年度末です。日本では、3月末が会計年度の締め、という会社や組織が多いと思いますが、海外でも同じように3月末が年度末なんでしょうか。香港、そして アメリカに電話をつなぎます。

アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん

JK アメリカの会計年度は、いつからいつまでなのですか?

A アメリカでは、政府や公共機関は10月から始まって翌年9月で終わる12ヶ月を1会計年度としています。ただし、役所勤めの人でない限り9月に「年度末」を感じることはあまりないと思います。

JK なるほど公共機関の決算期は9月。一般企業も同じですか?

A 私企業の場合は、会計年度Fiscal Yearの取り方が自由裁量となっているため、ほとんどの会社が1月~12月を一年度としています。よって決算期は12月末。1月中に年次報告をまとめ2月の株主総会で昨年度の業績や事業についての報告をCEOが、実地並びにネット上で行うというのが通常です。それを受けて、企業の場合は3月15日、個人の場合は4月15日 を締め切りにしてTax File(税金の確定申告)を行います。なので、3月~4月が、なんとなく前年度のまとめが慌ただしく、Tax Fileはある種の年中行事のようになっています。

JK ちょうど3月から4月にかけて日本の決算期に似た雰囲気があると?

A はい、冬から春への季節の切り替わりを金勘定の期限に使うのは日米同じ感覚ですね。郵送申告の場合は4月15日の消印有効ですので、アナログ時代には15日の深夜12時前にギリギリセーフで郵便局に駆け込む人々をよく目にしましましたが、いまはe-file(電子申告)が普及して、そのようなドタバタは見られなくなりました。でもDid you file your tax?(税金やった?)がこの時期の挨拶がわりですよ。

JK 確定申告は全市民が行うんでしょうか?

A 企業に勤務する個人でもひとりずつ、ひと世帯ずつ、確定申告するのが習わしです。日本でも個人事業主やフリーランサーにはおなじみの「確定申告」を国民全員が行なっていると考えてください。自分でやる人が大多数ですが、忙しい人は税理士や経理専門家を雇いますね。

香港 富柏村さん

JK 香港の会計年度は、いつからいつまでですか?

A 香港は英国のしきたりで会計年度は政府はじめ4月~3月が多いです。所得税は日本のような「天引き」がなく天引きは日本がかなりレアなシステムなのでは?それこそ面白い。雇用主から前年4月から3月の所得データが4月になると届き、6月くらいまでに確定申告を被雇用者はすべて自分でする必要。

JK 4月から翌年の3月が会計年度と言うのは日本と同じですね。香港ではそのようになった理由があるのですか?

A なぜ4月からなのか?これは耳学問ですが、もともとローマ暦が今のグレゴリオ暦の3月が新年でだからSep ラテン語では7が9月Oct ラテン語で8が10月、以下、Sept9が11月、Dec10が12月で、ローマ暦だと2月末が年末で、年の会計をそこで〆ると集計に1ヶ月かかるので会計年度は1ヶ月遅れの4月から、にした。それが欧州で習慣となったとか。