お正月、つい食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしてしまう時期ですよね。そんなときに、「糖質0」や「シュガーフリー」といった食品を選んで購入するという方も多いかもしれません。
近年、健康志向の高まりやアレルギーに対応した「〇〇フリー」「〇〇オフ」といった商品が数多く世に出てきていますが、海外での事情はどうなんでしょうか?今朝はアメリカとイタリアに回線をつないで「〇〇フリー」「〇〇オフ」事情、チェックします。
アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん
JK : アメリカは世界のどこよりも早く、ファットフリー、トランスファットフリーという食品を作っていた気がします。こうした食品は多いのですか?
A : はい。アメリカで生活していると、XXフリーの嵐です。古くは、シュガーフリー。レストランやダイナーのテーブルには必ず人工甘味料の小袋が常備されています。
これは、皆さんご存知のように、糖質が肥満や糖尿病の原因担っているからに他なりません。
JK : 清涼飲料は全ブランドにシュガーレス・バージョンを揃えていますね。
A : はい、糖質のゼロ表示はイコール「ヘルシー」イメージですから各社怠りなく、この辺は対応しています。
JK : シュガー以外のフリー食品というと?
A : やはり歴史があるのが、カフェインフリー。
JK : カフェインレスコーヒーですね。最近日本でも作ってくれるカフェ多いんですよ。
A : カフェイン・フリーのコーヒーは、戦前のドイツで開発されたもので、薄い食塩水のなかで豆を洗うというプロセスでカフェインを除去しています。
近所のスタバで聞いたら、「メニューには表示していないが、朝の7時半から正午までの午前帯だけデフォルト(レギュラー)コーヒーのカフェインフリーを提供している」そうです。
JK : え?朝の方がカフェイン必要でしょ。夜の時間帯にカフェインレスを出すのが普通じゃないですか???
JK : ヨーロッパでは、グルテンフリーの食品が増えているそうです。アメリカではどうですか?
A : 増えている。FDA(連邦食品薬品局)が、グルテンフリー食品のラベル表示規定を発表したのが2013年。以来、スーパーや食料品店、(特に)ベイカリーにグルテンフリーのコーナーが続々設置されています。
JK : そうなると小麦を代替する食材は?
A : タピオカ粉や米粉がよく使われます。セリアック病の発作は、小麦粉が一粒混入していても起きますので、グルテンフリーの製造現場は、半導体工場並みの厳しさで無小麦環境を維持しないと認可がおりないし「グルテンフリー」表示ができません。そのための設備投資は莫大なものです。しかし、アメリカ社会的にはグルテンフリーに大きく傾斜している感じです。
JK : 味、違います?
A : マンハッタンにも完全グルテンフリーのベーカリーが数軒あるので、機会があったら、皆さんも召し上がっていただけるといいと思いますが、正直言って、小麦粉で焼いたものより、はるかに上品で、クッキーもケーキもパンも日本人の口には合います。ちょっと値段が張るのが玉に瑕ですが。
イタリア ローマの村本幸枝さん
JK :イタリア料理というと思いつくのがパスタ、ピザ。好きですが、炭水化物が多いイメージです。そうしたイタリアでも、健康志向の理由からなになにフリーという謡い文句はあるのですか?
A イタリアの食品店やレストランでよく見かけるのは「グルテンフリー」「ラクトースフリー」の表示です。
商品宣伝のための謳い文句というよりも、イタリアではグルテンやラクトースに対する過敏症の人が増えているため、過敏症の人やアレルギーの人でも安心して食べられます、といった謳い文句で、ニッチな (とは言え、徐々に拡大している)市場に参入する意図があるのだと思います。
例えば、パン、パスタ、ピザなど。グルテンフリーの商品は米粉やとうもろこし粉を使用しています。
グルテン過敏症の人は普通のパンやパスタ、ピザを食べるとお腹が張って膨らみ、なかなか消化できないという問題があります。
でも、イタリア人の食卓にとってパン、パスタ、ピザは必須。そういう人たちの救いの場が米粉やとうもろこし粉を使った商品です。同じくラクトースフリー (乳糖)過敏症の人は、腸内でラクトースをうまく分解できないため、チーズやスイーツなど乳製品を使った食品が食べられません。イタリア人はチーズもスイーツも大好き。
私の友人も大のスイーツ好きなのにラクトース過敏症のため、食べられないのが悩みでした。そこで数年前にローマでオープンしたラクトースフリーのチョコレート&スイーツのお店で買ったチョコレートケーキを買って行ったら、「あ~、これで何の心配もなくスイーツが食べられる~!」と泣くほど喜んでいました。
JK : ずいぶん前であれば、そうした症状が何が原因なのかわからなかったのが、最新の医療で分かるから、というのもあるんでしょうかね。