日本政府はきのう、39の県で「緊急事態宣言」を「解除」すると発表。ここ東京、神奈川・千葉・埼玉は、引き続き「継続」となりましたが、世界各国でも、徐々にロックダウン解除の動きが出始めています。喜ばしい反面、本当に大丈夫なのか?という心配もあるはず。この時間は、アメリカ・ニューヨーク、そして、アラブ首長国連邦・ドバイと回線をつないでお話をうかがいます。

●アメリカ・ニューヨーク在住 津山 恵子さん

Q1  NY州では新型コロナウイルスの感染者数が3月中旬の水準に戻りつつあるとのことで、 地域によって経済活動再開の動きが出始めているようですが、NY市はいまだ緊張状態が続いているという認識でよろしいしょうか?

A1  NY州全体では、感染者も死亡者も減っていますし、NY市も同じです。しかし、抗体検査で明らかになった感染率が大都市のニューヨークで20%近く、地方では2,3%なので、NY市では警戒が続いています。特に、私が住んでいる下町クィーンズは、NY市の中で最も感染率が高い区で、お金持ちが住むマンハッタンの2倍です。 白人以外の人種の比率が高いため、お互いに注意していて、マンハッタンよりマスクをしている人が多く、ほぼ100%の人が外出の時マスクをしています。スーパーに行くと、ビニール手袋をしている人が多いのも変わりません。

Q2  そんな中、クオモ州知事のこれまでの対応に高評価の声が続いていますが、津山さんはどのようにご覧になっていますか?

A2  アメリカ最大の爆発的感染の中心地となってしまったが、クオモ州知事の辣腕がなければ、もっと感染者や死亡者がいたと思う。爆発的感染が起きてしまった原因は2つで、1−3月までにヨーロッパから来た人が200万人もいてコロナウイルスを持ち込んだことに誰も気がつかなかったこと。さらに、地下鉄やマンハッタンなど人口密集していたのが原因。クオモ州知事が、専門家の予測を元に、病院のベッド数や人工呼吸器、医療器具を急激に調達せず、現場がバラバラに対応していたら、もっと死亡者が出ていた。だから、看護師や医師など医療関係者もクオモ州知事を高く評価している。現在は、5月15日に出勤禁止・自宅待機令が切れるが、その後の再開について、産業を4つに分けて、州の許可を得たところから再開できるなど、その道筋もはっきり示しているので、安心できる。

Q3  初動が遅れ、世界最大のホットスポットとなってしまったニューヨークですが、その後のクオモ知事のリーダーシップは世界でも注目されていますね。そんな中、今、NYにおいて、今懸念されていることは何でしょうか?

A3 コロナウイルスに感染した子供の間で川崎病のような症状が広がっていること。これはNY州で100人以上で、死亡者も出ている。NYだけでなく全米の10州以上で報告されており、これは9月から新学期が始まるのに、大きな影響があると心配している。また、ビジネスが全部再開したら、思わぬところからセカンドウェーブが起きることも予想される。今、サウスダコタ州の肉の加工工場で爆発的感染が起きていて、州内感染者は先週の数倍になっている。

Q4 決して油断はできない状況ですよね。では、逆にポジティブに感じる話題はありますでしょうか?

A4  クオモ州知事が毎日行っている「New York Tough」という言葉が一番当てはまる。NYはタフだから、これを乗り越えるんだということ。ニューヨーカーが一体となって、自宅待機をほぼ100%続けていること、マスクをつけているのは、55日の間よくやったと思う。そして毎日午後8時にバルコニーに出て、医療関係者など働いている人たちに対する拍手や音楽があること。また、テイクアウトや出前だけだが閉鎖していたレストランなどが、開店したのを見ると、廃業しなくてもよかったのだと分かり安心する。もちろん、医学的には、抗体確認があったこと、ワクチンの研究が急速に進んでいることもある。

●アラブ首長国連邦・ドバイ / 金子 家暢さん

Q1 中東最大の都市国家ドバイですが、コロナ感染拡大以降の経済活動はどうなっていますでしょうか?

A1 ・昨今の当地経済の概況業界によっては大打撃(例:5月入るまでモール、一部業態のレストラン、ジム、エステ等閉鎖)→国は原油収入に頼ってる面もあるため、昨今の油価の大幅な下落は影響大

Q2 ラマダンに合わせて、24時間の外出禁止措置を緩和したドバイですが、現在の市民生活は、どのような状況でしょうか?

A2 Stay homeで行動制限。厳しいルールや罰則規定も有り→現在はラマダーン月で普段なら夜も賑やかだが、昨今はそうでもない

また、国際色豊かなドバイだが、各航空会社が営業しておらず、国内外の出入りもできない

Q3 結婚や離婚を禁止するという対策が行われたそうですが、UAE(ドバイ)のコロナ対策について、どう感じていますか?

A3 スピーディな対応である。国のリーダーの権限が強いため、国のリーダーの陣頭指揮のもとスピーディな対策が取られている。また、元々治安が良く犯罪も少ないが、人々もよくルールに従ってるように見受けられる」

Q4 規制緩和で徐々に状況は良くなっている実感はありますか?

A4 営業制限も少し緩やかになってきたので、経済も徐々に回復(モール、飲食業は条件付きで営業可能)

基本的に航空会社は営業してないが、帰国するだけの限定的な便が出始めた →ひと月後から旅客機の再開予定