東京都は今月1日から休業要請などの緩和の段階を「ステップ2」に移行。映画館や学習塾、スポーツジム、商業施設などの営業が再開しました。このまま順調に「ステップ3」に移行できれば、カラオケ店やパチンコ店、ネットカフェ、遊園地などがオープン可能となります。海外でも同様に、規制を緩和して経済活動を再開しつつ、新型コロナウイルス感染の第2波に備える、という流れになりつつあります。この時間は、ハンガリーとイタリアに回線をつないで現地の最新の状況をうかがいます。

●ハンガリー / ブダペスト 木下明子さん

Q1 ハンガリーの状況はなかなか入ってこないのですが、ハンガリーでも、規制は緩和されているのでしょうか?

A1  3月11日に非常事態宣言が発表されましたが、現在はほとんどの規制が緩和。お店や交通機関ではマスク着用義務、1.5mのソーシャルディスタンスの保持は継続中。観光産業が盛んな為、近隣国よりいち早く国境封鎖し、外国人の入国をシャットダウンしたので他国よりも感染拡大が防がれ政府の判断が正しかったと国民は称賛しているとのこと。首相の好感度が上がったようです。私も観光産業で潤っている国なのに即座に国境を封鎖した迅速な判断は称賛に値すると思います。

Q2 木下さんご自身も、ブダペストでお寿司屋さんを営んでいらっしゃるとのことですが、飲食業の状況はいかがでしょうか?

A2 日本も同じだと思いますが、デリバリーの需要が爆発的に伸び、私のお店もUberのようなデリバリーシステムを以前から導入していたため来店客がなくなってもさほど影響は受けず、むしろ売り上げが伸びました。デリバリーなどしないような高級レストランやバーでもデリバリーを始めましたが、それも出来ないお店は2ヶ月完全に閉店していました。5月27日以降、営業再開の飲食店も増えましたがお客さんはあまり入っていない印象。スタッフ不足からか営業再開していない店舗も割と多いです。今年いっぱいは雇用確保のための補償が出るようなので、営業して売り上げが低迷したままより休業していた方がいいのかもしれません。

Q3 そのほか、ハンガリーで心配されていることはありますか?

A3 来年からこの国の経済危機を懸念している反政府団体や国民も多くいるとのこと。現に潰れてしまったお店も多く見られ、倒産した企業も少なくは無いようです。私自身、来店のお客さんがまた戻ってくれるのか、デリバリーの需要が下がってしまわないか心配です。小さな自営業は小さな変化もダイレクトに影響か出るので。また、6月15日頃から予定されている外国人の入国制限の解除によりコロナの第二波が起こらないか不安です。私のお店も観光客のお客さんが多いので。

●イタリア・ミラノ / 田中美貴さん

Q1 イタリアでも規制緩和の動きが進んでいるんですよね?どのような業種、業態が再開となっているのでしょうか。

A1 イタリアの封鎖解除は5月4日から段階的に行われた。第一弾では、製造業などが再開、州内の移動、散歩や運動、飲食業のテイクアウト販売、家族や恋人に会いに行くこと、15人以下の葬式等が可能になった程度だったが、5月18日からはショップ、レストラン、美容室、美術館等が再開、友人と会うことも可能に。そして25日からはジム、プール、団体スポーツも再開された。おとといからは国内外の移動が可能になりました。

Q2 ミラノといえば、世界的に有名なファッションの街ですが、ミラノの様子はいかがですか?

A2 ミラノとしては、とにかくショップ(特に服飾関連)の5/18の再オープンに注目と期待が集まったが、街の中心地の店には意外と人が入っていない。人数制限があるからどこも並ぶだろうと思いきや、18日の午後にはかろうじてリナシェンテ(ミラノ最大のデパート)に7,8人の列ができていたぐらいで、カジュアル服やファストファッション系の店もダメなら、高級ブランド街も閑古鳥。客足がすぐには伸びないのを予見したのか、オープンしていない店(大手ブランド含む)も結構あったし、レストランもテイクアウトのみを継続する店も多いようだ。一方、公園やミラネーゼが大好きなアペリティーボ(ハッピーアワー)は大盛況で、密集が起こったので、市長や州知事は「再封鎖するぞ」と怒りの声明を何回も出していた。

Q3 イタリアでは食糧難や貧困も心配されているようですが・・・

A3 2か月以上のロックダウンで経済が破綻しているイタリアでは、人々にはショッピングや外食にかけるお金がない。それでも友達には会いたいから、あんまりお金のかからない公園やバーは盛況となるのかもしれない。また、お金を落としてくれる観光客はまだいないため、すぐにはV字回復というわけにはいかないのだろう。

Q4 そんな中、政府からの支援が足りないとしてローマやミラノで政府への抗議活動が起こったようですね?

A4 ミラノではオレンジのベストをきた人達が、ドゥオモ広場に集まり、コロナウィルスはコンテ政権が国民を管理するためのでっち上げだ、EUから抜けてリラを取り戻せ、という主張をしていました。それ以外にもタクシーがストしたりと、ロックダウンから開放されるとまた新しい問題も色々でてきております...。