこと、医療体制を早期に整えたこと、マラリア、エボラ出血熱はじめたくさんの感染症経験があること、などがあると思います。

そして最後に、JICAの職員として申し上げたいのは、アフリカがここまで踏ん張れているのは、日本はじめ世界各国が、長年にわたって、人材育成や資金援助を行ってきた、その賜物でもある。ということです。

●ブラジル/サッカー元日本代表DF田中マルクス闘莉王さん

現在、故郷のブラジルに戻り、牧場経営など実業家として活躍しながら、公式YouTube「闘莉王TV」で現地の日々を伝えている闘莉王さんにサプライズで登場して頂きました!

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昨年12月の引退会見の司会を務めさせていただき、そして番組でもインタービューさせて頂きました。