ニュースやワイドショーで連日取り上げられる「8050問題」。引きこもりの長期化により、親世代・子世代ともに高齢化。社会からの孤立や、一部では重大な事件に発展するなど、大変な社会問題となっています。さて、この「8050問題」、海外でも起きているのでしょうか?けさは、韓国とイタリアに電話をつなぎお話を聞きます。

韓国 ソウル オム・キフンさん

JK 韓国も高齢化が進んでいると思いますが、いかがでしょうか?

A 韓国では60歳以上の人口10人のうち、3人が子どもと一緒に住んでいることが調査で分かりました。理由として子どもが独立する能力がないというのが最も多いです。

今回の調査で、親の75%は子どもと一緒に暮らしたくないと答え10年前の50%から確実に増えています。

反対に親自身が一人で住むことが出来ないという答えが二番目に多かったんですが、1位と2位の順番が数年ぶりに変わっています。

子供が今よりさらに豊かになるだろうという期待感もここ数年間で急激に落ち、経済環境が厳しくなった現実を反映しているという解釈です。

朝鮮日報によれば、韓国では、15~30代の無職で、「ただ家にいる」と答えた若者は、2018年には29万人にも上り、無職の若者が19.5%を占めています。

仕事を探すのがますます難しくなれば、若者は自信を失い、他人との関係を絶ち、社会的に孤立してしまうので老人の親が中年の子供の面倒をみる事になる家庭はこれから益々増えていくだろうと専門家は見ています。

イタリア フィレンツェ 小泉真樹さん

JK 「8050問題」、イタリアでは、どうですか?

A イタリアでは高齢の親がイタリアにも歳をとった両親と暮らす中年は割と沢山いるのですが、一応仕事はしていたり、友達と出かけたり、もしくは一緒に暮らしていなくても経済的に完全に両親に頼っていたりという感じで、親離れ&子離れできない人達くらいの感覚で社会から遮断してしまっている様子はあまりないのですが、実はこのひきこもり問題、イタリアでも「Hikikomori」(そのまま日本語で使われています)としてイタリアの若い世代の問題として取り上げられていました。

2016年には30,000人と言われていたHikikomoriが今年の統計では100,000人に増加したイタリア、平均年齢は20歳、1番多いひきこもり年数は3から10年で、特に中学校から高校へ行くデリケートな時期にひきこもる人が多いそうです。ひきこもりのうち87,85%が男性と圧倒的に多く、イタリアでも経済的には豊かと言われるロンバルディア、ピエモンテ、ヴェネトと北イタリアにこの傾向が多くみられるとのこと。このひきこもりという現象が早く始まった日本で現在80/50問題があることから、イタリアも20年後同じ問題を抱えていくのでは?という懸念が広がっています。

一般的にオシャベリ大好きなイタリア人ですが、若い世代はスマホに釘付けという人も多く、ネットの普及のネガティブな面もこの現象の増加の要因になってしまっているのでは?と考えているイタリア人も多いようです。