このほど、日本能率協会が発表した「2019年度 入社半年・2年目 若手社員意識調査」によると、勤続年数が3年未満の若手社員のうち、「転職を検討」、また、「転職活動をしている」と回答した方が48.8%、半数ちかくにのぼったとのこです。転職は当たり前の時代、転職エージェントの広告もよく目にしますよね。そこで、今朝は海外の「転職事情」、をチェックします。

アメリカ シカゴ在住の川平謙慈さん

JK:転職する人はアメリカで多いですか?

まず、「転職」という単語がアメリカにはありません。直訳すれば、「Job Change」となるでしょうが、日本の様に「特別な事」と構えていることは無いです。 しかし、日本に比べると多いと言えるでしょう。だからと行って、同じ組織に長くいる人がいないわけではありません。私のアメリカの従兄弟の中には、同じ組織に30年以上いた人が6人います。転職の理由は様々で、キャリアアップのためにした人もいれば、配偶者が昇進して転勤になったから転職するケースや、リストラされて仕方なくした人など、多岐にわたります。標準的な転職はありません。

JK:それでは、転職紹介やマッチングの会社、サービスなどは利用されていますか?

インターネットの時代になって転職活動は大きく変わったと言ってもいいでしょう。これは情報の量だけでは無く、質にも言えます。量的には、LinkedIn, Indeedといった求職リストがあります。質的には、LinkedInで自分のプロフィールを作り、元上司や同僚、顧客からレコメンを書いてもらう事でアピールが出来ます。同時に、Glassdoorといったサイトで、雇用者・会社がそこで働いている、あるいは働いたことのある人たちから「採点」される時代です。「ブラック企業」であれば、一発でバレます。いまや若手の就職活動をしている人たちの5人に4人は応募前に、Glassdoorをチェックしているそうです。管理職やエグゼクティブになれば、ヘッドハンターの役割が大きくなります。良いヘッドハンターは、雇う側がクライアントなので、その人が「この人は私のクライアントが求めている条件を満たしている」と思わない限り、声をかけてきません。逆に、「あなたを斡旋します」というヘッドハンターは一流と思わない方がいいでしょう。

JK:転職に対して「いいイメージ」「悪いイメージ」はあるのでしょうか?

理由に依りますので一概には言えません。スキルや実績を買われて引き抜かれたのであれば、良いイメージですが、仕事の内容がお粗末で首になり、仕方なく転職するのであれば、悪いイメージです。ただ一つ日本と共通しているのは、良いか悪いかは、最終的に各個人が決める、ということだと思います。

マレーシア クアラルンプールの石田鬼美香さん。

JK: 経済が成長しているマレーシアだと思いますが、よい仕事の環境を求めて転職する人は多いのですか?

マレーシアは多民族国家ですので民族によって意識が変わります。 マレー系は公務員が多いのであまり転職しません。中華系は転職することによってレベルアップを図ります。3年ぐらいで帰属する会社での自分の将来を見極めます。転職することに悪いイメージはありません。またマレー系でもこの頃は民間で活躍する人も増えて、転職も増加しています。