このコーナーでは、世界各地の番組通信員と国際電話でマルチにコネクト。時事問題から生活実情まで、世界中の視点を並列して探ります。最近、道具や食材を用意せず、手ぶらで楽しめるバーベキュー場も増えてきましたよね。私、ジョン・カビラ、無類のバーベキュー好きでして...。

ところで、世界ではどのようにバーベキューを楽しんでいるのでしょうか?今朝はアメリカとブラジルに電話回線をつなぎ、現地のバーベキュー事情についてお話を聞きます。

アメリカ カリフォルニア 大西良子さん

JK バーべキュー大国アメリカというイメージですが、カリフォルニアではいかがですか?

A 私が現在住んでいる北カリフォルニアの海辺の小さな町は、外国人が比較的多いので、典型的なアメリカとは違ってバーベキューがあまり頻繁に行われていない印象です。以前住んでいたBBQ好きが多い南部では、ポークリブやとかBBQレストランというのが近所に5−6件ありました。また、金曜日の夕方家の近所を散歩しているとプーンといい匂いがして、夕食が裏庭のBBQという家があるのが当たり前でした。まあこれは土地の値段が比較的安く、広い家に住んでいるという住環境も影響していたと思います。また大学のカンファレンスセンターの裏には巨大なドーム型の業務用のBBQコンロが待機していて、カンファレンスの後の夕食はBBQでした。秋の新入生歓迎会もBBQでしたね。安上がりで楽しく、気楽な食べ方。特別なイベントととしてもあるけれど、日常の食生活の一コマ、っていう感じです。最近のアメリカの若者は、動物愛護的な観点から、肉を食べないビーガンとかベジタリアンの人が増えています。だからと言ってBBQが下火になるということはなくて、むしろそうした人向けに、植物性の材料で作った「肉」が市場に登場するのがアメリカ。中でも植物性たんぱく質や油を固めたハンバーガーパティ「肉じゃないって信じられない」(can't believe its not meat)というブランドが人気です。私も食べたことがありますが、歯ごたえがちょっとゴムっぽいところを除けば、ほとんど肉の食感。ビーツで色をピンクにつけてあるので焼く前さえも、本物のハンバーガーパティに見えます。むしろ私は「そこまでしてバーベキューしたい」アメリカ人のこだわりに感服しました。あとジャックフルーツというフィリピンなどでとれる、大きな果物の若い果肉を煮て、味付けしたものも人気です。これは歯ごたえは「メンマ」とかタケノコみたい。これはプルドポークの代用品として、バーベキューソース味に調理済みのものが売られており、これも人気。またハンバーガーで使うパンも、グルテンフリー、小麦に含まれるグルテンというたんぱく質の一部、これは日本でいう「お麩」の主成分なんですが、これを除いた材料で作られたパンを使うというのも、ここ10年ほどのトレンドでしょう。

JK どんな食材をバーベキューで焼きますか?

A アメリカはご存知のように東西南北広いのですが、基本はハンバーガー、それにそれぞれの土地のアイテムがプラスされる、という感じです。テキサスでは牛肉のステーキを焼くのが定番、マイアミではチキン、南部ではポークリブ、とかプルドポーク。これは日本でいうと豚の角煮状態のトロトロ肉を筋に沿って割いて、それを甘いバーベキューソースに絡めたもの。その肉をふかふかの厚さ6センチくらいのパンに挟んで食べます。ふかふかパンにソースがしみてたまらない。このほかBBQではないけれど、ミシシッピー出身の人がお隣だった時、川で獲れたエビとかクロウフィッシュというザリガニを囲んでみんなで殻をむきながら食べる会、というのもBBQみたいな集まりでした。「今夜エビやるからさあ、来ない?」と言われて行ったら、子供のビニールプールほどの大きさのザルに蒸しエビが山盛りで、仰天したことがあります。アメリカの祝日の一つ、メモリアルホリデーが5月27日の月曜日です。きっと3連休の週末は全米各地でBBQが開かれるでしょう。次は7月4日の独立記念日、そのあとは9月のレーバーデーウィークエンドです。1日でも週末が多い日は、こうして家族や友達とBBQで集まるというのがアメリカ社会のしきたりですね。

ブラジル サンパウロ 斉藤マルシオさん

ブラジルのみなさんはお肉が好きそうです。バーベキューも人気ですか?

A 人気です!

JK どんな食材でバーベキューをするのですか?

A 牛の中でもピッカーニャという希少な部位をブラジルでは一般的にたべます。最近、和牛が話題だけれど、高価です。でも、とても美味しいという評判です。