この番組、きょうが2019年最後の放送ということで今年の世界の大きなニュースを振り返りたいと思います。

政治・経済・スポーツ・エンターテイメントなどなど...皆さんの記憶に残っているのはどんなニュースでしょう?

そこで、今朝は、イギリスとスウェーデンに電話をつなぎ、現地では今年、どんなニュースで持ちきりになったのか、話を聞きましょう。

イギリス・ロンドン 川合亮平さん

Qイギリスでは来年1月末に迫るEU離脱が確定しましたね?

A やはり話題の中心は国民総選挙ですね。ボリス・ジョンソン首相率いる保守党の圧勝という結果となりました。7月、首相に元ロンドン市長でもある、ボリス・ジョンソン氏が就任しました。ロンドン市長の時はロンドン五輪を大成功させて、マスコミの反応や一般人気も高かったように記憶しているんですが、近年の人気度と信頼度は芳しくない、というのが印象です。とはいえ保守党は、全野党を合わせた議席より80議席多く獲得し、1987年以来の大勝利、ということです。

一方でライバルの労働党は1935年以来の大敗となりました。EU離脱、ブレクジットの推進派、ジョンソン首相に改めて力が集まったということで、ブレクジットがいよいよ現実味を帯びてきた印象で、どうなるんだろう、という感じです

Qやはりニュースでは毎日ブレクジットなのでしょうか。

A 政治の関心事ではあるのですが、ブレクジットの話は聞きたくない、という人もいます。今年のイギリスでのGoogle検索のベスト3にはブレクジットは入っていません。

1. Rugby World Cup

2. Cricket World Cup

3. Game of Thrones(テレビドラマ)

ラグビー・ワールドカップが第一位というのは日本でも話題で打倒だと思います。逆に日本ではほとんど話題になってなかったかもしれませんが、今年は、ICCクリケット・ワールドカップ、イングランド・ウェールズ大会だったんですよ。大会の決勝戦がニュージーランド対イングランドになり、見事イングランドが初優勝しました。実はイギリスでは、フットボールに負けずとも劣らないくらいクリケット人気も高いんですが、今回の優勝は国を挙げて大盛り上がりで、普段スポーツを見ない女性層も巻き込んで誰もがテレビに釘付けになったんです。

Q 日本では「ONE TEAM」が年間の流行語大賞になりました。そういうのはありますか。

A 残念ながらそういう流行のフレーズというのはないみたいです。

スウェーデン マルメ 丹呉由紀子さん

Qスウェーデンのみなさんにとって今年の大きなニュースはどんなものですか?

今年のスウェーデンでの世界的なニュースといえば、気候変動の危機を訴えるスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリが、9月に英国からニューヨークまで、ヨットで大西洋を渡り、ニューヨークでの国連気候変動サミットに出席、12月にはスペインで開催された、第25回気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に出席し、演説したことでしょうか。

Qグレタ・トゥーンベリさんの活動は日本でも注目されてきました。彼女の活動によって、日本の中学生も環境問題に気づき、自分なりのアクションを起こしたという児童もいます。母国では支持者が多いのですか?マスコミでは、彼女に対して一部、批判的な声も上がっています。

グレタさんは昨年、15歳のとき、政府に気候変動対策の強化を求めるためにストックホルムで「気候のための学校ストライキ」(Fridays For Future)を始めました。彼女の意思はSNSを通じて拡散し、世界中の数百万の子供や若者が、様々な都市でデモをするきっかけになりました。こうした彼女の活動について、支持する声と批判の声、両方ある。

支持者

「地球の危機を唱える科学者からの警告を聞いて欲しい」と訴えるトゥーンベリは、スウェーデンの環境大臣であるイザベラ・レヴィン(Isabella Lövin)や、専門分野の研究員をはじめ、環境問題に対して意識が高い多くの人々や若者の間で支持されています。2019年のノーベル平和賞にもノミネートされ、推薦者は「気候変動を止めるために何もしなければ、戦争や紛争、難民を生む」と述べました。

一方で、批判の声

「活動より、学校に行って勉強するべきだ」と言う学校教師や大人、トランプ大統領のようにトゥーンベリの怒りの演説に対して「彼女は怒りをコントロールすることに取り組むべきだ」と言う声があります。また、スウェーデンの公共テレビ局で働くジャーナリスト、エリカ・ベイヤストローム (Erika Bjerström)は、「トゥーンベリは非常に政治的であり、ますます政治的、左派ポピュリズム化している」と述べ、企業家や政治家に圧力をかけていると批判しました。