新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都と周辺の県は、平日の在宅勤務や、今週末の不要不急の外出自粛を要請。それを受け、デパートやスーパー、外食チェーンなどは、営業時間の見直しなど、対応を迫られています。また、一部では日用品の買い占めが起こるなど、緊迫感が再び広まっています。

しかし、世界各国では、日本よりも厳しい、都市封鎖(ロックダウン)や外出制限が実施され、多くの市民は自宅からほぼ出られない状況が続いています。この時間は、現在、全ての国へ「渡航禁止」となっているオーストラリアと、「外出禁止令」が出されているフランスの通信員に回線をつないで、いま現在の市民生活について伺います。

オーストラリア第二の都市・メルボルン / 小林純子さん

※現地時間 3/27(金) 10:40ごろ

Q1 まずは、オーストラリアの状況について訊かせていただけますか?

A1 政府による不用不急の外出自粛の他、テレワークの推進、自国民の海外渡航の禁止(以前は勧告のみ)、外国からの訪問者についても自国民及び永住者とそれらの家族以外は入国禁止となっています。当地では3月16日以降、外国から到着した自国民および永住者とそれらの家族については14日間自己隔離する必要が生じています。(それ以外の人々の当地への入国は現在は出来ません)。これら入国規制に伴い、航空会社が運行を停止や大幅な減便を行っています。

Q2 なるほど、では、市民生活への影響はいかがでしょう?

A2 必要不可欠とされないサービス及び施設の閉鎖や、社会的距離(1.5メートル)をとるルールの厳守、ホームパーティーの自粛や、結婚式については5人以下で葬式については10人以下、ホームパーティーの自粛等々、数々の自由の制限が強いられている状況です。また急を要しない手術の当面の順延も発表されました。

Q3 あくまで「自粛」という状況ではあるものの、かなり細かく規制されていますね 。日本では、マスクがなかなか買えない状況が続いていたり、トイレットペーパーやハンドソープなどが品薄になっていたりするんですが、メルボルンではいかがですか??

A3 売り切れや品薄の商品は、何と言っても除菌用ジェル(ハンドサニサイザー)です。トイレットペーパーやハンドソープもまだまだ品薄です。医薬品、特に子供のパナドール(頭痛薬)等、人々が買占めをして品薄になっているようです。こういった商品は、スーパーや薬局が販売個数制限を設けていることや、政府のパニック買いを自粛するようにとの呼びかけによって以前よりも市場に流通し始めました。

現在はかなり落ち着いて来ているものの10日ほど前までは米やパスタ、肉などの食料品をはじめ、なぜか歯磨き粉や洗剤等もスーパーの棚から全く消えていました。先週からお年寄り等の社会的弱者を救うため、スーパー各社が早朝1時間をこれらの人々のためだけの買い物時間として指定を始めました。

Q4 では、生活必需品以外で、需要が高まっているものやサービスはありますか?

A4 テレワーク推進により、PC及びモニターや、プリンターの売れ行きが大きく伸びているようです。またオンライン映像ストリーミング等のサービスの売れ行きが伸びているとのことです。多くの皆さんが自宅でテレワーク、子供達はホームスクーリングをして過ごしているようですが、今回の政府の規制によって多くの人が職を失い社会的な不安が広がっています。

フランス・パリの郊外でレストランを営む、柳瀬充さん

現地時間 3/27(金)0:40ごろ

Q1 大変な時、また深夜にありがとうございます。まずは、パリの状況を伺いたいんですが外出禁止ということは、レストランも営業停止中ということですよね?

A1 レストラン等の商業施設は3/14に急遽閉鎖指示が出され、今の外出禁止令が出たのは、3/16、マクロン大統領からの演説により翌日17日の正午から、最低15日間の外出禁止となりました。

Q2 商業施設の閉鎖のほうが早かったんですね。では、市民のみなさんが、買い物などで外出する際はどういうルールになっているんでしょうか?

A2 もし外出するときは、「例外的移動証明書」を所持する必要があり、必要不可欠な買い物や短時間の運動のような最小限の行動を許可されています。街には警察が巡回しており,もし違反した場合、135€から最高で1500€の罰金を課せられます。なので、日中から町全体が静まり返った状態です。

Q3 いま現在も必要最低限の買い物はできるということですが、売り切れや品薄となっている商品などありますか?

A3 パリでも、マスクと消毒ジェルは品薄になってり、特にマスクは、医療従事者に優先して送られるようになっているようです。あと食料品では、乾燥パスタが売り切れているところは多いようです。イタリアからも輸入品はストップされているので。

Q4 そのほか、需要が高まっているものはありますか?

A4 ほとんどの商店は閉まっていますが、スーパーはもとより冷凍食品店のpicard も営業しています。普段よくレストランなどに行っている人達が、特別感を求めて、お家でも簡単に調理できる様に準備されたメニューを行きつけのレストランにオーダーすることもある。いい食材をちゃんと下処理してあれば、あとは少し焼くだけなどで対応。

Q5 パリのみなさん、ご自宅ではどのように過ごされているんでしょうか?

A5 お家では、手をかけた料理をしたり、トレーニングしたり、ネットにかじりつく人も多いと思います。うちでも毎朝、YouTube見ながらラジオ体操をしています。子供がいる家庭は、子供が自宅オンライン授業や自習をするため、親がさらに苦労しています。家でも運動する時間が少ないので、できることなら自然のあるところに連れていきたいところですが。