感謝や愛情の気持ちを花に託して贈る、という時に欠かせないのがお花屋さん。海外ではどんなシチュエーションで、どのようなお花を贈るのでしょうか。そこで今朝は、「世界のお花屋さん事情」。

20200214c01.jpg

●フランス・パリ /  ドゥヴィアンヌ園子さん

Q1 普段の生活で花を贈る行為というのは多いのですか?

A1 男性から女性への愛情はもちろん、そうでなくても、いろいろなケースでの気持ちを伝えるのに、お花に託すのが最も簡単で間違いない手段なので、フランスでは頻繁にお花を送ったり送られたりします。自分の家の庭からよ、というのもよくあります。パリにはお花屋さんは街中に、東京よりずっとたくさんあります。 

Q2 愛情を伝える、というシチュエーションではどんなお花を贈るのしょうか?

A2 情熱を表現するには赤いバラというのが定番のようです。あまりリッチでない若者はバラ一輪だけでもいいし、でも、そういう言い伝えには拘らず個性豊かな花束を予算に応じてお花屋さんと相談して持っていく方がフランス人的です。また高齢のお母さんに遠くに住んでいる子供たちが頻繁に会いに行けない代わりに毎週とか、毎月お花を届けてもらうということも花屋さんにお願いできます。それから季節の花を楽しむのもフランス人です。今はミモザがその待ち遠しい陽の光を黄色い花が運んでくれるようです。  

Q3 なるほど、社交という観点でお花を贈るということもあるのでしょうか。

A3 社交としてのお花のプレゼントはありとあらゆるケースでみられますが、感謝のしるしとしても、花は便利です。5月1日メーデーと日本では言いますが、フランスでも労働者の祭日、勤労感謝の日なのですが、感謝を伝える鈴蘭の小さな可愛いブーケを働いている人に、男女も年齢も問わずにプレゼントします。街角に簡易テーブルを出してすずらんを売る5月1日はパリの風物詩でもあります。パーティや個人的にお家に呼ばれた時に花束を持っていくというのも一般的ですが、決して選んではいけないお花があります!菊類はダメです。菊はお墓に供える花と決まっているんです。

Q4 白い菊はたしかに日本でも「お葬式」で飾るイメージがありますが、白以外の色の菊でもダメなんですか?

A4 菊はやはり秋の花で、カラフルな小さめの菊が多く、11月1日の祭日がキリスト教でのお墓参りの日なので、お花屋さんはその前後にたくさんの菊を揃えています。日本人がそれを知らずに招待されたフランス人のお宅のマダムに菊の花束持って行って失敗するという例がよくあるようです。

●タイ・バンコク / 木下麻衣子さん

Q1 バンコクではどういうところで花を売っていますか?

A1 もちろんデパート内などに店舗もありますが、普通の路上が多いです。花かごや台車を持ったオバちゃんが売っていたり、駐車場の一角が花屋に早変わりしていてそこで買えたりします。種類も豊富で、ちゃんとラッピングやリボンをかけてくれたりもします。

Q2 特にバレンタインデーでのお花を贈る習慣がどうなのでしょうか?

A2 バレンタインは特に売れるので、その日だけ現れる花屋さんや、普段見ないような、肉厚で超立派な一輪の薔薇も多く見かけます。そして男性から女性に薔薇の花を贈るのが最も一般的です。現地の若者はバレンタインに男性から貰った薔薇を手にして歩くのがステータスという感じです。

Q3 なるほど、愛情表現以外で特別なお花を買うということはあるのですか?

A3 プアンマライという、白いジャスミンの花を紐に通した、数珠のように作られた花輪があるのですが、とっても良い香りなんです!それは日常的にお供えをしたり、車のバックミラーにかけたりします。それだけでなく結婚式で両親に贈る花もこのプアンマライです。ちなみにこのプアンマライは、車で信号待ちをしているときなどに、売り子がヒョコッと現れて買えるシステムが多いです。

Q4 日本みたいに会社の歓送迎会でというのはあるのでしょうか?

A4 あまり機会がないようです。花束贈呈があるのは日本人がいる職場が多いようです。