新社会人のみなさんは、ちょうど新入社員研修の期間でしょうか?日本では一般的に定期採用というシステムを取っているため、4月に一斉に入社する方が多いのですが、海外ではどうなんでしょう?今朝は、韓国、そしてスペインに電話をつなぎ、「新入社員研修事情」について伺います。

スペイン セビリア 加藤由香里さん

JKスペインの会社は定期採用を行っているんでしょうか?

A こちらでは日本のように一斉に入社式をして皆で一緒に研修を受けるということはほぼありません。学生や新人がインターンシップや採用されて会社に入る際、最初の2、3ヶ月で複数部署を経験して、その後働く部署に配属される場合が多いようです。こちらでも学生時代から就職活動を行いますが、入る時期はインターンをした後にそのまま本採用されたり、大学を終えてからインターンを始めるなど、時期はバラバラです。学生の時に卒業見込みで採用されつつもその後何年も大学を卒業できないまま、企業に勤めている人も多くいます。

JK そうなりますと、社員研修はないのですか?

A 少しキャリアの上の先輩がひとりひとり一緒についてわからないことを教えたりはあります。合宿は、業務内容を理解するため、資格を取るためなどで行う企業はありますが、あくまでも業務のためであり、教育や社会人としての心得を学ぶという意味での合宿はありません。

韓国 ソウル ヤン・ジョンミさん

JK 韓国は4月に一斉に定期採用をするというシステムはありますか?また新入社員研修というのあるのですか?

A 一般的に大企業の新入社員たちは、新入研修として約1~2週間の合宿教育を受けて、系列会社別に事業及び担当職務分野で必要とする実務技術と現場経験を積む別途の教育プログラムで構成される。しかし、過去のハードなスケジュールの研修も、最近、週52時間勤務制度などの導入で変化の風が吹いている。 これまでは新入社員が合宿研修を受けるとき、週末も関係なく、朝晩時間も関係ない教育プログラムを実施し、 厳しく長い合宿研修を通じて精神力を強めたりしたが、 新入社員の合宿研修を1日8時間、週40時間に合わせて教育プログラムも変更している。しかし、合宿教育を通じて会社の経営哲学や企業文化、職務などを教育するのが効果的であるということで、短くても合宿研修をする大企業がまだまだ多い。

JK 韓国の国際企業、サムソンやLG電子など企業理念を植え付けるため、徹底した合宿をしそうですね。

A たとえば、現代自動車の場合、グローバル企業の一員としての自負心と国を代表するという心構えを持つよう歴史意識教育に重点を置いている。SKグループは、最高経営者のCEOと新入社員とのコミュニケーションや共感を高め、未来にCEOへと成長できるという自心感を植え付けるための狙いで作られた。サムスングループは、会社の中心価値や系列会社と関連した内容を新入社員たちが演劇で見せるプログラムを通じて、創造的な製品を作り出し、直接作ってみる機会を提供するのが有名だったりする。一方、最近、ある会社で海兵隊キャンプの新入社員研修が議論になったことがある。以前はある意味当然視されていた軍隊式の組織文化や、命令に服従する伝達体系など、強制性が強要される企業文化として認識される恐れがあるということで話題になっただけに、過去の硬くて強い組織文化は徐々になくなりそうだ。