きょう11月8日は、「良い歯」の日。ということで、このコーナーでは、海外のデンタルケア、オーラルケアについてチェックします。

予防歯科の先進国スウェーデンと、中国に電話をつなぎ、お話を伺います。

スウェーデン マルメ丹呉由紀子さん

JKデンタルケアに熱心な国と聞いています。特別な歯ブラシなど使っているのですかね?どんなケアをしているのですか?

(*背景 1960年代、スウェーデン。今では予防先進国と呼ばれるスウェーデンも、当時は多くの国民がむし歯や歯周病にかかっていました。このまま放置すると国の医療費が莫大に跳ね上がることが予想されたため、1970年からむし歯と歯周病の予防が国家戦略とされました。

歯ブラシと歯間ブラシ。

スウェーデンのマルメ大学で研究されて設立された歯ブラシメーカーが、様々な種類の歯ブラシや歯間ブラシを出しています。スウェーデンでは歯間ブラシを使う人の割合は7割以上と言われており、歯ブラシと共に最も売れるオーラルケア商品です。また、一年間に使用する歯ブラシの平均本数が12本ほどと言われており、他国と比べて、歯ブラシ交換頻度が高いようです。

JK 換算すると1か月に1本使い切り、変えていることになりますね。ほかにどんなオーラルケアがすすめられているのでしょう?

フッ素のチカラ

歯磨きや歯間掃除の他に、歯磨き後に毎度、うがい薬でうがいすることを勧められます。このうがい薬には、虫歯予防のためのフッ素の他、歯周病予防のためのクロルヘキシジンという殺菌作用のある薬、など様々な成分が配合されています。フッ素は歯の表面に付くことで、まるでよろいをまとうように、歯を丈夫にしてくれる効果があると言われております。このフッ素ですが、うがい薬や歯磨き粉のみならず、歯間ブラシやフロス、爪楊枝やガム、塗り薬などにもフッ化物が染み込まされている製品があり、掃除する度に歯にフッ化物が作用するようです。

JK 子どもたちに対するオーラルケアの教育も大切ですよね。

子供のデンタルケア

子供は12歳まで保護者が責任をもって歯磨きすることを勧められ、定期検診も欠かしません。また、23歳までは検診が無料なため、若者の虫歯予防目的での歯科受診率が多いと言えます。

中国 上海 松田奈月さん。

JK 中国のみなさんの歯磨き習慣はいかがですか?昼食後にも歯磨きはするのでしょうか?

上海での歯磨きは基本的に朝、晩2回が多いようです。(基本は家にいるときに磨きます)昼食の後にも磨くというひとはいますが、日本のOLさんのように会社や外出先で磨くというのは、定着した習慣にまではなっていないようです。

JK やっぱり。歯の定期健診などあるのですか?

 上海で歯科治療できる場所は、「医院」と「診療所」の大きくわけて2種類あります。診療所は基本的に個人経営で、以前は街角の一角にある小さくてあまり衛生的とはいえない場所も多く、下手に行くとすぐに歯を抜かれるというイメージでした。それがここ数年では、外国に留学経験のある歯科医師が常駐するような高級診療所が増えていて、そこでは治療だけではなく、審美歯科として保険のきかない矯正やクリーニングが高額にもかかわらずとても人気になっています。

中国語で「歯を洗う」という表現をする歯のクリーニングは、1回1万円弱くらい、最新技術を使った矯正は100万円以上とどちらも健康保険が適応されずかなり高額ですが、健康と美容の両方の意識の高まりから利用者は増えています。(診療所はお金があれば医院よりも丁寧で最新の審美歯科が受けられる場所というようにイメージが変わってきているようです)

ちなみに中国の昔からの歯の健康法で、「叩歯」という方法があります。上下の歯を朝晩かちかち嚙合わせるという方法で、これを習慣にすることで歯茎を強くし口内の免疫力が高まり、歯もきれいになると言われています。達磨大師から伝わった方法として、いまでも歯の健康法の一つとして紹介されています。若い人で実践している人は多くはないようですが。